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【本要約】養老先生、病院へ行く(著者: 養老孟司、中川恵一)の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

養老先生、病院へ行く

ジャンル: 暮らし・健康・子育て

著者: 養老孟司、中川恵一

出版社: エクスナレッジ

発売日: 2021/4/8

本の長さ: 192ページ

9.3

総合

9

読みやすさ

9

学び

10

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:養老先生が嫌いな「病院へ行く」ということは、決してヒトとしての生き方に反していないこと
  • 2:先生の中での「自然に生きる」は、今も昔も変化していないということ
  • 3:コロナの中で生きるにあたって「どうしようもないこと」を受け止めることが大切であること

北海道にお住いのペンネーム魚頭さん41歳女性(職業:専業主婦(主夫)?)から2021年6月頃に読まれた養老先生、病院へ行くを読まれたレビューになります。

養老先生、病院へ行くの内容

「唯脳論」「バカの壁」で有名な養老孟司先生は、大の病院嫌い。ところが愛猫「まる」の死去、そして自分自身の病気発覚に伴って、養老先生はついに病院へ足を運ぶことになりました。そのときの主治医かつ教え子さんの心境や、実際に病院へ通ったあとの養老先生の考え、そしてコロナの世界を養老先生はどうとらえ、考えているかをわかりやすい文章で書いています。漫画家ヤマザキマリさんとの対談も楽しく、養老先生の自然への考え方により深く迫ることが出来る一冊です。

養老先生、病院へ行くの著者について

著者:養老孟司、中川恵一
"養老孟司氏は日本の解剖学者。東京大学名誉教授。医師だが病院が嫌い。1937年生まれで、2003年に著した「バカの壁」がベストセラーとなる。
中川恵一氏は日本の医学者。専門は放射線医学。養老孟司氏の主治医として今回の著作に関わった。著作多数あり、がん関連の専門家でもある。"

養老先生、病院へ行く本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:養老先生が嫌いな「病院へ行く」ということは、決してヒトとしての生き方に反していないこと
  • 2:先生の中での「自然に生きる」は、今も昔も変化していないということ
  • 3:コロナの中で生きるにあたって「どうしようもないこと」を受け止めることが大切であること

病気になりその治療を受けることは、いわゆる自然に反することではないのか。養老孟司が自分自身の心筋梗塞という病の経験から、「自然であること」の考えを改めて述べています。コロナ下で生きること、ワクチン接種についても語っており、どんな生き物でも出来ることであれば危険を回避する、病気であれば治ろうとするということから、積極的に自分自身は摂取したいと述べました。病院が嫌いでも大病であれば病院に行く。これは自然なことであると養老孟司先生は身を持って知ったのです。

養老先生が嫌いな「病院へ行く」ということは、決してヒトとしての生き方に反していないこと

養老先生は病院嫌いで有名でした。ですが、今回心筋梗塞で入院したということで、考えに変化があったのかと思っていました。ところが全く変化はなく、ヒトとして生まれたのだから病気を克服しようとするのは当たり前、という柔軟な考え方であったことが面白かったです。過度な治療は忌避しながらも、その柔軟さと考えの柔らかさに「養老流」を感じました。愛猫・まるが亡くなったことで死に関しての考えに変化があったのかと思いましたが、それもきちんと受け止められています。

先生の中での「自然に生きる」は、今も昔も変化していないということ

養老先生が病院が好きでない理由は、病院というものが個人をデータ化することであることがわかりました。ヒトによって本来は病気やその原因は異なるのに、データだけで患者を読もうとすること、そして通院すること自体が自分の肉体をデータ化していることに抵抗があることが書かれています。先生は今回の自身の心筋梗塞に関しては、「ヒトだからいつかはガタがくる。だから病院へ行くしかない」とあくまで自然な流れとしています。医師だからこそ、出来る技だと考えられますが病院に対しても自然な姿勢でいることが大切なようです。

コロナの中で生きるにあたって「どうしようもないこと」を受け止めることが大切であること

医師である養老先生は、コロナに対しても比較的受け入れの体勢です。心配しても仕方がない、個人の範囲で出来ることをし、待つしかなかろうというその達観した姿勢は、もはや仙人の領域のようにも見えます。われわれはどうしてもコロナでリモートワーク、経済ダメージなどを考えがちですが、本来であればこれは天災レベルの事象なので受け入れるしかない部分があることを、改めて思い知らされました。必要以上に恐れず、淡々としている姿勢も魅力的です。

養老先生、病院へ行くを読んでの感想やレビュー

大変興味深く読ませてもらいました。養老先生が大病をしたということは知っていましたが、そこで何を考えたのかということや、愛猫・まるの死をどう考えたのかが書かれていて、ファンには嬉しい一冊だと言えます。先生が病院に行ったとしてもあくまで「養老孟司流」思考は変化していないという点も、この本を読んで納得出来ました。これからもさまざまな書籍や評論で、世の中の考えに釘を刺してほしいです。愛猫・まるの写真も可愛かったので大満足の一冊となりました。

養老先生、病院へ行くがおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • 仕事に燃えている方。力が抜けてしまうかもしれません。
  • ペットにあまり関心がない方は、感情が入りにくい部分があると思います。
  • 養老先生のこれまでの著作を全く読んだことのない方は、理解出来ない話が多いかもしれません。
  • 病院に行くことが好き、安心できるというご高齢の方は耳が痛いかもしれません
  • 人間はより発展すべきと信じている方は、衰退すると憤慨する可能性があります

基本的に「養老孟司先生の生き方」についての著作です。養老先生は自然に生きることを希望するタイプで、都市化などは好まず世の中は自然(混沌)であって良いと考えています。比較的年齢を重ねていない場合、この考え方は「枯れている」と感じられるかもしれません。さらに「病院嫌い」という前提をこの本では読者側がすでに知っているものとして書かれています。あまり養老先生について知らない方は、話についていけない可能性があるかと個人的には思いました。

養老先生、病院へ行くをおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 病院が怖くて仕方ないという方はぜひ読んでください。安心出来ます。
  • ペットの死を受け入れることがつらい。そんなときに読むと少し元気が出ます。
  • コロナの中で生きるのがつらい。あなただけではありません。自然に受け止めるコツが書かれています。
  • 養老先生ファン、「バカの壁」だけではありません。今の先生の姿をぜひ知ってください。
  • 最先端の医療や現代医療に疑問を抱えている人、ぜひ読んでください。人間は自然に生きられるのです。

養老先生にファンが多いのは、わかりやすいことと生き方が自然である点です。この点において、われわれは非常に学ぶべき事柄が多いと思われます。コロナという感染症が世界を覆う今、生き方を変化させなければならないことに不安を感じている人も多いと思いますが、この書籍はそういう人に「ヒトは基本的に自然であればよい」と言ってくれるものです。忙しい、大変という気持ちだけではなく、ナチュラルに受け入れる心を養ってくれると思います。







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