歴史・地理

【本要約】イタリア 24の都市の物語の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

イタリア 24の都市の物語

ジャンル: 歴史・地理

著者: 池上英洋

出版社: 光文社

発売日: 2010/12/16

本の長さ: 210ページ

9.3

総合

9

読みやすさ

9

学び

10

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:イタリアの芸術
  • 2:イタリアの歴史
  • 3:時代にもまれた人生の生き方

埼玉県にお住いのペンネームINさん34歳女性(職業:その他)から2021年5月頃に読まれたイタリア 24の都市の物語を読まれたレビューになります。

イタリア 24の都市の物語の内容

美術史家の池上英洋氏が、イタリアの24都市をとりあげ、都市にまつわる歴史や物語、実在した人物を通して「イタリアらしさ」とは何かを説いた本。例えば第一章「男たちの物語」では、清貧さを説いた聖フランチェスコの人生を通してアッシジの街を、第二章「女たちの物語」では宮廷の政治や芸術の保護をしたイザベッラ・デステの人生を通してマントヴァの街を、というように、その街に生きた人物に迫り、わかりやすい文章でイタリアについて語っている。

イタリア 24の都市の物語の著者について

著者:池上英洋
1967年広島生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修士課程終了。イタリアを中心とした西洋美術史・文化史を研究する美術史家。東京造形大学教授。

イタリア 24の都市の物語本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:イタリアの芸術
  • 2:イタリアの歴史
  • 3:時代にもまれた人生の生き方

イタリアを中心とした西洋美術史・文化史を研究する美術史家である池上英洋氏が、イタリアにある24個都市について書いた本。その都市に生きた歴史上の人物にスポットライトをあて、イタリアの歴史や文化、芸術、宗教など多岐にわたる分野の物事を平易な文章で書いている。日本におけるイタリアの美術史研究者を代表する池上氏の考える「イタリアらしさ」とは何か?を知る本。ローマやフィレンツェだけではない、リアルなイタリアの小さな街に迫る。

イタリアの芸術

ルネサンスの万能人レオナルド・ダ・ヴィンチが生まれたヴィンチ村や、天才建築家パッラーディオが手がけた建築の残るヴィチェンツァ、ラファエッロの師匠でもあった画家ぺルジーノが活動したペルージャ、ルカ・シニョレッリの教会壁画が残るオルヴィエートなど、その街にまつわる芸術家ということで、かなり美術の話がでてきます。著者は美術史家ですので、信頼のおける内容で、イタリアの芸術についてさらに学ぶことができました。

イタリアの歴史

イタリアの歴史といえばはずせないのはフィレンツェにおけるメディチ家の話ですが、この本にも、例えば、メディチ家最盛期のトップであったロレンツォ・イル・マニフィコの弟と絶世の美人シモネッタの恋愛模様についてなどを書きながら、当時のフィレンツェの歴史や世相について説明しています。他にも、有名な「カノッサの屈辱」のエピソードなど、あまり知らなかった歴史について平易な文章で書かれており、よく学ぶことができました。

時代にもまれた人生の生き方

ある街に生まれたり、移り住んで仕事や結婚生活などを営んだ実在の人物について、当時の時代がどのようなものだったかを説明しながら、その人がどう生きたか、何をどう選択したか、ということが書かれています。人の生き方は、いつの時代でも、またどの場所であっても、歴史にもまれ、その人らしさが出るものなのだと思いました。何百年と時間が経とうが、その人物が成した大きな仕事は、街に残され、その後の街の人に愛されていくのでしょう。

イタリア 24の都市の物語を読んでの感想やレビュー

いわゆる歴史書、美術書といった堅い本ではなく、かなり読みやすく書かれていたのがよかったです。イタリアの芸術、文化、歴史、宗教、建築物、実在した人物史といったことに興味があるので、この本を通して楽しく学ぶことができました。この著者の本は何冊か読んでいますが、どの本も内容が確かで、かつ読みやすく、重宝しています。イタリアには、多くの魅力的な街がありますが、この本はそれらについて知るいい機会になりました。

イタリア 24の都市の物語がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • いわゆるハウツー本や自己啓発本しか読まない人からすると読みづらいと思います。
  • 美術の話が退屈に思える人にはおすすめしません。
  • 歴史の話が苦手と感じる人にはおすすめしません。
  • 学術的な美術書・歴史書を求めている人にはおすすめしません。
  • ヨーロッパの文化に興味のない人にはおすすめしません。

これは初心者でもわかるように書いてある本ですが、もっとわかりやすく「すぐわかる!」「まんがでわかる」といったタイトルのついているような本と比べれば、まだ読み応えがある本です。ですので学術書ではないとはいえ、ハウツー本しか読んでいない人にもおすすめできません。難しい本は読めないけれど、よりイタリアの文化、歴史、芸術などについて深く知っていきたいという人向けの本です。何よりイタリアに興味がない人にはつらい本だと思います。

イタリア 24の都市の物語をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • イタリアが好きな人、興味がある人におすすめです。
  • 美術が好きな人におすすめです。
  • 著者は美術史家ですが、これは専門的な美術史の本とは違い、かなりライトに書かれており読みやすいです。
  • 美術や歴史の本にはカラー図版がないと!という人におすすめです。
  • 歴史上の人物の生き方に興味がある人におすすめです。

イタリアが好きで、美術、歴史、建築物、街めぐり、旅行、人物の生き方、そういったキーワードにひっかかる人なら、楽しめる本だと思いました。Kindleでもカラー図版があるのは大きいです。また、簡単な書き方がされているのもポイントが高いです。初心者向けの歴史書・美術書といってもいいかもしれません。イタリアの歴史上の人物といえばダ・ヴィンチですが、それ以外のあまり有名でない人が出てきて、街にからめて描かれているのも、読んでいて面白いです。







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