ご紹介する本
日本史は逆から学べ
ジャンル: 歴史・地理, 日本史
著者: 河合敦
出版社: 光文社
発売日: 2018/11/6
本の長さ: 376ページ
この本から学べるポイント
- 1:戦後の経済成長
- 2:第二次世界大戦と社会の動きについて
- 3:江戸時代に改革から幕末について
大阪府にお住いのペンネームエイジさん48歳男性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2022年9月頃に読まれた日本史は逆から学べを読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
日本史は逆から学べの内容
戦後の経済成長、民主化。第二次世界大戦~日清戦争。戦争が起こる原因や社会的な背景やそれに対して政府の政策への不満。このような経緯があって戦争につながったと丁寧な説明がされています。江戸時代~戦国時代は主に改革について。世の中の動きや幕府の政策、この改革によってどのように変わっていったのか。戦国時代から天下統一するまでの経緯について書かれています。戦国時代~平安時代については、武士による政治がスタート戦国時代に突入。平安時代~旧石器時代は、石器時代の暮らしから力のある豪族の出現、仏教による政治への影響。過去にさかのぼって何が原因でこのようなことになったのか詳しく説明されています。
日本史は逆から学べの著者について
著者:河合敦歴史作家、研究家として活躍。難しい日本史を分かりやすく楽しく教えることをモットーに、講演、執筆をはじめテレビにも多数出演しています。
Youtube
松村邦洋×河合敦「大河ドラマ」を語り尽くそう(3)河合敦の大河ベスト3
日本史は逆から学べ本の要約
この本から学べるポイント
- 1:戦後の経済成長
- 2:第二次世界大戦と社会の動きについて
- 3:江戸時代に改革から幕末について
本来の歴史は古い時代から現代にかけて学んでいきますが、この本は戦後の現代史から過去にさかのぼって解説されています。主に戦争や幕末など改革や争いなど大きく時代が変化した事柄について書かれていますが、何が原因になって、どのような対策をたてて、その後どのように時代が変化していったのかというところが主な内容になっています。学生時代に学んだ日本史と違って「何が原因でこうなったのか」というような違った角度で歴史を学ぶので、興味深い内容になっています。
戦後の経済成長
戦後の壊滅した状態から経済の回復、成長できた背景にはアメリカのバックアップがあったからだと書かれています。きっかけになったのは1950年の朝鮮戦争で、アメリカがこの戦争に軍事介入し、多くの兵士が出兵しました。アメリカ軍は、日本企業に対して多くの物資を注文しました。このような需要が日本に好景気をもたらし、これが約三年間続きました。翌1951年以降日本政府は造船や鉄鋼に資金を投入し工場の建設や最新機械の導入など大規模な設備投資をされ、良い品を大量生産できるようになりました。またアメリカ企業の技術革新の成果を導入するなど、さまざまな支援がありました。1ドル360円という固定相場も輸出を急速に拡大できた要因です。なぜ敗戦国にここまでの支援をするのか疑問に思いましたが、ソ連との冷戦によるものが原因でした。東アジアでは中国、北朝鮮の社会主義化を危険視したアメリカは日本を西側陣営の防壁にしようと考えました。これにより、当初日本を占領下に置く方針だったのが正反対の方向に進みました。戦後の歴史を見ると東西冷戦が関わっていることが多くあり、もし冷戦がなければ日本の将来が大きく変わっていたのだなと思いました。
第二次世界大戦と社会の動きについて
日中戦争の泥沼化が大きな原因だとされています。学生の時に第二次世界大戦、日中戦争、太平洋戦争の違いがよく分かりませんでした。この本では「日中戦争」に焦点を当てています。日中戦争の話については、1894年の日清戦争までさかのぼり、そこから中国の領土問題とその時代の政党政治に対する国民の不満について書かれています。長引く不景気などの社会的背景や策を講じない政府に対しての不満により軍部に国民の支持が集まる。軍部の暴走により満州事変、日中戦争へと繋がっていく。政府より軍部のほうに力があるのか、国民の後押しがあって暴走したのか。今の時代では考えられないなと思いました。
江戸時代に改革から幕末について
江戸幕府の衰退については、黒船の来航と幕府の対応が大きな原因だと書かれています。
天皇をはじめ多くの大名たちが反対したにもかかわらず、不平等条約を受け入れ、開国したことが幕府の瓦解を早めました。ぺリーの来航以降、国内では幕府に対しての不満が高まり、尊王攘夷運動が盛んになりました。その後薩摩と長州が手を組み、尊王攘夷から「倒幕」という方向に進みました。なぜ薩摩や長州が力を持ったかというと藩政改革が成功したことと、幕府の天保の改革が失敗に終わり「倒幕運動」を制止しきれなかったことが大きな要因。江戸時代に行われた主な改革を遡って説明されていますが、大きな飢饉が原因で一揆がおこりその立て直しとして改革が行われています。三大改革についての説明もされていますが、内容が極端に偏っていて農民救済に重きを置く場合もあれば、商人を優遇される時代もあります。その反面民衆に対して規制が厳しくなったり、農村が荒廃していったりで大きく成果が出ているところと犠牲になっているので、力を入れるところがあまりにも極端で、どの時代もすべての人が良くなるのは難しいのだなと思いました。
日本史は逆から学べを読んでの感想やレビュー
歴史を逆から学ぶという今までとは違う形での勉強になりました。大きな出来事にはすべて根拠があり、経緯があり、社会的な背景があります。「何が原因でこのような問題になったのか」ということを遡って説明されているので理解がしやすかったです。世の中が変わるような大きな出来事と権力の移り変わり、社会の様子に焦点を当てて書かれていましたので、流れを知るにはとても分かりやすい本でした。これから通常の歴史の本を読むとより一層見方も変わるし勉強になるかなと思いました。
日本史は逆から学べがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 歴史が得意な人
- 深い内容を学びたい人
- 違う分野を勉強したい人
- なし
- なし
歴史が得意な人、深い内容を学びたい人、ほかの分野に興味がある人
基本的には全員におすすめですが、歴史が詳しい人やもっと深く歴史の勉強をしたい人には、少し物足りない内容かなと思います。一つ一つ詳しく説明されているというよりかは、一通りの流れを通しての説明なので、これから学びたいという初心者の方にはおススメですが詳しく勉強したい方は、内容を絞って書かれた本を選ばれた方がいいかと思います。内容はとても読みやすかったので、面白い本でした。
日本史は逆から学べをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 歴史が好きな人
- 違った視点で学びたい人
- 新たに勉強したい人
- なし
- なし
現代史から過去にさかのぼって説明されている本です。歴史上大きな出来事は何が原因で起こったのか、当時の社会の状況や政府、幕府の政策が説明されています。どのように改革をしてその後、社会はどう変わっていったのかを時代別に解説されています。学校で習った歴史は、古い時代からのスタートなのであまりピンとこないですが、現代史からの説明ですと今の時代の元になっている部分も強いので内容も入ってきやすかったです。違う視点で書かれているところも興味深かったですし、これから勉強を始めたい人は違った目線で学べるので是非おススメです。