ご紹介する本
ザリガニの鳴くところ
ジャンル: 文学・評論
著者: ディーリア・オーウェンズ
出版社: 早川書房
発売日: 2020/3/5
本の長さ: 502ページ
この本から学べるポイント
- 1:愛することと自立の両立の難しさ
- 2:2022年に映画公開されたことで原作も読んでみたくなった
- 3:彼女の人生から何か学べることがあるかということ
神奈川県にお住いのペンネームカモメさん41歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2022年12月頃に読まれたザリガニの鳴くところを読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
ザリガニの鳴くところの内容
主人公の女性が抱えてきた家族の問題や、結婚の約束した男性からの裏切り、そんな人生の中で唯一没頭できたのでが湿地での研究。田舎町で貧しくも自立しようとしている一人の女性の物語です。しかし、ある殺人事件が研究していた湿地帯で発見されたことにより、彼女は犯人の容疑がかけられてしまいます。信用できる人との出会いとは裏腹に世間の目は独身女性に冷たく、容疑が晴れるまでどうなっていくのは分からない展開に共感が持てる展開です。
ザリガニの鳴くところの著者について
著者:ディーリア・オーウェンズアメリカの動物学者で、処女作「ザリガニの鳴くところ」が2018年に出版され、ベストセラーになったことで知られるようになりました。
Youtube
本屋大賞翻訳小説部門『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズさんからのメッセージ
ザリガニの鳴くところ本の要約
この本から学べるポイント
- 1:愛することと自立の両立の難しさ
- 2:2022年に映画公開されたことで原作も読んでみたくなった
- 3:彼女の人生から何か学べることがあるかということ
家族の問題を抱えている独身女性や、仕事をしながらたまには息に気に読書をしたい女性におすすめのミステリー小説です。一人で生きながらもいつかは寄り添える相手が現れることへの希望や、何か生き甲斐になり没頭できる趣味や仕事を持つことへの情熱持ち、自立することだけにこだわることへの意味を考えさせられる内容でもあります。辛い過去を背負い、母親の言葉を思い出しながら、一人で背負う必要のない悲しみを解消することの重要性を教えてくれるような一冊です。
愛することと自立の両立の難しさ
著者であるディーリア・オーウェンズが元々は作家でない職業で、原作の小説が話題になり大ヒットし、映画化にもなった経緯があります。本業とは別に自分の才能や知見を活かし、世に広げられる作品を生み出せる可能性を強く感じました。作家になったことで、本業の動物学者としての経験や知識が活かされている部分もあり、書籍の内容だけではなく、どんな人がこの本を書いたのかということにも注目できるようになりました。また、彼女自身も夫という存在があって、執筆活動が成功へとつながったようです。
2022年に映画公開されたことで原作も読んでみたくなった
田舎の湿地帯の町で育った主人公は父親の暴力で、兄弟や母親が出て行ってしまったことで、父親の他界後は孤児と育ちます。学校に行かず、人付き合いもしなくなった主人公は成長すると村人から変わり者だと噂される存在になってしまいます。一人で細々と暮らしながら、ある人との出会いで読み書きを学び、自立するために湿地帯の研究を始めます。女性にとって何が自立へ繋がるのか、大切な人との出会いから成長し、支え合うことがどんなに重要なのか学びました。
彼女の人生から何か学べることがあるかということ
どんな人間でも、生まれた場所や親は選べません。親のせいで悲惨に境遇に陥ってしまった主人公を助ける人もいれば、見捨てる人もいます。人の偏見はその人を殺人者に追いやるほど酷いものであるということ、孤独にも一人で生活する女性に対しての世間の冷たさを学びました。女性だから経験する様々な仕打ちを経験する中でも、強く自立し、愛する人と出会うことで人生が変わっていくような希望を見出せる背景にも共感が持てました。
ザリガニの鳴くところを読んでの感想やレビュー
2022年に同名の映画が公開され、日本でも注目されたので、同名の映画を見てつまらなかったと思った人にも読んでもつまらないです。しかし、小説には映画と違った細かい札名や描写が浮かぶような文脈もあり、読み応えたのある書籍です。さほど、ページ数は多くないので、忙しくても合間に読書をしたい女性に人気の小説です。気分を落ち着かせ、女性の孤独や悲しみ、自立や愛などについても考えさせられるので、お勧めしたい一冊です。
ザリガニの鳴くところがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 不遇な境遇な女性が主人公なので、女性蔑視をするような見方をする人や貧しさへの偏見がある人
- ミステリーの要素がある展開なので、地味に推理するダークなストーリーが気分的に苦手な人
- 明るい結末を期待する人
- 同名の映画を見てつまらなかったと思った人
- 人間の本質に興味がない人
自立したい、孤独に強い大人の女性に特におすすめですが、不遇な境遇の女性が主人公なので、女性蔑視をするような見方をする人や貧しさへの偏見がある人、人間の本質に興味がない人は主人公に共感が持てないかもしれません。ミステリーの要素がある展開なので、地味に推理するダークなストーリーが気分的に苦手な人は暗い気分にさせてしまう内容で、明るい結末を期待する人にとっても気分をよくしてくれるストーリーではありません。
ザリガニの鳴くところをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- ミステリー作家が好きな人
- 一人で孤独に頑張っている女性
- 本業とは違う仕事をしたいと思っている人
- 悲しい内容の本を読みたい人
- 同名の映画に興味がある人
大ヒットした原作「ザリガニの鳴くところ」が大ヒットし、日本でも訳され出版されています。著者が元々は動物学者であるという異色の経歴の持ち主で、作家でなくても良い本を書くことができるという希望が持てます。小説が注目を浴びた理由に、読者の大半が女性で20代から60代までと幅広い年齢層から反響があったというのも否めない内容です。男性が読んでもミステリー小説として楽しめる一冊でもあるため、ダークなストーリーでも様々な見方や解釈ができる小説です。現在では様々な言語に訳され、世界で読まれている地味な書籍としておすすめです。