ご紹介する本
三体1
ジャンル: 社会・政治
著者: 劉慈欣(りゅう・じきん)
出版社: 重庆出版社
発売日: 2008/4/30
本の長さ: 200ページ
この本から学べるポイント
- 1:科学的な知識
- 2:中国の歴史・文化的知識
- 3:人類の哲学的な問い
石川県にお住いのペンネームせつこさん24歳女性(職業:その他)から2022年9月頃に読まれた三体1を読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
三体1の内容
この書籍は、中国が舞台のSF小説です。物語は文化大革命時代の中国から始まり、人類と異星人の接触を描いています。三部構成で、第一部は1960年代の文化大革命時代に、第二部は現代に移り、第三部は21世紀後半に設定されています。物語の核心は、異星人文明が人類に接触することで生じる様々な問題についてです。異星人は、文明の存続に危機を感じ地球に移住しようとします。そのことが地球人類にとってどのような影響を与えるか、また、地球人類がそのような状況に対処することができるかどうかが問われます。
また科学的な要素と哲学的な要素が混在しているSF小説で、物語の展開や人物描写、アイデアの斬新さが見どころです。その他、中国の近現代史や文化、哲学などの要素も織り込まれています。
三体1の著者について
著者:劉慈欣(りゅう・じきん)中国のSF作家で、1963年に中国・北京で生まれました。本業はエンジニアのため、科学的な要素の描写を得意としています。
処女作は1999年に刊行された「重力ピラミッド」で、代表作となっているのが今回の書籍「三体」です。
英語圏でも高い評価を得ており、2015年にはアジア人初のヒューゴー賞を受賞しました。
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話題のSF小説『三体』を解説
三体1本の要約
この本から学べるポイント
- 1:科学的な知識
- 2:中国の歴史・文化的知識
- 3:人類の哲学的な問い
文化大革命時代から始まり、現代を経て21世紀後半に設定された未来を描く、異星人と人類の接触を描いたSF小説です。
物語は、文化大革命時代の中国で、天文学者の父親が政治的迫害を受け自殺するところから始まります。その後、中国で行われた文化大革命や反右派闘争、天安門事件などの歴史的出来事を背景に、物語は展開していきます。中国の歴史や文化、哲学にも深く関わる作品となっているので、SFファンだけでなく幅広い読者に楽しめる一冊です。
科学的な知識
SF作品として、多くの科学的な要素を含んでいるため、物理学や天文学、数学などの自然科学分野に関する知識を学ぶことができます。例えば、三体問題と呼ばれる3つの天体の運動を計算する問題や、ダークフォレスト理論と呼ばれる、宇宙に存在する知的生命体の存在を仮定した考え方などが物語の中で取り上げられています。また、物語の中で登場する異星文明の技術や文化など、人間の想像力を超えたものが描かれており、科学技術の進化についても考えさせられます。
中国の歴史・文化的知識
中国の歴史や文化に触れることができます。例えば、物語の中で描かれる文化大革命は、中国の現代史上最も重要な事件の一つであり、当時の社会情勢や人々の心理状態が描かれています。また、物語の中には中国の哲学や思想、伝統文化に関する言及があり、中国文化への理解を深めることができます。
さらに、物語の中で登場する科学者たちが、中国の歴史的な出来事や文化的な背景を参照しながら、物理学や宇宙論を研究している様子が描かれています。これにより、中国の科学技術の発展についても学ぶことができます。
人類の哲学的な問い
人類が直面している哲学的な問いをテーマにしている作品なので、物語の中で描かれる異星文明との接触や、人類の未来について考えることで、哲学的な問いを学ぶことができます。例えば、異星人との接触が人類に与える影響について自己の再評価や存在の意味を考えることができたり、人類が選ぶべき道や、異星人との戦いにおける自己の選択により、人間の運命や自由意志について考えることができます。また、物語の中で描かれる高度な技術や、それが人間に与える影響について、人間の本質や技術の発展について考えることもできます。
三体1を読んでの感想やレビュー
私はこの書籍を読んで、非常に感動しました。本書は、SF小説の代表作の一つとして知られるだけでなく、歴史や哲学的な要素も含まれており、多くの読者から高く評価されています。特に、異世界や宇宙の描写が非常にリアルで、物語の中で登場する人間たちの葛藤や選択について考えさせられました。また、登場人物たちの人間性や思考回路が非常に深く描かれており、読み終わった後も長く心に残る作品だと感じました。ただし、SF小説や哲学的な要素に興味がない方には、物語が難解に感じるかもしれません。しかし、本書を読むことで、様々な視点から物事を見ることができ、人間の進化や未来について考えさせられることが多かったです。全体的に非常に引き込まれる作品で、SF小説や哲学に興味がある方にはおすすめしたいと思います。
三体1がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 長編小説が苦手な人
- 漢字に疎い人
- 歴史や科学に興味のない人
- なし
- なし
物語の世界観やストーリー展開、登場人物の人間模様など、魅力的な要素が詰まっているため、SF小説や歴史・科学に関する知識に興味がある方にはぜひおすすめしたいです。しかし、長編小説のため物語の展開が複雑で、また、多くの科学用語や哲学的な概念が出てくるため、読み手には一定の知識と読み取り力が求められます。そのため、小説を読むことがあまり得意でない方や、難しい漢字や文学的な表現が苦手な方には読みにくい場合があります。また、歴史や科学に興味がない方にとっては、物語の中で描かれる知識や技術についての描写がつまらないと感じるかもしれません。
三体1をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- ファンタジー要素のある小説が好きな人
- 科学や哲学に興味のある人
- 中国の歴史や文化が好きな人
- なし
- なし
中国を舞台としたSF小説で、科学的な要素や中国史をふんだんに織り交ぜた作品となっています。そのためファンタジー系の小説や科学、哲学に興味がある方におすすめです。また、中国文化や歴史にも興味がある方にも楽しんでいただける作品です。さらに、物語の中で描かれる異世界や宇宙の描写に惹かれる方や、人間性や人間の進化について考えたい方にもおすすめです。ただし、物語は科学的な知識や哲学的な問いを多く含んでいるため、専門用語や難しい概念が多い場合があります。それでも、SFの世界観やストーリー展開を楽しむことができる方には、ぜひ読んでほしいと思います。