ご紹介する本
マトリ
ジャンル: 社会・政治, 社会学
著者: 瀬戸晴海
出版社: 新潮社
発売日: 2020/1/16
本の長さ: 272ページ
この本から学べるポイント
- 1:想像以上に日本国内で麻薬犯罪が蔓延していることです。
- 2:麻薬犯罪に外国人が関与していること。
- 3:麻薬取引がネットに移行していること。
兵庫県にお住いのペンネームよしおさん65歳男性(職業:経営者・個人事業主(自営業))から2022年8月頃に読まれたマトリを読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
マトリの内容
マトリとは厚生労働省の麻薬取締官のことで、隠語でマトリと呼ばれています。マトリは警察と同様に捜査逮捕権を持ち、違法薬物の取り締まりや暴力団や外国人犯罪組織の
捜査を行います。警察と異なるのは麻薬取締官は、一般職以外に薬剤師がいることで大学の薬学部を卒業したものが採用されています。それはマトリは職務上、違法薬物を扱うので薬物の専門知識が必要だからです。また一般職は法学部出身者が多いようです。この本では知られざる日本の薬物犯罪とそれと戦うマトリの現実が描かれています。
マトリの著者について
著者:瀬戸晴海1956年生まれで明治大学薬学部卒業後、厚生労働省麻薬取締官に採用され薬物犯罪捜査の第一線で活躍し、関東信越厚生局麻薬取締部部長などを経てのち退官し2015年に
人事院総裁賞を受賞した麻薬犯罪取締のエキスパートです。
Youtube
実録警察24時【90年代】覚醒剤逮捕集、職務質問:警察官の会話が凄い?鬼なるでぇうちも
マトリ本の要約
この本から学べるポイント
- 1:想像以上に日本国内で麻薬犯罪が蔓延していることです。
- 2:麻薬犯罪に外国人が関与していること。
- 3:麻薬取引がネットに移行していること。
麻薬犯罪は被害者なき犯罪と呼ばれることがありますが、中毒者は麻薬を手にいれるためにあらゆる手段を使い様々な犯罪を誘発している。違法薬物には、覚せい剤やヘロイ
ン、コカイン、LSDなどがあり極度の依存性があります。さらに錯乱状態に陥ったり、妄想や幻覚をひき起こし脳に多幸福感を伴うのでやめられなくなるのです。さらに急性
中毒を引き起こすと意識不明になったり死亡することもあるので、社会を破壊する薬物犯罪を撲滅するため、マトリは日々身体を張って捜査に励んでいます。
想像以上に日本国内で麻薬犯罪が蔓延していることです。
よく大麻は安全でタバコより害がないとか言われていますが、現実は大麻は知力の低下や意欲の低下、注意力が散漫になったり無気力になったりします。しかしマスコミなど
での大麻無害というミス情報を真に受けて、軽い気持ちで接種するだけでなく、自分で大麻を栽培して売りさばくものも増えています。自家栽培できるから大麻は密輸する必
要がないのです。最近では幻覚成分を大量に含む大麻が出回っていて、マトリも大麻取締に力を入れています。
麻薬犯罪に外国人が関与していること。
マトリこと麻薬取締官は、映画やドラマのように拳銃をバンバン撃ったり、派手な立ち回りを演じたりすることはなく普段の職務は非常に地味で、現場に出向き足で情報を
収集しています。そのため暴力団事務所やパチンコ屋などで出入りしたりするだけでなく、様々な世界の人間関係を築くことが大切なので、捜査官といえども権力にモノを
言わせるのではなく人間力が大切なのだということがわかりました。だから優秀な麻薬取締官は聞き上手だったりアフターフォローがしっかりしていたりします。
麻薬取引がネットに移行していること。
マトリこと麻薬取締官が厚生労働省に所属する司法警察員で、警察官同様拳銃の携帯を許されていること。違法薬物にかかわっているのは国内の暴力団だけではなく、イランや
台湾、香港、中国、ベトナムなど海外の密売組織がかかわっていることなどを知りました。さらにマトリはコントロールドデリバリーと呼ばれているおとり捜査を行っている
こともわかりました。おとり捜査はアメリカだけでなく、本でも現実に行われていることに驚きました。
マトリを読んでの感想やレビュー
映画やドラマで麻薬取締官が活躍するシーンは見ることはありますが、現実の麻薬取締官がどういった仕事をしているのかよく知らなかったので勉強になりました。
普通の生活をしていたら出会うこともないので、実際麻薬取締官マトリが厚生労働省に所属していて、警察官同様に拳銃を携帯していることを知らない方も多いと思います。
それだけこの仕事は危険を伴うだけでなく、薬物や法律の専門知識が必要であり、優秀な人材が多いことや女性の捜査官も多いことを知りました。
マトリがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 社会問題に関心がない方。
- 人の話を聞こうとしない方。
- ファッション感覚の大麻肯定者
- なし
- なし
違法薬物問題は、決して暴力団や裏社会のことだけでなく社会に生きるすべての方に関連するのですが、そんなことは自分に関係ないと思う方も多いと思います。そこで
もし自分や身内が薬物問題の加害者や被害者になったらどうするんだと説明しても、そういった方はまともに取り合おうとはしないので、最後は喧嘩になるのが落ちです。
そのため説明するにしても、さらりと流すような感じで話すぐらいにとどめておき、あまり熱く語るのは避けるべきです。
マトリをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 警察官や警備員などの治安関係者
- 若者のいる家庭
- 普通の若者
- なし
- なし
この本を読むまでは、この平和な日本でこれほどまでに違法薬物が蔓延しているとは知らなかった。時々、芸能人やミュージシャンなどが大麻や覚せい剤の所持や使用などで
逮捕されているが、氷山に一角で実際はもっと多く、しかも違法薬物の常習者や売人は一般人にまでひろがっているのです。しかも大麻や覚醒剤といった明らかな違法薬物だ
けでなく、危険ドラッグのような一見合法的に見える薬物の乱用も増えていて、禁止しても次々に新しいドラッグが出てくる。それらの危険ドラッグは、一般の店舗だったり、ダークウェブなどを経由してインターネットで売買していたりしているので、青少年への注意喚起の意味でも貴重な書籍です。