ご紹介する本
警視庁科学捜査最前線
ジャンル: 社会・政治, 政治
著者: 今井良
出版社: 新潮社
発売日: 2014/6/16
本の長さ: 207ページ
この本から学べるポイント
- 1:防犯カメラが多くの事件解決に貢献していること。
- 2:科学捜査は華やかなものでなく、地味な作業であること。
- 3:ビッグデータ分析が、難事件解決に役立ったこと。
兵庫県にお住いのペンネームよしおさん65歳男性(職業:経営者・個人事業主(自営業))から2021年5月頃に読まれた警視庁科学捜査最前線を読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
警視庁科学捜査最前線の内容
警視庁の犯罪捜査は、従来の聞き込みを主体とした地取り捜査だけでなく、防犯カメラの画像解析やビッグデータを分析する科学捜査を取り入れて成果をあげている。
世の中が複雑化するにつれて犯罪も進化し、アナログ的な手法だけでは事件が解決できなくなっているので、警視庁もそれに合わせて捜査手法を変化させており、分析捜査の
専門部隊SSBC捜査支援分析センターを発足させた。この本では知られざるSSBCの活動やその捜査手法を解説していて興味深いです。
警視庁科学捜査最前線の著者について
著者:今井良974年千葉県生まれ。中央大学文学部卒業後、NHKへ入社しニュース番組制作を行い、のち在京テレビ局に移籍し警視庁記者クラブキャップとなる。現在ノンフィクション作家。
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警視庁科学捜査最前線本の要約
この本から学べるポイント
- 1:防犯カメラが多くの事件解決に貢献していること。
- 2:科学捜査は華やかなものでなく、地味な作業であること。
- 3:ビッグデータ分析が、難事件解決に役立ったこと。
警視庁の進化する科学捜査の実態を克明に描いていて、映画やドラマで取り上げられることが多い警察の科学捜査の現実を知ることができるので、非常に興味深く面白い。
防犯カメラの画像分析においては、駅や街中に設置されているカメラの画像をリレーのように追いかけて分析したり、鑑識の指紋分析は、粉末をつけた刷毛で指紋を浮かび
上がらせて写真撮影し、ゼラチンシートに転写するなど、気の遠くなるような地道な作業を続けることで事件解決につなげていくのです。
防犯カメラが多くの事件解決に貢献していること。
警視庁の機動分析係が、現場で防犯カメラ画像の収集解析を進めるの対し、モバイルチームは警察がストックしている手口や土地鑑などのデータを分析するのがメインの
仕事となっています。殺人や暴力団の抗争や単独捜査の事件などの解決にあたり、実際に事件現場に臨場する。これまで解決した事件には、目黒強盗殺人事件、立川6億円
強奪事件、オウム真理教信者特別手配犯逮捕事件、黒子のバスケ脅迫事件などがあり、捜査員もエンジニア的な技術力をもっています。
科学捜査は華やかなものでなく、地味な作業であること。
警視庁刑事部鑑識課は、事件が発生すると真っ先に現場へ臨場しあらゆる証拠を収集することが求められる。鑑識課は、刑事事件経験者の警視が課長を務めていて、組織も
第一現場鑑識、第二現場鑑識、検視、指紋、写真と別れていてそれぞれのエキスパートが捜査に当たっています。また指紋は、ドアノブや扉やコップうや書類など様々な
ものに付着し、終生不変の性質があり犯罪捜査で最重要証拠とされている。さらに指紋にははっきりわかる顕在指紋と不明瞭な潜在指紋があることなどです。
ビッグデータ分析が、難事件解決に役立ったこと。
2013年に起きたパソコン遠隔操作ウイルス事件では、容疑者は他人のパソコンを遠隔操作して犯行予告を掲示板に大量に書き込んでいた。そのことで事件とは無関係な第三者
が誤認逮捕され、警察は無実の人に謝罪するはめになった。遠隔操作で犯行声明を書き込んだ容疑者は、警察相手にゲームを楽しむような態度であり、警察は民間企業の協力
を得て犯人がバックドア型の遠隔ウイルスを使用したことがわかった。しかし結局証拠がないまま容疑者は釈放された。だが容疑者が報道各社に送り付けた脅迫メールが本人
のものであることがわかり、逮捕されたのです。
警視庁科学捜査最前線を読んでの感想やレビュー
オウム真理教事件や黒子のバスケ事件などの有名な事件が防犯カメラの画像解析で解決されたことや、膨大なIPアドレスのデータを収集して特殊なソフトを使って犯人が
アクセスしていたネットカフェを突き止めるなど、現実の科学捜査は小説やドラマより興味深いことがわかります。また未解決事件の捜査を行う特命捜査対策室、DNA型
情報検索システム、声紋分析や物理学的鑑定や検査を行う物理科など警視庁は様々な専門部署で成り立っているのがわかり参考になりました。
警視庁科学捜査最前線がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 捜査が地道な作業で成り立ってることを否定したい方。
- 捜査の解決にヒーローの登場を期待する方。
- エンターテインメント的な要素を求める方。
- なし
- なし
刑事ドラマなどを見ると、かっこいい刑事がバンバン拳銃を撃って大活躍しますが、現実の捜査には派手なところはなく、世の中の大半の仕事と同じで地味な作業になり立っていて、主にそういった捜査員の日々の地道な捜査について解説されています。そのためこの本で華々しいアクションやエンタメ要素を期待する方は、がっかりすると思うので
あまりおすすめできないです。また一人のヒーローで難事件が解決することはなく、他の仕事同様にチームで解決するのです。
警視庁科学捜査最前線をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 科学捜査に興味がある方。
- 司法警察員や治安関係の仕事をしている方。
- 刑事ドラマやミステリー小説が興味がある方。
- なし
- なし
防犯カメラが証拠となり、犯人が逮捕されたことはよく聞きますが、防犯カメラの画像分析の専門部隊まであることをこの本で知りました。しかし画像分析といっても泥くさい
作業で不明瞭な容疑者の画像を重ねあわせたりして個人を特定する作業は気が遠くなるような作業なのです。また高速道路や幹線道路に設置されているNシステムでナンバープレートを特定したり容疑者の逃走経路を洗いだりしていることを知りました。さらに鑑識は指紋を採取して分析することで犯人を特定しますがそのほかに現場に残された足跡
から犯人特定の手がかりとなることなど、知ることができました。