ご紹介する本
炭酸水と犬
ジャンル: 文学・評論, 文芸作品
著者: 砂村かいり
出版社: KADOKAWA
発売日: 2021/3/18
本の長さ: 400ページ
この本から学べるポイント
- 1:好きという純粋な思いが一番強い
- 2:付き合っている期間が長くても感情は揺れることがある
- 3:純愛の形は何が本当か分からない
北海道にお住いのペンネームひっとさん30歳女性(職業:その他)から2022年3月頃に読まれた炭酸水と犬を読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
炭酸水と犬の内容
同棲し長年付き合っている彼氏から、ある日突然「もうひとり彼女が出来た」と告げられる場面から物語が展開していく。主人公である20代後半の女性はそれをどう受け止めていいか分からないまま時間は経ち、彼氏からもう一人の彼女を紹介される。裏切りや怒り、戸惑いを感じながらも混乱する主人公と、主人公とは別れたくないがもう一人の彼女も受け入れてほしい彼氏、そして一緒にいられればそれで良いというもう一人の彼女の3人を中心に恋愛の形がゆがんでいく。
炭酸水と犬の著者について
著者:砂村かいりカクヨムという小説サイトのコンテストにて特別賞を受賞したことにより、掲載していた小説が書籍化された。
Youtube
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炭酸水と犬本の要約
この本から学べるポイント
- 1:好きという純粋な思いが一番強い
- 2:付き合っている期間が長くても感情は揺れることがある
- 3:純愛の形は何が本当か分からない
付き合っている彼氏、彼女の当たり前のかたちに新たにもう一人の彼女が登場することで、想像できない愛情や怒り、妬み、執着といった様々な感情が表面化されていく。そして主人公を取り巻く家族や職場の仲間なども深く関係していき、物語の最後がハッピーエンドなのかバッドエンドなのか最後まで想像することが出来ない。読んだ後にすっきりする方もいれば、後味が悪く感じる方も中にはいるかもしれない。恋人や結婚、付き合うということ、恋愛などについて色々と考えさせられる一冊。
好きという純粋な思いが一番強い
もう一人の彼女として登場する女性はとてもまっすぐで、行動力もあり、自分の思いを良くも悪くも素直に直接伝えることが出来る。相手に彼女がいることや状況は関係なく、とにかく自分の思いを伝え続けることにより、相手にとって無視できない存在になっていた。そして、もう一人の彼女としてのポジションにつくことが出来た。遠慮を知らず図々しいと思いながらも、非常識にも純粋に思いを伝え続けることが出来る彼女がどこか羨ましいなと感じる自分もいた。
付き合っている期間が長くても感情は揺れることがある
今回の主人公と彼氏は9年間付き合っており、お互いの家族の親や兄弟も知っている仲。同棲もしており、結婚まで間近というところで関係が歪んでいってしまう。一人の女性の登場により簡単に関係は変わっていってしまうんだなという状況を見せつけられた感じがして、少しショッキングだった。関係を修復しようとしても中々元には戻すことが出来ないどころか、周囲をどんどん巻き込んでいくストーリーを読んでいて、長く付き合っていても一生の関係はない。
純愛の形は何が本当か分からない
本命の付き合っている彼女がいながらもう一人の彼女を作った彼氏、彼女がいると知っていながらもう一人の彼女になることを望んだ女性、兄の彼女を好きになってしまう男性など、色々な登場人物が出てくる中で何が本当の純愛なのかが読んでいて段々分からなくなってくる。恋人同士の恋愛が絶対の正義ではなく、読む人の見方によってはこれらが純愛と感じる人もいると思う。いろいろな恋愛の形が見られる部分がとても勉強になったと感じる。
炭酸水と犬を読んでの感想やレビュー
1日であっという間に読んでしまうくらい、するすると物語が展開され、とても読みやすかった。自分も付き合っている人がおり、結婚も考える年齢。恋愛で相手と喧嘩することや不安になることもある。主人公が同じくらいの年齢ということもあり自分と重ねて見ることや、共感できる部分も多かった。付き合っている恋人同士の関係が絶対ではないし、その関係を壊しても好きな人に思いを伝えたいという感情が悪ではないと客観的に学ぶことが出来た。この物語を通して、新しい恋愛模様を見ることが出来た。
炭酸水と犬がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 恋愛小説が得意じゃない方
- どろどろした小説が苦手な方
- ハッピーエンドが好きな方
- なし
- なし
基本的にはすべての人におすすめですが、かなりガッツリの恋愛小説なので、ミステリーやファンタジーなど違った分野が好きな方は予めあらすじを知ったうえで読んだ方が良いと思う。また、読む人によってすっきりする方もいれば、もやもやしたまま読み終わる場合もあると思う。複雑な人間関係や恋愛模様が描かれたストーリーのため、読む人の見方によって感じ方が変わってくる小説。必ずハッピーエンドが好き、落ちがある小説が良いという方にはあまりおススメしない。
炭酸水と犬をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 恋愛している人
- 過去の恋愛で傷ついたことがある人
- 結婚を考えている人
- なし
- なし
本を通して人間関係が複雑になっていくことで、色々な恋愛のかたちを見ることが出来る。今の恋愛に満足している人から、今までの恋愛を振り返る人、そして今付き合っている人との結婚を考えている人など、どんな人にも読んでいてきっと共感できる部分があると思う。恋愛は誰しもやはり悩んだり不安になることがあると思う。これからのことでも、過去のことに関しても、いろんな小説に出てくる登場人物の感情や人間関係を客観的に見ることで、自分も新たに感じることや、学べるところ、励ましや勇気になるような部分がきっとあるのではないかと思う。