人文・思想

【本要約】20歳の自分に受けさせたい文章講義(著者: 古賀史健)の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

20歳の自分に受けさせたい文章講義

ジャンル: 人文・思想

著者: 古賀史健

出版社: 星海社

発売日: 2012/1/26

本の長さ: 280ページ

10

総合

10

読みやすさ

10

学び

10

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:言葉にできない考えを伝わる言葉に翻訳すること
  • 2:美文より正文を目指すこと
  • 3:もったいないのサンクコストに気をつけること

富山県にお住いのペンネームzukaさん33歳男性(職業:経営者・個人事業主(自営業))から2021年12月頃に読まれた20歳の自分に受けさせたい文章講義を読まれたレビューになります。

20歳の自分に受けさせたい文章講義の内容

"この本が目標とすることは「話せるのに書けない」を解消することであり、
話し言葉と書き言葉の違いを知り、その距離を縮めることである。
ライターである著者がインタビューした内容を、日常会話で表情や声に乗せていた感情をどうやって文章に落とし込むか。
15年という長いライターとしての経験から蓄積してきた「話し言葉から書き言葉」へのノウハウを出し惜しみなく伝えてくれる。
本書は文章の書き方、組み立て方を体系的に教えてくれる。"

20歳の自分に受けさせたい文章講義の著者について

著者:古賀史健
"社会人1年目は小さい出版社に就職し、その翌年にはフリーライターとして独立。
これといったコネもない人間にまともな仕事なんてあるわけがない。
最初に請けた仕事は旅行会社のチラシに掲載される日帰りバスツアーの案内文だった。
その後、少しづつ一般紙やビジネス誌での仕事が入るようになり、この10年ほどは毎年平均10冊以上、合計で80冊以上の書籍づくりにライターとして携わった。"

20歳の自分に受けさせたい文章講義本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:言葉にできない考えを伝わる言葉に翻訳すること
  • 2:美文より正文を目指すこと
  • 3:もったいないのサンクコストに気をつけること

どうすれば自分の気持ちや考えを文章だけで伝えることができるか。そういった悩みを抱えている人に向けた本です。
僕たちは話せるのに書けない。人に口で伝えることはできてもそれを頭のなかで文章に変換しようとするととたんに固まってしまう。
つまり、話すことと書くことはまったく別の行為だと言える。
本書では文章を書くリズム、構成、読む側の目線、推敲の計4講で教えてくれる。
この本の最終目標は、書く技術を身に着けることを通し、考える技術を身に着けることである。

言葉にできない考えを伝わる言葉に翻訳すること

頭のなかにあるぐるぐるとしたはっきりしないものを伝わる言葉に翻訳したものが文章である。
文章を書こうとすると、固まってしまって自分の書きたいことや気持ちがうまく文章にすることができない人は、頭の中の何かわからないがゆらゆら漂っているものを整理できていないか、誤訳してしまっている状態いだ。
われわれは、自分という人間の翻訳者となってこそ、そして言葉の翻訳者になってこそ、ようやく万人に伝わる文章を書くことができる。

美文より正文を目指すこと

美しい文章なんて目指すべきではない。
美しさよりも正しさがくるべきだから。なぜなら文章の本来の目的は伝えること。
情報を伝えるために必要なことは美しさではなく正しさである。
もう一つ、美というがお念はどこまでも主観的であること。
そのため、美しさを意識しすぎると、主観に溺れた独りよがりな文章になりやすく、論理性を著しく欠いた支離滅裂な内容になってしまう。
われわれにとって伝えるべきことは第一に自分の意見。そして大切なことは自分の意見が完全な主観であり、感情であるということだ。
われわれは感情を伝えたいからこそ倫理を使う。主観を語るからこそ客観を保つのだ。

もったいないのサンクコストに気をつけること

文章を一旦書き終えてからの編集作業。いわゆる推敲について。
推敲とは「過去の自分との対話」読みかえしや書き直しではなく1時間前の自分と膝を交えて語り合うような行為だと考えればイメージしやすい。
この時に一番注意すべきポイントが「もったいない」と思うこと。
せっかく何日もかけて調べたから、あれほど盛り上がったからこの文章は入れたい。
しかし、それは読者にとって何の関係もない。読者はあなたのがんばりや悩んだ量を評価するのではない。あくまで文章の面白さ、読みやすさ、そして書かれた内容について評価を下すのである。

20歳の自分に受けさせたい文章講義を読んでの感想やレビュー

私自身、文章がうまく書けないことにコンプレックスがあります。
本書で私的されていますが、学校教育では技術的、体系的な文章の学習や指導はなく、いかに先生の気に入る文章を書けるかが大事になっています。
この本は文章作成の具体的な技術について筆者の経験を交え、わかりやすく解説されています。
また、あくまで実践して身に着ける技術であり、実際に文章を書かないことには始まりません。
手始めに日記を書き、少しづつですが文章を書くことに対るハードルが下がっているように感じます。
きっかけはこの本であり、同じ悩みを持つ人にぜひ読んでもらいたいです。

20歳の自分に受けさせたい文章講義がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • 文章を書くことが得意な人
  • 文章を書くことに興味がない人
  • 実際に書いてみない人
  • なし
  • なし

基本的にすべての人におすすめですが、文章を書くことが得意な人はすでに本書の内容が感覚、もしくは論理的にわかっている人だと思います。

文章を書くことに興味が無い人にとっても本書の内容は身につかないと思うのでおすすめしません。

技術書や指南書を読んだ時にもあることですが、本の内容を実践しない人についても読むのはおすすめしません。
本書に書いてある内容は、いくら勉強しても実践しないことには身につかないことだからです。

20歳の自分に受けさせたい文章講義をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 自分の気持ちをうまく文章にできない人
  • ライター
  • 文才がないと思っている人
  • なし
  • なし

自分の気持ちをうまく文章にできない人は頭のなかのぐるぐるを誤訳している。
そういう人には具体的な翻訳の技術が必要だろう。
われわれは自分という人間の翻訳者になってこそ、そして言いたいことの翻訳者になってこそようやく万人に伝わる文章を書くことができる。

本書はライターの仕事を始めて15年の著者が仕事を通じて蓄積してきた話し言葉から書き言葉への変換ノウハウを余すところなく伝えてくれる。
文章の書き方、組み立て方を体系的に教わることができる。

文才、あるいは才能について、これは文章に限った話ではない。自分に才能があるのか自問している人に読んでもらいたい。
自らの才能を問う人は諦めの材料を探しているだけ、なぜなら本当の天才は自分に才能があるかなど1ミリも考えない。
ひたすら前に進んでいるはずだ。
だが、いい文章を書くために文才など必要ない。
文章の書き方を本書が教えてくれる。







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