文学・評論

【本要約】お探し物は図書室まで(著者: 青山美智子)の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

お探し物は図書室まで

ジャンル: 文学・評論

著者: 青山美智子

出版社: ポプラ社

発売日: 2020/11/11

本の長さ: 300ページ

7.6

総合

7

読みやすさ

8

学び

7

実用性

この本から学べるポイント

  • 1:少しでも行動してみること
  • 2:物事のポジティブな面を見ること
  • 3:思い込みを捨てるのが大切だということ

神奈川県にお住いのペンネームまるさん22歳女性(職業:学生?)から2021年6月頃に読まれたお探し物は図書室までを読まれたレビューになります。

お探し物は図書室までの内容

町のコミュニティハウスにある図書室にいる小町さんという司書さんとそれぞれの目的で本を探しにきた人々との交流の物語です。本を探しに来る人々はそれぞれ仕事や育児や生き方の事で悩みを抱えていて司書のカンファレンスを利用するのですが、小町さんが薦めてくる本の中には一見探していた本とは関係のなさそうなものが混じっています。さらに、おまけに羊毛フェルトのマスコットをくれるのですが、これもモチーフが一風変わっています。しかし、日常に戻って薦められた本を読んでみると思わぬ気づきがあり、マスコットも気づきのきっかけになります。その気づきをもとに悩みから一歩踏み出す人々を描いた小説です。

お探し物は図書室までの著者について

著者:青山美智子
シドニーでの新聞記者の経験、上京してからの雑誌編集者の経験を経て執筆活動を開始しました。本作で本屋大賞第2位にノミネートされました。

お探し物は図書室まで本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:少しでも行動してみること
  • 2:物事のポジティブな面を見ること
  • 3:思い込みを捨てるのが大切だということ

この小説の各章の物語には、それぞれみんな色々な悩みを抱えていて、周りからは順調に見えているような人だとしても何かに悩んでいるということが前提にあります。そして、悩みがどんなところから軽くなるかも分からないし、もしかしたら自分の中で考えが凝り固まっているだけかもしれない、そして小さな気づきがあるだけで一歩前に踏み出すことができると教えてくれます。司書の小町さんがとてもいいキャラクターで静かに大切なことを言うので読者も小町さんから教わることは多いです。

少しでも行動してみること

何か悩みにぶつかったとき、つい立ち止まって考え込んでしまって動けなくなってしまうことがあるけれど、何か行動してみることで道が開けたり考え方が変わることも多いので考え込みすぎずに行動してみることも大切なのだと読んでいて感じた。物語の中で、ずっと働くことになじめず立ち止まっていた青年がコミュニティハウスで少しずつ手伝いなどをしているうちに自分にもできることはある、と感じていく話を読んでいて深くそう感じた。

物事のポジティブな面を見ること

物事や自分の置かれている状況でやりにくいことや苦しいことなどのネガティブな面は意識しなくても見えてしまうけれど、その裏にある実はその状況は武器にもなったりするというポジティブな面は意識しなければなかなか気づきにくいと思ったので、物事のポジティブな部分を意識して見ていこうと思いました。子育てと仕事の両立に悩む女性の物語の中で子どもがいるということが仕事の上でプラスになることもあるんだと気づいていく過程を読んでいてそう感じました。

思い込みを捨てるのが大切だということ

悩んでいるときというのは視界が狭くなっていて、自分はダメだとか自分よりもあの人のほうが楽しそう、愛されているなどという思い込みが強くなっていることが多いので、一度思い込みを捨ててみると状況は変わらなくても捉え方が変わることがあるのだと思いました。自分の仕事に不満を持っていた女性が自分の仕事なんて大したものじゃないという思い込みを捨てたら仕事に対する取り組み方が変わって同僚への印象も変わったという物語を読んでそう思いました。

お探し物は図書室までを読んでの感想やレビュー

本当に心が温まるいい本でした。小町さんのキャラクターがよく、出てくる人の悩みも共感できるものが多いので読みやすく、どんどん読み進められます。でも終わってしまうのも残念に感じるような終わってしまうのが悲しくなるくらい好きな本でした。また悩みにとらわれそうになったら何度でも読み返してパワーをもらおうと思いました。羊毛フェルトもやりたくなったし、司書という仕事にも興味がわいて、私の視野を広げてくれた本です。

お探し物は図書室までがおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • 刺激を求めている人
  • どんでん返しがある小説を読みたい人
  • ドロドロした物語が好きな人
  • 長編小説が読みたい人
  • アッと驚く展開を求めている人

基本的に淡々とした物語で、大どんでん返しがあったりハラハラドキドキしたりといった展開ではないので、そういった小説を求めている人や刺激が欲しいという人には向かないと思老います。また、基本的には優しい展開で悩みを解決できる構成なので人間の深い心理を掘ったドロドロした展開の物語が読みたいというひとにもおすすめはできません。またいくつかに話が章で区切られているので、がっつり長編小説を読みたい人にも向かないと思います。

お探し物は図書室までをおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • ほっこりしたい人
  • 何かに悩んでいる人
  • 図書館や本が好きな人
  • 手芸が好きな人
  • 優しい物語を読みたい人

全体的にとてもやさしい人が多く、疲れた時やほっこりしたいという時にはとてもいい本だと思います。また、学んだことの部分にも書きましたがいろいろな悩みを持った人々にスポットを当てていて、一歩踏み出す勇気をくれるので今悩みがあるという人にもおすすめです。また、タイトルに図書室と入っているくらいなので図書室が出てくるので図書館が好きな人にはいいと思います、羊毛フェルトをやってみたくなるので手芸が好きなひとにもおすすめです。







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