ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:人それぞれにさまざまな人生があるということを感じられた。
- 2:自分自身が「死」と向かいあった時のことを想像できた。
- 3:生きていられることの素晴らしさを実感できた。
香川県にお住いのペンネームひまわりさん55歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2021年12月頃に読まれたライオンのおやつを読まれたレビューになります。
ライオンのおやつの内容
海野雫は若くして余命宣告を受け、人生の最後を瀬戸内海の小島にあるホスピスで過ごすことにした。このホスピスでは、毎週日曜日に入居者たちが食べたいと思うおやつをリクエストできるシステムがある。穏やかな気候と美しい自然に恵まれたホスピスで、雫はリクエストするおやつを何にしようと悩みつつ、ホスピスでの新しい出会いを楽しみながら、これまでの自分の人生に思いをはせていく。死と向き合う女性の心情と周りの人々との交流をつづった心温まる物語。
ライオンのおやつの著者について
著者:小川糸
日本の小説家であり、作詞家、翻訳家でもある。「食堂かたつむり」「つるかめ助産院」「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」などが有名。発表作の多くがドラマ化されており、本作「ライオンのおやつ」は本屋大賞2位を受賞した。
ライオンのおやつのYoutube
「ライオンのおやつ」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「文学YouTuberベル」チャンネルで紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。
ライオンのおやつ本の要約
この本から学べるポイント
- 1:人それぞれにさまざまな人生があるということを感じられた。
- 2:自分自身が「死」と向かいあった時のことを想像できた。
- 3:生きていられることの素晴らしさを実感できた。
余命宣告を受け、残りの人生を瀬戸内海の美しい小島にあるホスピスで過ごすことを決意した若い女性、海野雫。ホスピスには常に温かい空気が流れ、同じように余命宣告を受けた人々が、自由気ままに暮らしている。ある日、雫は、このホスピスに入居者たちがリクエストした「おやつ」を再現し、提供してくれるシステムがあることを知る。入居者たちが最後に食べたいと願う「おやつ」にはそれぞれの人生の物語がこめられているのだ。そのことをきっかけに雫は自分の食べたい「おやつ」とこれまでの人生について考え始める。
人それぞれにさまざまな人生があるということを感じられた。
この物語には、余命宣告を受けたさまざまな人々が登場する。主人公の雫の人生が多く語られるが、それ以外にも、真面目過ぎる人生を送ってきたことを後悔し、死ぬ間際までふざけて過ごしたいと思っている人など、それぞれの事情を抱えた人物たちの物語が描かれている。ホスピスの職員たちは、その各々の思いに応えようと全力を尽くす。「おやつ」のサービスもその一つだ。人それぞれの人生があり、どれ一つ同じではないということを改めて感じさせられた。
自分自身が「死」と向かいあった時のことを想像できた。
私自身、余命宣告を受けたわけではないし、この本を読んで死について理解できたなどという、おこがましいことは思わないが、自分が「死」に直面したら、どう感じるのか、少しだけ想像はできた。自分だったら、どんな風に過ごしたいか、どんな「おやつ」が食べたいか、誰と会いたいか、最後はどうしたいかなど、雫と共に一緒に考えることができた。同時に、こんな素敵なホスピスで、満ち足りた最期を迎えられたらいいなとも感じた。
生きていられることの素晴らしさを実感できた。
自分自身が「死」に直面した際の事を想像したと同時に、今、生きていられる幸せ、健康でいられる幸せを改めて感じさせられた。雫がこれまでの人生に思いをはせ、さまざまな感情を巡らせていく過程で、改めて自分自身の人生を大切に生きていかねばならないとも思った。この本は「死」について語る物語でありながら、「生」について深く考えさせる、そんな作品でもあるのではないだろうか。自分自身が、余命を宣告されたと仮定して現状をみなおしてみることができる、そんな作品だと思う。
ライオンのおやつを読んでの感想やレビュー
物語の最初のシーンから、瀬戸内海の穏やかで美しい海が、ぱあっと目の前に広がって、その時感じた満ち足りた幸せな気分が、穏やかにラストまで続いていくような、そんな作品である。小川糸さんはファンタジー的な要素を主としながら、時々、ちょっとした下ネタ的な要素も盛り込む、不思議な作風の方で、そんなシーンが登場した際の、心がぐらぐらするような、この作者特有の違和感みたいなものも楽しんで欲しい。とにかく本当にいい作品、私は、あまりにも感動して5回ほど読み直した。ぜひ、おすすめしたい。
今日の花🌸 と
読了『ライオンのおやつ』
小川糸(ポプラ社)徐々に春を迎える今、この作品を読んでよかった。
僕が在職していた会社は、瀬戸内の島々に美術館等も展開しているが、それらの島の一つがモデルだろう。
素敵だとしか言えない作品だった。#今日の花 #読了 #小川糸 #ポプラ社 pic.twitter.com/FgLCVvAoXR
— なおき (@NAOKIFUKUDA0308) February 28, 2023
ライオンのおやつ/小川糸
泣いちゃうかな⋯と思ったけど、やっぱり最後にはうるっとしちゃいました。たくさん悩んで足掻いて泣いて怒って、その先にこんな穏やかさがあればいい。思い出のおやつを誰かに共有できたり、いなくなったあとも誰かにそっと想われたり。それはきっと悲しみを少し含んだ幸せ。 pic.twitter.com/vnVuFnJcKz— あんこ(あんぴぃ)@読書垢 (@annko_book) February 22, 2023
ライオンのおやつがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 余命を宣告された人
- 死に対する恐怖感が強い人
- 病気療養中の人
- なし
- なし
基本的にはどんな方にもおすすめしたい作品なのだが、例えば「余命を宣告された人」や「死に対する恐怖感の強い人」「病気療養中の人」などにとっては、リアルで悲しい場面もあるしれない。とくに雫や他の患者たちが、徐々に弱っていく状況などは、読んでいて辛くなることがあるかもしれないとも思う。ただし、総合的には前向きな内容であり、読む終わった後には、温かくて満ち足りた気持ちになれる。無理にとは言わないが、多くの人に、ぜひ手に取ってみて欲しい作品だ。
ライオンのおやつをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 現状に不満を抱えている人
- 楽しいことがないと嘆いている人
- 身近な人が亡くなったことで落ち込んでいる人
- なし
- なし
現状に不満を抱えている人や、楽しいことがないと嘆いている人、これは本作を読む前の私自身の事でもあるのだが、そう感じている人たちの心に一石を投じるような作品であることは間違いないと思う。自分自身がいかに恵まれているのか、生きていられるということは、ものすごい奇跡であり、ものすごい幸せなのだということを改めて教えてくれる、そんな一冊だと思う。また身近な人や、ペットなどが亡くなって立ち直れないほど落ち込んでいる人にも読んで欲しい。雫やホスピスの職員、その他大勢の人々の行動や言葉の中に救われるきっかけになるものが、いくつもあると思う。