ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:人の心
- 2:素直なことの重要さ
- 3:友情の質について
神奈川県にお住いのペンネーム西野 生紗さん22歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2021年11月頃に読まれた夢を与えるを読まれたレビューになります。
夢を与えるの内容
"とても可愛らしくまっすぐな女の子が半永久的な契約でアイドルになります。テレビコマーシャルに小さな頃から参加して全国でとっても有名になるゆーちゃん。
ゆーちゃんはどんどん成長し、女の子が女性へと変化します。
タバコやお酒、夜遊び。世の中の色々な部分を知ってゆきます。
お仕事も一層頑張るゆーちゃんの多忙な日々。
私たちは人気アイドルや有名人を応援する中で、時に無神経さをあらわにしてしまっているのかもしれない。そう反省するきっかけとなりました。"
夢を与えるの著者について
著者:綿矢りさ
"日本の純文学作家。2022年現在史上最年少で芥川賞を受賞した作家さんです。
幅広い筆で様々な物語を読者へ届けてくれます。"
夢を与えるのYoutube
「夢を与える」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「CREATIVE TRAIN【公式】」チャンネルでご本人様のインタビュー動画が紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。
夢を与える本の要約
この本から学べるポイント
- 1:人の心
- 2:素直なことの重要さ
- 3:友情の質について
"この小説の重要な点は、ゆーちゃんの中とゆーちゃんの外とでまるっきり違うことが起きているようなところでしょうか。
一見擦れてしまった少女が一度失敗をして芸能活動を休止せざるを得なくなる話です。ですが私にはゆーちゃんが悪い道へ進んでしまったようにはどうしても思えませんでした。ゆーちゃんは初めから何も変わっていないと思います。とてもいい子で素直な子だと思います。
そこを世間の視線が歪めている。
あの子は変わっちゃったよね。
あの子はもう終わりだね。
それをいう側の方が「終わり」ではないでしょうか。"
人の心
"様々な立場の人がゆーちゃんの見方を語ります。
親、マネージャー、事務所の社長、ゆーちゃんのファン。
これらの人たちはゆーちゃんを応援している人たちです。
そのほかに、ゆーちゃんの悪いところや良くないところを必死に見つけて騒ごうとする人たちもいます。
どちらの立場の目線も、客観的なゆーちゃんを捉えていますが、客観的が絶対的とは限らないのだと思います。人の心は思っているよりもずっと、卑怯な働きをするのかもしれないなと思いました。"
素直なことの重要さ
"とにかくゆーちゃんは素直な女の子です。
私には初めから終わりまで、ゆーちゃんはずっと素直な子に見えました。それはとても素晴らしいことだと思います。同時に実は難しいことだと思います。
私自身、素直さや誠実さはとても大切にしたいと思っています。それは結果として人からの親切や信頼を集めてくれると思います。
ですがどうしても人より自分のことを考えてしまいがちで、素直な人とはなかなかいないものです。芸能界で世間の目に晒されつつも素直を貫くのはゆーちゃんの強さあってのことだと思います。"
友情の質について
"お友達はいないよりいた方がいいに決まっています。
ですがこんなことを言うのは非常に残念ながら、よくない友情というものはあると思います。
悪い方へ引っ張られてしまう仲はとても難しいなと思いました。お友達をやめたり縁を切るのが最善とは思えませんし、でも自分や周りの人を傷つけてしまうのはよくないことです。
人間の一生の課題のような気がしました。
物語の終盤で、この人間関係の難しさを大いに経験したゆーちゃんです。"
夢を与えるを読んでの感想やレビュー
"私の心は作中のゆーちゃんとピタリと重なって剥がせなくなってしまうようでした。自分だったらと何度も考えてしまうような作品です。
そして読後も数日間、なかなかゆーちゃんが頭から離れませんでした。
私はたまたまゆーちゃんと年頃近かったためではありますが、それより若い読者なら自分の将来を想像しってドギマギしながら、それより年長の読者なら過去を振り返って色々な思いに浸りながら読むことができると思います。
そして大物有名人であってもひとりの人間であることは私たちの世界となんら変わりないと思いました。"
#読了 「夢を与える」 #綿矢りさ
魔物のようなパワーが溢れている作品だった。夢を見させてくれる人の、見えている部分は一部分。それでも私たちは勝手に夢を見てしまう。何も知らない人間が、騒ぎ立てるのは簡単だ。どうか愛する人たちが幸せでいてほしい。苦しかった。#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/DhHCXzA3Tc— ふーちゃん (@fuuuuwriter) January 23, 2023
綿矢りささんの「夢を与える」読了。芸能界で生きていく、って、きついな〜って不自由だな〜って思いました。普通の女の子だったはずの主人公が、少しずつ破滅していくのを、ハラハラしながら読みました。#読了 #読書 #読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/CaoqI6GLzX
— めぐみ読書垢 (@PfZd4o8yhZXmCN8) December 20, 2022
夢を与えるがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 小説を斜に構えて読む人
- 女の子の一生よりも他のものが読みたい人
- アイドルや有名人批判を念頭に置いている人
- なし
- なし
"基本的には多くの読者さんにオススメしたいとても面白い小説です。
ただ、この物語の主人公「ゆーちゃん」を大切にしたい思いがあるので、ゆーちゃんを攻撃的な目線で読もうと意気込んでいる人にはオススメできません。
普段からアイドルや有名人を批判しながら生活している人や、酷評目的の人、
あとは物語の性質としてとってもゆーちゃんに着目しているある種の大河小説ですので、そうではなくもっと視点に富んだバラエティ的小説を求めている時には避けた方が良いかもしれません。"
夢を与えるをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- エンタメ小説が好きな人
- 綿矢りささんの筆の広さを知っている人
- ひとりの女の子の物語が読みたい人
- 小説を通して世界を見るのが好きな人
- なし
"芥川賞作家として知られる綿矢りささんですが、この『夢を与える』はどちらかと言うとエンターテイメント小説寄りかと思いました。なので、綿矢りささんを初めて読んでみたい人、芥川賞系の純文学は苦手だけれど入り口として検討したい人には是非おすすめです。
読んでみてほしいと思います。
またこの小説は、ある意味大河小説的でもあります。ゆーちゃんのことを1冊かけてじっくり見つめることができます。成長とともに彼女の変化したところ、変わらないままでいるところを読者なりに読み解くのはとても面白いでしょう。ゆーちゃんの今後をきっと応援したくなります。"