ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:ささやかな日常にこそ、たくさんの幸福がちりばめられている
- 2:自分自身がこうだと思い込んでいることは実はそうではないかもしれない
- 3:1日1日を丁寧に大切に生きていこう
香川県にお住いのペンネームひまわりさん56歳女性(職業:その他)から2022年11月頃に読まれた夏の体温を読まれたレビューになります。
夏の体温の内容
3編の小説で構成されており、1作目は「夏の体温」。病気で入院している少年と、低身長の検査入院で病院にやってきた明るくて前向きな少年とのひと夏のやりとりを描いた作品です。2作目は「魅惑の極悪人ファイル」で、小説家として活動する女子大学生が、自身の描く小説の題材を取材するため、まわりから「腹黒い」といわれている男子大学生を取材するというお話です。そして、最後の作品は「花曇りの向こう」。転校先の中学校生活で、まだ環境になじめない男子中学生の日常を描いた作品です。
夏の体温の著者について
著者:瀬尾まいこ
1974年生まれの小説家で、明るく健康的な作品が好評を博している作家さんです。2018年に発表された「そして、バトンは渡された」は本屋大賞を受賞し、映画化もされました。
夏の体温本の要約
この本から学べるポイント
- 1:ささやかな日常にこそ、たくさんの幸福がちりばめられている
- 2:自分自身がこうだと思い込んでいることは実はそうではないかもしれない
- 3:1日1日を丁寧に大切に生きていこう
3編の小説で構成されており、どの作品も、特別な出来事や大きな事件が起こるわけではないのですが、日常のほんのちょっとした幸福感をきりとった、心温まる作品集となっています。それぞれの主人公たちが、病気や自身の容姿に対するコンプレックスや、慣れない環境などの悩みを抱えながら、ちょっとずつ前向きに歩いていこうと、最初の一歩を踏み出すような内容となっており、読むことで「自分も明日から頑張ってみよう」と思える素敵な作品となっています。
ささやかな日常にこそ、たくさんの幸福がちりばめられている
物語ではごくありふれた日常が描かれていることが多く、そのなかに瀬尾まいこさん特有のユーモアがちりばめられ、日常生活はこんなにもキラキラして楽しいものだったのかと改めて感じさせられる内容が多くなっています。本を読み終わった後、自分自身の日常の中にも楽しいことがあるはずだと思わせてくれたり、明日からもう少しだけ頑張ってみようと思わせてくれたりして、不思議なパワーを与えてくれる、心のビタミン剤のような一冊だと思います。
自分自身がこうだと思い込んでいることは実はそうではないかもしれない
2話の「魅惑の極悪人ファイル」では、主人公が取材する人物が実はまわりが指摘するような人物とはまったく違っていたり、彼が「後輩がきっと自分を恨んでいる」と思い続けていたことがまったくの的外れだということが判明したりします。自分自身がこうだと思い込んでいることを今一度、本当にそうなのかと疑ってみることが、日常生活では案外大事なのかもしれないと思わせてくれた作品でした。私自身もそんな目でもう一度、自分のまわりを見渡して観たいと感じました。
1日1日を丁寧に大切に生きていこう
この作品に出演する人物は、ときおりネガティブな考えを持つこともありますが、基本的にみんな前向きで、悪いことがおこってもそれをまわりのせいだと決めつけずに自分がこうだったからだと、冷静に分析できる、素晴らしい感性の持ち主ばかりです。この本を読んでいると、彼らを見習って、謙虚で前向きな気持ちで、一日一日を大切に過ごしていかなければならないなあと感じさせられます。読後感のとてもよい、読むと心があらわれて元気になれる作品です。
夏の体温を読んでの感想やレビュー
読み終わった後、ほんわかと胸の中にあたたかいものがひろがっていくような作品です。自分自身の毎日を大切にしたい、そして自分自身のことをもっと大事にしたい、そんな風に思わせてくれる内容と、やわらかでユーモアに満ちた文章に心が救われる気がします。主人公をはじめ、人々の心の変化やその過程を実に丁寧に細かく描写しているので、まるでその物語の登場人物になったような気分を味わえるからだと思います。瀬尾まいこさんらしい、本当に優しくて温かい作品となっています。
夏の体温 瀬尾まいこ #読了
3つの短編。
外に出ることのできない病気の小学生たちの、ほんの僅かな交流。その中に溢れる確かな体温。あたたかい話。他の短編も含めて、優しい物語たち。瀬尾まいこさんの物語の雰囲気は、背中をぐっと押してくれるんだよなー。好きです。#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/3OzNWJvT7b— 青虫 / 読書垢📖 (@dokusyosensei) September 5, 2022
『夏の体温 | 瀬尾まいこ』
どこか足りない2人が、
足りない部分を埋めるんじゃなくて、
足りないままで、お互いを肯定し合って素敵な関係を築いてく作品集。表題作『夏の体温』では、
小さな男の子たちの”大きな”友情に、
やわらかな感動をもらいました👬#読書好きな人と繋がりたい #読了 pic.twitter.com/C62pz6kiwA— ゆずはむ (@yuzuhamu02) July 22, 2022
夏の体温がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 「いい人ばかり出てくる小説」はつまらないと思っている人
- 「大きな出来事や事件が起こらない小説」は退屈だと感じる人
- 読書に強い刺激を求めている人
- なし
- なし
基本的にはすべての方におすすめの本なのですが、登場するのは基本的に「いい人」ばかりですし、大きな出来事や事件もまったく起こらないため、それを「つまらない」「退屈だ」と思う方には向いていないかもしれません。また読書に強い刺激を求める方にとっても、そのような刺激を得られ可能性が高いので、物足りないと感じるケースもあるでしょう。しかし、これまで読んでいた作品と違う作品を手に取ることで得られる「刺激」もあると思いますので、必ずしもだめというわけではありません。
夏の体温をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- ちょっと元気がない人
- 毎日つまらないと不満を抱えている人
- 読後感のよい、明るい元気になれる本が読みたい人
- なし
- なし
ちょっと元気がない人や、毎日つまらないと不満を抱えている人にとって「ささやかな日常こそが最高の幸せ」だと教えてくれる、元気とパワーを与えてくれる一冊だと思います。また本が読みたいけど、読み終わった後、気持ちが落ち込むような作品は読みたくないなあと思っている人にもおすすめの一冊です。とくに第一話の「夏の体温」などは、入院中で元気をなくしている人などにもおすすめだと思います。普段の生活で、みんないろんな悩みを抱えているけれども、考え方や行動1つで、その悩みをいい方向に変えることができる、そんな風に思わせてくれる一冊です。