文学・評論

【本要約】遠い指先が触れて(講談社)の書評とポイント解説を総まとめ!

    ご紹介する本

    遠い指先が触れて

    ジャンル: 文学・評論

    著者: 島口大樹

    出版社: 講談社

    発売日: 2022/8/12

    本の長さ: 144ページ

    9.

    総合

    7

    読みやすさ

    10

    学び

    10

    面白さ

    この本から学べるポイント

    • 1:境界線
    • 2:日本語の可能性
    • 3:小説に見る時代性

    神奈川県にお住いのペンネーム西野 生紗さん22歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2022年5月頃に読まれた遠い指先が触れてを読まれたレビューになります。

    遠い指先が触れての内容

    "遠い指先とは色々な含みがあるとは思いませんか。

    この作品中でも実に様々な使われ方をして登場します。
    『遠い指先が触れて』は文芸誌『群像』に掲載された純文学小説です。
    主人公は人と自分との境界線がどんどん曖昧になっていって不思議な思いをたくさんします。確かにそういったことは現実にあるなと言うエピソードがたくさん登場する中で、本を触れている私たちの手を伝ってぞわぞわと何かが流れ込んでくる。その不思議さを読者へ届けてくれる小説です。"

    遠い指先が触れての著者について

    著者:島口大樹
    "日本の若手純文学作家。『群像』『文學界』に創作小説を掲載する。本作は著作3作目。
    著者は芥川賞候補入りを果たしたこともあり注目されている。"

    遠い指先が触れてのYoutube


    「遠い指先が触れて」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
    「梨ちゃんねる 文学系YouTuber」チャンネルで紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。

    遠い指先が触れて本の要約

    この本から学べるポイント

    • 1:境界線
    • 2:日本語の可能性
    • 3:小説に見る時代性

    "記憶を探る旅にでる。主人公らはその時に、本当に心から思い出したい気持ちと、それを知ってしまう恐怖の気持ちを持ち合わせています。

    そういった人間の一色ではない感情は決して珍しいものではありません。とても人間らしいと言えると思います。

    自分が誰かの手に触れている時には、同時に誰かに触られている。
    相手が自分を見つめるその時、その瞳に映る自分をまた見つめている。

    それはきっと全てが1つになるようでいて、またバラバラになっていくような不思議な感覚です。"

    境界線

    "自分が誰かの手に触れている時には、同時に誰かに触られている。
    相手が自分を見つめるその時、その瞳に映る自分をまた見つめている。
    この場面は実際に作品中に登場します。その時の自分と他者との界はとても曖昧なものだと思います。同時に目線も。

    客観的な意見だと自信を持って冷静になっているつもりでも、そこには必ずその人の意思が反映されています。反感や共感がフラットな客観的意見は、実はなかなかないのかもしれません。"

    日本語の可能性

    "島口大樹さんの文章はとても美しいと思います。
    そして所々で細かく文章を重ねる美しさを発揮しています。そうして細かな描写をニュアンス的に重ねることで、この小説の最大の美点である曖昧な感覚を最大限に引き出しているように思いました。

    そこに浸るように読んでいくと、自分には真似できないような日本語の美しさに気がつかされる瞬間が度々ありました。改めて日本語の深さに気が付いて、日本語を使いこなすことの難しさに気がつきました。"

    小説に見る時代性

    "小説にはある程度、それが書かれた時代性が反映されると思います。中には優秀な筆者が想像力を働かせて書いた小説が近未来として実現する例もあります。

    島口大樹さんの小説の中から、今の時代では実際にどんなことが危険になりうるのか。
    近い将来にはどんなの子が起こる可能性があるのか。

    そんなことを少し触れた上で、なお現在に愛される小説や称される小説とはどんな作りでどんな言葉から成るのかに少し、気がつけたような気がしました。"

    遠い指先が触れてを読んでの感想やレビュー

    この小説はとても不思議な世界観へ私たちを連れて行ってくれます。
    小説ならではの楽しみ方として、ことばの力を借りて想像力の力を使って遠くまで行くことができます。この小説では特別その面が綺麗に活きていると思います。

    自分と他者との境目がぼやけてきたときに、信じるものが何か1つあることは途轍もない強みになると思います。
    そして自分と他者との境目が実はとても曖昧であると気がつくと、もしかしたら世の中の見え方が大きく変化するかもしれません。

    遠い指先が触れてがおすすめでない人

    こんな人はおすすめしない

    • くどい表現が苦手な人
    • 言葉の美しさをあまり実感していない人
    • 活字が苦手な人
    • 芥川賞系文学、純文学に不慣れな人
    • なし

    "基本的には全ての人にオススメしたい小説です。ぜひ多くの人に作家・島口大樹さんの素晴らしさを堪能してほしいと思います。

    ただし、かなり特殊なジャンルになると思います。
    そのため、芥川賞系文学、純文学に不慣れな人はまず段階を踏む必要があるかもしれません。

    またこの作品の特性としてかなりの想像力が必要かもしれません。
    その辺りは前もって知っておく方が良いかもしれません。

    ですがどの場合も全く楽しめないということはないと思いますので、ぜひ少しでも興味を持っていただけたら読んでみていただきたいです。"

    遠い指先が触れてをおすすめしたい人

    こんな人におすすめ

    • 芥川賞に興味がある人
    • 純文学が好きな人
    • 幻想的、不思議な作品が好きな人
    • 言葉の美しさを信じている人
    • なし

    "わたしは作家・島口大樹さんの素敵さと素晴らしさをぜひたくさんの人に読んでもらいたいと思います。
    特にオススメしたいのは、芥川賞系文学、純文学が好きな人です。新しい作家さんをぜひチェックしてほしいと思います。そしてぜひ島口さんのファンにもらいたいと思います。

    また、ことばの世界で不思議さに浸る感覚をぜひ体験していただきたいと思います。
    とても幻想的で曖昧である、それは矛盾しているようでとても現実的であるようにも思えます。
    そこに新鋭作家の筆力が重なります。

    その辺りに興味があると思ったには、ぜひとも挑戦してみてもらいたいです。"







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