ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:人は表面(SNS)だけでは判断できないこと。
- 2:一度崩れた関係性はもう二度と戻らないこと。
- 3:安易に人を信じてはいけないこと。
東京都にお住いのペンネームみーるさん32歳女性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年12月頃に読まれたルビンの壺が割れたを読まれたレビューになります。
ルビンの壺が割れたの内容
SNSのメッセージのやり取りを通して再会した男女の物語。学生の頃に付き合っていた2人が数十年の時を経てFacebookで再会し、ダイレクトメールでのやりとりが始まる。全編メッセージの会話形式で展開し、2人の会話を盗み見るような感覚で物語に没入できる。最初はよそよそしいやり取りだが、徐々に距離を縮めていく。やり取りが進んでいく中で、少しずつ生まれてくる違和感にゾワゾワとした恐怖を感じる。最後の一文には衝撃を受けずにはいられない。
ルビンの壺が割れたの著者について
著者:宿野かほる
本編がデビュー作となる期待の新人だが、そのプロフィール、素性は一切明かされていない。某著名作家と同一人物なのでは、という疑惑があるが、正体は謎に包まれている。
ルビンの壺が割れたのYoutube
「ルビンの壺が割れた」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「VTuber栞のミステリー小説カフェ」チャンネルで紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。
ルビンの壺が割れた本の要約
この本から学べるポイント
- 1:人は表面(SNS)だけでは判断できないこと。
- 2:一度崩れた関係性はもう二度と戻らないこと。
- 3:安易に人を信じてはいけないこと。
ミステリーやホラー好きの方で、新感覚なゾワッと感を味わいたい人におすすめです。全編Facebookのダイレクトメールを通じた会話形式で展開されていくので、普段読書をしないような方でも気負わず短時間で楽しめます。二人の心情の変化や、関係性への違和感などが会話の細部から読み取ることができ、ドキドキしながらどんどん読み進めてしまいます。話題になっているラスト一行について、読んだ人同士で意見を交換するのも楽しいです。
人は表面(SNS)だけでは判断できないこと。
SNSでの顔の見えないやり取りだと、人の心情がわからず、自分の都合の良いように解釈してしまうことが多々あります。実際は思ってもいないことや事実と異なることを簡単にもっともらしく述べることができます。そのためにすれ違いや思い違い、トラブルが起きることも多いと思います。本作のラスト一文で、登場人物の像が一気に崩れてハッとした後に、自分自身もSNSでの思い込みには気をつけないといけないなと、考えさせられました。
一度崩れた関係性はもう二度と戻らないこと。
過去にひどい仕打ちをしてしまった人でも、時間が経つと忘れてしまい、関係が戻ったかのような素振りを見せる人がいますが、実際にはそうではありません。一度負ってしまった深い傷や、過去に感じた恨みやマイナスな感情はなかなか消えることがなく、いつまでも残ってしまうものです。二人の会話のやり取りから、徐々に亀裂が生じていく過程をみて、そのことを強く思い出しました。日頃から人への声かけや行動には気をつけようと再認識しました。
安易に人を信じてはいけないこと。
過去に親しかった人や、身近な人に対しては、ついついなんでも信用してしまいがちです。私自身も、自分が好きだと思った友人や、身近で親切にしてくれる人にはすぐ心を開いてなんでも信じてしまうところがあります。ただ、どんな人にでも裏の顔があって、表で見えるものとは異なる感情や思惑がある場合も頻繁にあるのです。そのことを、登場人物の男女の言動から改めて感じさせられ、恐怖を覚えました。私も気をつけようと胸に刻みました。
ルビンの壺が割れたを読んでの感想やレビュー
普段から読書が好きでたくさん読むのですが、久しぶりに新鮮な気持ちで楽しめました。Facebookの会話形式なので、とても読みやすく、続きが気になり2時間程度で一気読みしてしまいました!あれこれ推察しながら読み進めたのですが、ラストに至るまでどうなるだろうとワクワク感が損なわれるこもはありませんでした。最後の一文には賛否が分かれて話題になっているのですが、それも作者のテクニックがあってこそのものだと思います。
#読了
『ルビンの壺が割れた』/宿野かほる
約三十年ぶりにフェイスブック上で偶然再開した男女。
やがて二人の間でぎこちないやりとりが始まるが...感想を書くのすらネタバレになりそう...
敢えて書くとしたら→😨読んだ人同士で感想を言い合いたくなる作品!
読んだこと無い人は是非読んで! pic.twitter.com/XaHZNXKRtj— こーたろ。 (@Koootaro_1031) August 18, 2022
「ルビンの壺が割れた」宿野かほる
1時間半くらいでさくっと読めた。大どんでん返しとの噂だったから、どんな叙述トリックだー?といろいろ考えながら読んだけど、全然違う騙され方だった。最後のページの心臓バクバクがたまらない、、、。#読了 pic.twitter.com/rvmTle8wIN
— えび (@benishake7) January 30, 2022
ルビンの壺が割れたがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- ボリュームのある本を時間をかけて読みたい方
- ハッピーエンドが好きな方
- ミステリーやサスペンスのような深い考察がしたい方
- 重厚な内容をじっくりと楽しみたい方
- 爽やかな読後感をのぞむ方
基本的には全ての方におすすめできる内容ですが、ミステリーやサスペンス好きの方で深く考察をしたい方、伏線や精緻なトラックを期待する人、普段からそういった書籍を読み慣れている方には少し物足りなく感じるかもしれません。また、ページ数が少ないので、重厚でどっしりとした文章をじっくり味わいたい方には満足のいくボリュームではないとは思います。また、さわやかな読後感や気持ちの良いハッピーエンドがお好きな方には合っていないかもしれません。
ルビンの壺が割れたをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- ミステリー好きな方
- サスペンス好きな方
- 新鮮な小説を読みたい方
- ブログやSNSが好きな方
- 短時間で一気読みしたい方
"Facebookのメッセージのやり取りをそのまま読んでいるかのような感覚で読めるので、普段小説を読まない方でも抵抗なく読める本です。続きが気になり、ドキドキ感も持続するので、最後まで飽きずに楽しめます。ボリュームも多くないので、短時間で一気に読みたい方にもおすすめできます。
また、ミステリーやサスペンスが好きな方は、普段読んでいるものとはひと味違ったストーリーを、あれこれ考えながら新鮮な気持ちで楽しめると思います。
読書好きの方、そうでない方、どちらにとっても読んで良かったと思える作品になっています。"