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総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:ガリレオシリーズの中でも特に読み応えのある最高傑作。
- 2:シリーズものでなければ味わえない深みのある感動。
- 3:東野圭吾作品ならではの張りめぐらされた伏線とその回収の見事さ。
香川県にお住いのペンネームひまわりさん55歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2022年2月頃に読まれた透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾を読まれたレビューになります。
透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾の内容
福山雅治が主人公のガリレオを演じ、テレビドラマや映画として大人気を博した「ガリレオシリーズ」、その書籍としての最新作になる。房総沖で男性の銃殺遺体が発見され、おなじみの警視庁の刑事、草薙が事件解明に乗り出す。しかし、思わぬところで、事件関係者として、天才物理学者のガリレオこと、湯川学の名前が浮上する。不可解な行動を繰り返す湯川に翻弄される草薙たちの思いとは裏腹に、事件の謎は深まるばかり。果たして事件の真相は?そして、湯川はこの事件にどうかかわっているのか?
透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾の著者について
著者:東野圭吾
数々の賞を受賞し、これまで発表したあらゆる作品がテレビドラマ化や映画化をされてきた日本を代表するミステリー作家。代表作は「白夜行」「ガリレオシリーズ」「流星の絆」「新参者」「マスカレード・ホテル」など数えきれない。
透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾のYoutube
「透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「BookTV358」チャンネルで紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。
透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾本の要約
この本から学べるポイント
- 1:ガリレオシリーズの中でも特に読み応えのある最高傑作。
- 2:シリーズものでなければ味わえない深みのある感動。
- 3:東野圭吾作品ならではの張りめぐらされた伏線とその回収の見事さ。
房総沖で発見された銃殺遺体の謎を解明しようと奮闘する刑事、草薙。しかし事件を探るうち、彼は自身の友人である、天才物理学者、湯川学がなんらかの形で事件に関係していることに気づく。事件解決のために彼に協力を仰ごうとするも、湯川は了承しない。いったい、湯川は何を隠しているのか。複雑に絡み合う謎と、湯川学を筆頭に、それぞれの登場人物たちの思いが交錯し、捜査は難航する。果たして事件の真相は?湯川の抱える秘密とはいったい何なのか?
ガリレオシリーズの中でも特に読み応えのある最高傑作。
過去のガリレオシリーズを何作も読んできた。すべて、ストーリーも緻密で内容も面白かったし、今回も素晴らしい作品だと想像できてはいたが、この方向性でせめてくるとは想像していなかった。ミステリー作品ではあると同時に、ガリレオこと湯川学という人物自身を語る、なんとも読み応えのある、このシリーズのファン垂涎の作品だ。読み終えた後、いかにも湯川らしい行動と考え方、一見クールに見えて実は奥底に温かいものを秘めた人柄を実感でき、あらためてこの主人公を好きになる人は少なくないはずだ。
シリーズものでなければ味わえない深みのある感動。
もちろん、本作だけでも楽しめるが、出来ればシリーズすべてを読み込んでから、本作を読むと、より味わい深い作品になるのではないかと思う。どんなに作り込んだ長編作であってもけっして味わえない、シリーズものだから味わえる、奥深い感動が押し寄せてくるのを実感できるだろう。シリーズが長期化するにつれて、変化してきた人々の関係性や各々の成長などが、思い起こされて、彼らと一緒に何年もの時を過ごしてきたような気分に浸れる。
東野圭吾作品ならではの張りめぐらされた伏線とその回収の見事さ。
毎回、作品を読むたびに、どうしてこうも、この作者は、伏線をはりめぐらし、それを回収するのがうまいのかと感心させられてきたが、今回もさすがだった。何気なく書かれた一言や、ささいな変化が、実は伏線だったのだと気づかされ、何度途方にくれたことか。流れが自然で、作者の隠された意図にまったく気づくことができず、悔しいと思うと同時に「また、やられた」と、むしろ爽快な気分にすらなる。これだけ多くの作品を発表してもネタが尽きない彼に対して、もはや天才という表現さえ陳腐に思える。
透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾を読んでの感想やレビュー
あくまでも個人的な意見だが、ガリレオシリーズの中で一番好きな作品である。ガリレオシリーズを読んできて、本当に良かった、湯川学を好きで良かったと素直に思える作品だ。東野圭吾はこの作品を書くために、これまでガリレオシリーズを書いてきたのではないかとすら思えてしまう。これからも、このシリーズの続編を発表して欲しい。そして、私たちファンをまた違った方法で、感動させ、あっと驚かせてほしい。さらに本作をドラマ化すれば、すごく感動的ないい作品になるとも思う。
『透明な螺旋』
東野圭吾 #読了
📚
ほんとに上手い、あっという間に話に引きずり込まれます。湯川先生のアイデンティティにまつわる秘密も明らかに。 pic.twitter.com/hF53pe84x7— 社会人2年目の本棚 (@howmanybookstog) October 20, 2021
『透明な螺旋』東野圭吾著。
遺体で見つかった男性の同居女性が姿をくらます。先が気になり一気読み。読ませる力はさすが。なんとなく展開とオチが読めたかな。と思っていたら…ごめんなさい。東野圭吾さん、やっぱり凄い!一筋縄ではいかない。裏にあった真実に驚く。深い人間ドラマに涙。#寝読部 pic.twitter.com/r3hvLUX8Q0
— ikep (@ikep72865553) October 25, 2021
透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 「ガリレオシリーズ」を知らなくて湯川学の人物像をイメージできない人。
- シリーズを最初からすべて読むのはちょっと面倒だと感じている人
- 登場人物の心情より、ミステリーのトリックなどに重きを置いた小説が好みの人。
- なし
- なし
何度も書いたように基本的には全ての人におすすめできる上質なミステリーだ。ただ、シリーズものとして湯川学の人物像を知っていることで、さらに面白いと感じられるだろうし、これまでのシリーズをすべて読むことによって、より深い感動を味わえる。湯川学を知らない人や、シリーズの他の作品を読みたくないという人は、本作の本当の面白さを味わいつくせないという意味で、もったいないと感じてしまう。また、登場人物の心情が丁寧に描かれているため、トリック解明などに重きをおいた小説が好みの人には、物足りなさもあるかもしれない。しかし、それ以上の感動が得られる可能性もある。
透明な螺旋 ガリレオシリーズ第十弾をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 「ガリレオシリーズ」を知っていて、面白いと思っている人。
- ちょっと心が温まるミステリーを読みたいと思っている人。
- 読み応えのあるミステリーを読みたいと思っている人。
- なし
- なし
「ガリレオシリーズ」の書籍を読んだことがなくても、例えば、テレビや映画で観て、面白いなと感じている人なら、楽しめる作品だと思う。なんらかの形で「ガリレオ」こと湯川学という人物をイメージできる人なら、大丈夫だ。もちろん、知らない人でも、ミステリーとして十分楽しめる。また、心温まる深みのある内容であり、ミステリーとしての読みごたえも十分なので、そのような類のミステリーをご所望の方にはうってつけの作品だと思う。緻密に構成された内容に翻弄されつつ、バラバラだったピースがぴたりとはまる心地よい感覚と、心温まるエピソードを味わいつくしてほしい。