ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:ちょっと無謀な設定をあり得ることにしてしまう見事な文章力。
- 2:愛くるしい子供の描写の一つ一つに癒される。
- 3:読後感の良さがハンパなく、最高に幸せな気分になれる。
香川県にお住いのペンネームひまわりさん55歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2021年5月頃に読まれた君が夏を走らせるを読まれたレビューになります。
君が夏を走らせるの内容
高校を一年で中退し、暇を持て余していた16歳の少年が、夏休みが始まろうという頃、先輩から、とあるバイトをすすめられた。バイト代をはずむと言われ、二つ返事で引き受けたバイトの内容は、なんと、まだ言葉も満足にしゃべれない小さな子供の面倒をみること。最初はとまどい、途方に暮れていた少年だったが、やがて、子供やその周囲の人々との関りの中で、かけがえのないものの存在に気づき、成長していく。爽やかでどこか懐かしい、ひと夏の青春物語。
君が夏を走らせるの著者について
著者:瀬尾まいこ
1974年、大阪府で生まれる。2002年に作家デビューし、その後も数々の賞を受賞。2019年に「そして、バトンは渡された」で本屋大賞を受賞し、本作は映画化もされた。
君が夏を走らせるのYoutube
「君が夏を走らせる」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「読書の達人」チャンネルで紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。
君が夏を走らせる本の要約
この本から学べるポイント
- 1:ちょっと無謀な設定をあり得ることにしてしまう見事な文章力。
- 2:愛くるしい子供の描写の一つ一つに癒される。
- 3:読後感の良さがハンパなく、最高に幸せな気分になれる。
高校を中退し、金髪頭にピアスをつけた、少年が、小さな子供を預かるバイトを請け負う羽目になる。いかにも素行が悪そうな外見とは裏腹に、実は心優しい少年は、とまどいながらも、周囲の人々と心を通わせ、彼らの協力を得ながら、これまで経験したことのなかった「ベビーシッター」という難題を成し遂げていく。徐々に少年になついていく天真爛漫な子供の姿も愛くるしい。ひと夏の青春物語と、人々の温かい交流などがつまった、読後感がさわやかな珠玉の作品。
ちょっと無謀な設定をあり得ることにしてしまう見事な文章力。
通常、いかにも素行の悪そうな、しかも育児経験が全くない、たった16歳の少年に、自分の子供を預けようとは思わない。しかし、少年のことを信頼している、元先輩が父親だという設定で、物語はスタートし、そのまま、多少のアクシデントはあれども、大きな問題は何も起こらぬまま進行していく。瀬尾さんのコミカルで疾走感のある文章によって、リアリティは見事に置き去りにされ、読者は物語の世界にはいりこんでいく。読者をひきこんでいく瀬尾まいこさんの文章力はすごいと思う。
愛くるしい子供の描写の一つ一つに癒される。
実際の育児においては、いろんなトラブルもあるだろうし、「怒り」や「困惑」などといった負の感情もつきものだろうけれども、そんなものを気持ちのいいほど、すっぱりと切り捨てて、ただただ、子供の愛くるしさと無邪気さを強調している。その内容を夢物語だと感じる一方で、「子どもってこんなに可愛いものだったんだ」と改めて気づかされる自分がいる。その一つ一つの描写にひたすら癒されて、ずっとこの世界に浸っていたいような気分にさせられる。
読後感の良さがハンパなく、最高に幸せな気分になれる。
読み終わった後、学生の頃の夏休みを再び味わったようなノスタルジックな気分と、温かい人々ばかりが登場する内容、やっぱりいい人だった主人公、とにかく愛くるしい子供などなど、いろんな幸せ要素があふれ出てきて、読後感の良さがハンパない。リアリティがない「夢物語」だという人もいるかもしれないが、読むだけでこんな幸せな気持ちになれるなら「夢物語」もありなのではないかと思ってしまう。読んだ後、誰もが幸せな気持ちになれる貴重な一冊である。
君が夏を走らせるを読んでの感想やレビュー
読み終わった後、少年と小さな女の子と一緒に、楽しいひと夏を過ごした、そんな感覚に陥った。夏が終わる際のなんともいえない郷愁とともに夏の楽しい思い出が次々とよみがえってきて、もう二度と同じ夏は過ごせないけど、本当に楽しかった、そんな気分にもさせられた。現実の世界にファンタジー要素をちょうどいい具合にミックスした浮遊感みたいなものと、ただただ可愛くて面白くて楽しい内容が爽快である。気分が落ち込んだ時に、また読み直してみたい、そんな風に思える作品だ。
水曜mixのオープニングは、詩織ちゃんオススメの一冊を紹介する「しおリコメンド」📚
今日紹介したのは、瀬尾まいこ著「君が夏を走らせる」でした❗️#mixafm pic.twitter.com/LSzbpbEHHh— mix (@mixafm) July 22, 2020
#読了
『君が夏を走らせる』優しくてほっこりしました🙂
こういうお話好きだなぁ🍙#読書好きな人と繋がりたい #読書垢さんと繋がりたい pic.twitter.com/RTUgZJev7I— ひい (@pooh_q3q) October 26, 2021
君が夏を走らせるがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- リアリティのある人間臭い小説が好みの人
- ちいさい子供が苦手な人
- 育児にストレスを感じている人
- なし
- なし
基本的には、どんな方にも読んでいただきたい1冊なのだが、あえていうなら、小さな子供が苦手な人にとっては、作品の中を縦横無尽に走り回る小さな女の子の姿が、煩わしく感じられる瞬間があるかもしれない。また、育児に大きなストレスを抱えている人にとっては、あまりにもなにもかもが上手くいきすぎて、現実の世界とのギャップにとまどう可能性が考えられる。また、リアリティのある小説が好みの方には、物足りないと感じられることもあるかもしれない。しかし、あくまでも物語だと割り切って読むことができれば、本当に楽しくて心温まる内容なので、ぜひ読んでいただきたいと思う。
君が夏を走らせるをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- ちょっと落ち込んでいる人。
- 学生時代の夏休み気分を味わいたい人。
- 小さな子供が登場する小説が好きな人。
- 入院中などネガティブな内容の小説を読みたくない状況下の人。
- なし
落ち込んでいる人や、入院中でネガティブな小説を読みたくないなどという方には、とくにお薦めの作品だ。悪い人は一人も登場しないし、みんな、温かくて優しくて、しかも内容がコミカルで、笑えるシーンも盛りだくさんである。とくに入院中で、気持ちはめいるが暇を持て余している際の読書などには、うってつけだと思う。しかも、物語の中を常に可愛らしい小さな女の子がちょこちょこと動き回る。その姿も微笑ましいし、少年が過ごす、夏休みの風景に、どこか懐かしい思いを抱える人も少なくないだろう。これらの要素に心を魅かれたら、ぜひ読んでみるべきだと思う。