文学・評論

【本要約】表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

ジャンル: 文学・評論

著者: 若林正恭

出版社: KADOKAWA

発売日: 2017/7/14

本の長さ: 208ページ

8

総合

9

読みやすさ

8

学び

7

実用性

この本から学べるポイント

  • 1:日本で生きていく事について
  • 2:キューバ革命について
  • 3:モンゴル・アイスランドと言う国について

千葉県にお住いのペンネームちょぱさん29歳女性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年8月頃に読まれた表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬を読まれたレビューになります。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬の内容

お笑い芸人・オードリーの若林さんがキューバへ一人旅に出た際の旅行記です。電子書籍化された際にモンゴル・アイスランドの旅行記が追加されました。この3カ国に行きたいと思った経緯から旅の詳細、旅先の空気とその時に若林さんが感じた事が解りやすく書かれています。また、旅に出たいと思った理由の面では、日本で抱える生きづらさや家族との繋がり等繊細な著者だからこそ感じる悩みが率直に書かれており、私達にも共感できる内容になっています。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬の著者について

著者:若林正恭
お笑い芸人・オードリーのネタ作成、ツッコミ担当。相方は春日俊彰。2008年のM-1グランプリ準優勝。バラエティ番組の司会やラジオ、本の執筆など幅広く活躍している。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:日本で生きていく事について
  • 2:キューバ革命について
  • 3:モンゴル・アイスランドと言う国について

キューバへの旅行記。著者の若林さんがニューヨークを訪れた時に感じた「やりがいがある仕事をして、手に入れたお金で人生を楽しみましょう!」と言われている感覚。それは著者の中で「仕事で成功しないと、お金が無くて人生が楽しめません!」と変換されてしまう。当時、収入も仕事も無い若林さんは東京でもその言葉を常に感じで生きていました。なぜ、この様に思ってしまうのか。なぜこんな社会なのか。それを突き詰めて考えた先に出てきた「資本主義」と「社会主義」と言う国のあり方である。自分の生きづらさは資本主義から来ているのでは?と感じた若林さんが、真逆の世界とそこで暮らす人々はどのように生活しているのかを知る為にキューバへ旅立った際の旅行記です。

日本で生きていく事について

「資本主義」が根付いている日本において、一昔前の「組織」よりも「個」の在り方が重視される世の中に変化している事について改めて考えさせられました。この手のことを説明している本はビジネス本に多く、「これからの時代を生き抜く為のノウハウ」が書かれる事が多いですが、この本は「資本主義」と「社会主義」の在り方や、「幸せとは何か?」を題材に描かれています。著者もこの本が賞を受賞した際に「グレーなものをグレーなまま書いた」とおっしゃっていましたが、本当に率直に感じた言葉で綴られており、受け取り手がそれぞれの解釈で「幸せ」や「日本での生き方」について考えさせてくれる内容になっています。

キューバ革命について

正直、この本を読むまではキューバと言う国の歴史について何も知りませんでした。本の中にはキューバの革命博物館に訪れた時の事が細かく記載されており、キューバ革命がどんな物なのかについては書かれていません。読んでいく内に「キューバの歴史を理解しないと、著者が伝えたい事が理解出来ないな」と思い、読書を中断してキューバ革命について調べてから続きを読みました。ネットで調べたどんな記事よりもゲバラやカストロの力強さが伝わってきて、キューバの国民からこの2人がどんな風に思われているのかをこの本から学ぶ事が出来ました。

モンゴル・アイスランドと言う国について

"モンゴルやアイスランドについての知識も殆ど有りませんでした。モンゴルの人々がどの様に生活しているのか。遊牧民の子供と都心部の子供にどの様な差があるのか。遊牧民同士での戦いがあった時代に、人々はどの様に暮らしていたのかを学ぶ事ができると同時に、組織に属する事で感じる自分の存在意義や人々が何かを信仰したくなる背景を著者が感じた言葉で書かれています。
アイスランドについてもどんな国なのか、観光スポットや年越しの花火について等知らなかった事を学ぶことができました。"

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬を読んでの感想やレビュー

私は元々オードリーのラジオのリスナーで、著者の若林さんに共感する事が多かったので「もっと知りたい」とこの本を手にしました。実際に読み終えた時には若林さんの事を知る事が出来たと言うより、「幸せとは何か」「自分自身の生き方」について考えさせられていました。海外の旅行記でこれ程「日本」について考えさせられる作品は他にないと思います。繊細で人見知りだけど、自分の芯はしっかり持ってて行動に移す事ができる。そんな若林さんの事がもっと好きになりましたし、普段抱えているモヤモヤが「これで良いんだ」と許された様な、とても温かい気持ちになりました。ぜひ、多くの人に読んでもらいたいと思いました。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • 競争社会に身を置いていたい人
  • ポジティブな言葉しか取り入れたく無い人
  • 感受性が乏しい人
  • 海外に興味がない人
  • 日本に住んでいない人

私は全ての人にこの本をお勧めしたいです。しいていえばでこの本に「共感できなそうな人」を選びましたが、共感出来なかったとしても「こういう風に感じる人もいるんだな」と感じていただけると嬉しいです。上昇志向が高すぎたり、「常にポジティブな言葉しか受け取りたく無い」と言う方は、この絶妙な感受性を理解するのが難しいのかとも思います。ある程度、繊細な感情を持った方の方がこの本への理解度は高まるかもしれません。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 日本で生きづらさを感じている人
  • 人見知りな人
  • 旅行が好きな人
  • オードリーのラジオを聴いた事がある人
  • 大切な家族がいる人

著者は人見知りで内向的な故に、自分と他者との間に溝を感じて深く考えすぎてしまう所があります。そんな著者がモヤモヤと戦いながら旅先で出会った人達から色んな事を感じ、勇気を出して他者と関わり合おうとする姿は読んでいる人に勇気を与えてくれます。旅先での出来事が鮮明に書かれており、その国の事を「もっと知りたい」と思わせてくれます。また、キューバと言う旅先を選んだ本当の理由は、色々と書かれていますが「生前に父親が見たいと言っていた景色を見てみたい」と言う理由が大きいと思います。父親との思い出を振り返りながらキューバの街を歩く描写は、とても心に響くものがあります。著者はラジオでよく父親の話をしていましたので、ラジオを聴いた事がある方はより著者の気持ちに共感できるかと思います。







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