ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:兄弟の絆
- 2:夢を追いかけることの楽しさ
- 3:考古学や歴史、中東の文化への知識
千葉県にお住いのペンネーム雨さんさん28歳女性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2022年1月頃に読まれた『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』を読まれたレビューになります。
『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』の内容
地面や壁の中をのぞく力を持っている梵天、どのような難解な言語、方言であっても日本語になって頭の中に入ってきてしまう梵地、3秒先の未来が見える梵人の3つ子がその力を利用した大泥棒を秘密裏にやってのけた後、なぜかその秘密を知っているというライオンを連れた謎の女に出会い、自衛隊に入れられ、イラク派遣されてしまうというお話です。自衛隊に飛ばされた目的はなんと、イラクの砂漠の中にある「あるもの」の調査なのですが、「あるもの」は読んでからのお楽しみです。
『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』の著者について
著者:万城目学
京大卒業後、作家デビュー。「鹿男あおによし」や「鴨川ホルモー」など、関西地方を舞台にした作品が多い。また、映像化されている作品も多数ある。
『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』本の要約
この本から学べるポイント
- 1:兄弟の絆
- 2:夢を追いかけることの楽しさ
- 3:考古学や歴史、中東の文化への知識
不思議な力を持った三つ子が、その不思議な力を利用して大泥棒をしてしまいます。その秘密を握ったライオンを連れた不思議な女に、自衛隊へ飛ばされ、さらにはイラクにPKO派遣までされてしまいます。三つ子の持つ能力は現代を生きる我々にはどう考えても現実離れした能力ですが、あくまでもフィクションとしても面白いストーリーですし、三つ子の特技や小さいころからの夢がそれぞれあり、恐竜や、メソポタミアの古代文明、考古学、中東の文化などに関しての知識も自然と身に着くかと思います。
兄弟の絆
兄弟の絆に感動できる作品です。三つ子の長男の梵天は、両親を亡くした後、スポーツや学業の面で優秀な弟たちが学校へ行けるよう自己犠牲の精神で中卒で働き始めます。そのありがたみを弟たちも身にしみて分かっているので、兄が夢を抱いた時には進んで協力をします。兄弟が互いに支え合う姿は、兄弟がいない私にとってとても素敵に映りました。互いの不思議な能力もわかりあっているので、三兄弟が手を組むと、本当に最強なのです。
夢を追いかけることの楽しさ
夢を追いかけることについての楽しさも学べました。三つ子の長男は貧しい中でも、幼いころからの恐竜発掘の夢を大事にし、ついには大泥棒をやってのけます。三つ子の次男はメソポタミア文明へのあこがれがあり、一生懸命アラビア語を学び、通訳ボランティアにも取り組みます。三つ子の三男は、スポーツ万能で、オリンピック選手になるという夢を持っていました。皆それぞれ夢があり、それを追いかけるさまがとてもうらやましいと思いました。大泥棒をやってのけるほどかなえたい夢があるなんて、すごいとも感じました。(良いことではありませんが)
考古学や歴史、中東の文化への知識
今回の舞台はイラクということで、古代メソポタミア文明のあった地域です。歴史や、考古学用語もちらほら出てきますし、登場人物の一人の謎の女は「本当のメソポタミアを見せてあげる」などと言います。また、歴史や考古学以外にも、もともと三兄弟の次男はアラビア文化に興味がありますので、いずれにしても中東に興味のある方は読んでみて損はないかと思います。イラクのPKO派遣など、国際的な問題に関しても扱われています。
『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』を読んでの感想やレビュー
タイトルからどんな本か全く想像ができませんでしたが、色んな内容てんこ盛りで情報の洪水でした!地面を透視する能力に、翻訳能力、3秒左記の未来を読む、そして恐竜、メソポタミア、自衛隊など…あらゆる情報が詰まっているのに、しつこくなく、どれが何の伏線なのか、全く予想ができません。上下巻あり、かなりボリュームは多いですが、読むのが苦になりません。次々とイラクで大変なことに巻き込まれる三兄弟がどう生き延びるのか、気になります。
『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 非日常な設定が苦手な人
- 歴史や考古学に興味のない人
- 夢をおいかけることを嗤う人
- 泥棒、少々バイオレンスなど、そういうのが苦手な方
- なし
基本的にすべての人におすすめですが、地に足の着いた作品が好きな方はもしかしたら苦手と感じるかもしれません。あとは、考古学や地層の話も出てくるので、歴史や地学が苦手だと言う人も頭が痛くなってしまうかもしれませんね。逆に興味がわいた!となってくれると嬉しいです。後は、三兄弟たちは夢を一生懸命追いかけているので、それを嗤わない人にぜひ読んでほしいと思います。最後に、不思議な力を生かして兄弟は結構泥棒をしていますので、フィクションだと受け流せない人にはあまりお勧めできないかもしれません。泥棒をする際や、イラクに派遣された軍隊とのバイオレンスな描写もあります。そこまで激しくはありませんが、気になる方には注意喚起しておきます。
『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 兄弟モノの作品が読みたい人
- 夢に夢中になっている主人公の作品を読みたい人
- 中東の文化に興味がある人
- 日常が非日常になってゆく作品を読みたい人
- なし
とにかく兄弟の絆が熱い作品だと思っています。なので、兄弟が出てくる作品が好きな方にはおすすめです。また、三兄弟みんな何かしらの夢を追いかけていますので、自分には追いかける夢がないと寂しく感じている人も、「自分も夢を追いたい!」と勇気づけられるのではないでしょうか。中東への知識もつきますので、旅行で中東へ行った人や、行ってみたい人はぜひ読んでほしいです。あとは、三兄弟は不思議な力を持っていますが、普通の日常を送っています。そのように、日常に非日常が紛れ込む体験がお好きな殻にはおすすめかと思います。