ご紹介する本
ひらめく!作れる!俳句ドリル
ジャンル: 文学・評論, 文芸作品
著者: 夏井いつき 岸本尚毅
出版社: 新潮社
発売日: 2020/10/29
本の長さ: 247ページ
この本から学べるポイント
- 1:俳句の作り方
- 2:オリジナリティのある俳句の作り方
- 3:ドリルを使って作る俳句
石川県にお住いのペンネーム翡翠工房さん48歳女性(職業:専業主婦(主夫)?)から2022年1月頃に読まれたひらめく!作れる!俳句ドリルを読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
ひらめく!作れる!俳句ドリルの内容
夏井いつきさんと、岸本尚毅さんがタッグを組んだ
ドリル形式の俳句練習本です。
夏井いつきさんだけでも、俳句の本はたくさん出していますが
その知識量と、技術を上回るデータが、岸本尚毅さんの
脳内に存在しています。
バラエティ番組「プレバト」で活躍する夏井いつきさんが
唸るほどの実力者です。
岸本さんが俳句の例句、分析のヒントを即回答し、また夏井さんが
質問を投げかける。
夏井&岸本の、最強の組み合わせが登場しました。
ドリル形式なので、学生に戻って勉強するような
ワクワク感があります。
大人のための、脳内活性化を期待できる一冊だと思います。
ドリル1~30で、〇〇〇の中に言葉を埋め込むと
俳句が出来上がるようになっています。
ひらめく!作れる!俳句ドリルの著者について
著者:夏井いつき 岸本尚毅夏井いつき
1957年、愛媛県に生まれる
8年間の中学校国語教諭を経て、俳人に転身。
俳句集団「いつき組」組長を名乗り、俳句の種まき運動に
力を注ぐ。
バラエティ番組プレバトや、俳句甲子園審査員などで
活躍中
岸本 尚毅
1961年、岡山県に生まれる
中学時代から俳句を始め、俳句の著書多数
Youtube
【読了】五感を思う存分表現した物語「とわの庭」を読みました。
ひらめく!作れる!俳句ドリル本の要約
この本から学べるポイント
- 1:俳句の作り方
- 2:オリジナリティのある俳句の作り方
- 3:ドリルを使って作る俳句
バラエティ番組で、市民権を得て来た
俳句の作り方を分かりやすく解説したドリルです。
俳句を作るのに、才能やセンスがないと無理かもと
思っている方は多いはず。
俳句は「型」の文学であり、キーワードを見つけ
発想、連想を広げれば誰にでも簡単に作ることが出来ます。
簡単に出来るからこそ、似たような句が量産されるのが欠点です。
そこから一歩踏み込み、人と違った視点を持ち
五七五という十七音に、自分の思いを込め、外に発信させる。
日本人が心地よいと感じる五七五の魅力を、感じてもらえると
思います。
俳句の作り方
俳句初心者の人が、いきなり俳句を作るのはハードルが高く
感じると思います。
まずは、家の外に出て空を見る、雲を見る、視線を下げると
季節の花が咲いている。
花の名前は何か、その花にどんな虫が集まるのか、どんな香りがするのか
それだけでも、たくさんの情報が集まります。
そしてどんな言葉が出てくるのか、俳句作りの第一歩は、言葉探しから始まります。
今まで、気にも留めていなかった庭の草花には、ちゃんと名前があり、
その小さな命は季節を巡り、子孫を残し、再び私たちの目の前に現れます。
そんな些細なことを、丁寧にすくい取るのが俳句の醍醐味です。
オリジナリティのある俳句の作り方
俳句の五七五に入れたい言葉を探します。
誰もが知っているけれど、誰にもない発想を喚起させる
言葉が理想です。
同じような内容の俳句を類想類句と言います。
平凡な内容で、誰の心にも引っかからないような
作品のことです。
バラエティ番組のプレバト俳句コーナーで言うところの
「凡人」という部類の作品です。
少しづつで良いので、凡人を抜け出す努力をします。
まずは、いきなり五七五に当てはめず、思いつく言葉、目の前の状況を
言葉にして、どんどんインプットしていきます。
ドリルを使って作る俳句
ドリルは、1から30まであります。
例えば、私の俳句の例で、春風やシドニー土産の〇〇〇〇〇とあれば、
〇〇〇〇〇に入る言葉をイメージして、たくさん書きだします。
五七五なので、最後の五音分にあたります。
チョコレート、湿度計、キーホルダー、何でも良いのです。
ここに、他の人では考え付かない言葉を入れると、ぐっと
オリジナリティが出て来ます。
発想を浮かべる際に、目の前のもので想像することも出来ますが
一瞬でシドニーに行けるわけではないので、ネットの画像を見て
連想を膨らませたりするのも、一つの手です。
繰り返し訓練すると、すぐに慣れて来ます。
ひらめく!作れる!俳句ドリルを読んでの感想やレビュー
夏井いつきさん、岸本尚毅さんの本は
数冊もっていますが、ドリル形式の本は実践型で、とても勉強になります。
昔から、俳句は好きだけど、どうしても上手く作れませんでした。
何冊か、俳句の作り方の本を持っていましたが、理解できず何年も経過していました。
そこで、ドリル型のこの本を購入し、学生に戻った気分で国語の勉強だと思い
楽しみながら俳句を作りました。
この度、全国的な俳句コンテストで入賞することが出来ました。
素人でも、コンテストに入賞する力が身に付く、良書だと思います。
ひらめく!作れる!俳句ドリルがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 自然の営みや、移ろいに興味のない人
- 国語が嫌いな人
- 俳句を古臭い文芸だと思っている人
- なし
- なし
基本的にすべての人におすすめですが、自然の営みや移ろいに目を向けず
耳を傾けない人には、馴染めない世界だと思います。
俳句の世界で肝となるのが、「季語」と言われる季節の言葉です。
冬の季語「雪」ひとつ取り上げても、六花、小雪、粉雪、雪明りなど
まだまだ沢山あります。
例えば、雪が降る、その雪の大きさはどれほどか、雪の状態はどうか、
そういう、細かい情報も観察しながら句作を進めて行きます。
そんな些末なことに、気を配ることが苦手な人には、おすすめできません。
ひらめく!作れる!俳句ドリルをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 季節を感じ、心豊かに過ごしたい人
- 介護などで、家から出ることが難しい人
- 自身の病気などで、動けず想像の世界で
心豊かに過ごしたい人
- 俳句コンテストで入賞・入選したい人
- 言葉の語彙を増やしたい人
南北に長く伸びる日本は、春夏秋冬のある
美しい国です。言語の表記も、ひらがな、カタカナ、漢字と多種多様です。
日本人は、昔から五七調を好む傾向があります。
キャッチコピーなどに、偶然取り込まれているものは
心地よく耳に馴染み、意図せずとも覚えていたりします。
私が若い頃は、俳句なんて定年退職したシニアの人たちが
高尚な趣味として、俳句結社に入会し、会費を払い、教えを乞うものという
イメージでした。
テレビのバラエティ番組で、俳句の添削を紹介されるようになり
もっと身近で親しみやすく、今まで見過ごしていた季節の移ろいに心を寄せ
より豊かな日常を送れるようになりました。
せっかく日本人に生まれたのだから、日本を満喫したいと常々思っております。