ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:幸せと結婚しているか、していないかは関係ない
- 2:自分の大事なものを守る勇気
- 3:家族や人との付き合い方
兵庫県にお住いのペンネームyuiさん30歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2021年9月頃に読まれたときどき旅に出るカフェを読まれたレビューになります。
ときどき旅に出るカフェの内容
37歳、独身の会社員、瑛子はある日、自宅の近所のカフェを訪れる。そのカフェは、6年前に瑛子の勤める会社を辞めた元後輩の円が経営するカフェだった。円は月に1週間ほど休みと取って海外に行く。その旅先で出会った美味しいお菓子や飲み物をカフェで再現し、メニューにしているため、円のカフェに行くとまるで旅に行った気分になれる。今に満足していないわけではない。だけどなんの変哲もない、期待もない毎日にどこかで不安を感じる。そんな瑛子が、円との偶然の出会いで変わっていく・・・。
ときどき旅に出るカフェの著者について
著者:近藤史恵
この著者の「タルト・タタンの夢」という作品も大変面白い。美味しそうな食べ物を扱う作品を得意とされている方。
ときどき旅に出るカフェのYouTube(ユーチューブ)
「ときどき旅に出るカフェ」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介してくれている動画がないか調べてみました。
「好書好日channel」が短編集で紹介されているものを再現したものを載せているので、是非一度見てみてください!
ときどき旅に出るカフェ本の要約
この本から学べるポイント
- 1:幸せと結婚しているか、していないかは関係ない
- 2:自分の大事なものを守る勇気
- 3:家族や人との付き合い方
今に満足していないわけではない。だけど何の変哲もない、期待もない毎日にどこかで不安を感じる。そんな独身女性の心情を見事に表現した作品を言える。瑛子と同じような状況の女性は必ず瑛子の言葉に共感すること間違いなし。また、この作品において注目すべきは、瑛子の元後輩の円。まだ若いながらに会社を辞め、カフェをオープンさせ、経営している。そして、そんな自分のカフェを`自分の城’だと言う。円にも家庭環境で苦しんだり、人に言えない秘密を抱えていたりするのだが、自分の城を守ることを最優先に凛と生きる様は憧れでしかない。
幸せと結婚しているか、していないかは関係ない
37歳独身の瑛子は結婚に関して、思うところもある。独身だからこそ、自分の時間を自由に使える、ということも分かっているものの、会社の女の子が「結婚することになった」と聞けば、取り残されたような気分になる。この本は「結婚」というのも一つのキーワード。瑛子の友達は、夫に浮気の疑いがあり、悩んでいたり、瑛子の後輩は結婚することが決まったが、その彼氏は後輩の貯金を目当てにカレー屋を始めようとしていたことが分かり、結局別れることになった。結婚とはなんなのかを考えさせられる。
自分の大事なものを守る勇気
円は自分の経営するカフェを自分の城だという。円は家族になじめず、兄にも爪弾きにされていた過去を持つが、家族から離れ、自分の店を持つことで、そこを自分の居場所にした。家族と訣別して一人で生きていく、ということは口でいうのは簡単でも実際にはものすごく勇気がいって、つらいことだと思う。それでも、そうすることが自分にとって良いことだと決断し、カフェという自分の居場所を作り上げる円のその姿にものすごく考えるものがあった。
家族や人との付き合い方
"円は会社を辞める際、瑛子に「会社を辞めてカフェをする」と言った。その際、瑛子は「飲食店は2年以内のほどんどが潰れてしまうから、やめたほうがいい」と言った。
それでも円は店をオープンさせ、2年以上店を続けている。円は会社にいた時は、おとなしく、目立たないタイプだと、会社の人からも思われていた。そんな円だが、本当は
とても芯の強いものを持っていて、人になんと言われても自分を貫く強さを、円から学んだ。また、円が家族から訣別して一人で生きていく様も素晴らしい。"
ときどき旅に出るカフェを読んでの感想やレビュー
"最初この本を手に取った時は瑛子という独身女性の結婚に揺れる様に共感できそうだな、と思い、手に取ったのだが、もちろん、瑛子のその心情にも共感できるのだが、カフェの店主、円にこそ、私はこの本の神髄が隠されていると感じた。会社を辞め、自らの店をオープンさせる円。そこだけ切り取ると、会社勤めを辞めて自分の店をしてるなんて、
気楽でいいな、感じるかもしれないが、円には家族と訣別して、自分の居場所を作るためにカフェを始めた、という背景があり、そこが大変素晴らしいと感じた。"
ときどき旅に出るカフェがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 結婚していて、結婚生活にそれなりに満足している人
- 家族は仲良くすべきと考える人
- 現状に満足している人
- なし
- なし
結婚していて、その結婚生活に満足している人は、瑛子や円、またその周りの人間模様にあまり共感しないかもしれない。この本に出てくる人々はそれぞれに悩みを抱えていて、得に、主人公である瑛子が独身の30代で、結婚ということに揺れている女性なので、そのあたりに敏感な同じ独身女性のほうが共感はできると思う。また、円が家族と訣別していることに嫌悪感を感じる人。家族は仲良くするよう努めるべきだ、という考えの人も共感できないかもしれない。
ときどき旅に出るカフェをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 独身の女性
- なにかやりたいことがあるが躊躇っている人
- 家族や人との付き合い方に悩んでいる人
- なし
- なし
"瑛子のように独身で、今に不満があるわけでないけど、なにかが不安、という人は必ず瑛子に共感できる。また、円のように、一見大人しいタイプだけど芯が強くて、
なにか自分だけど居場所を作りたいと思っている人、こういうことをやりたい!と思っていることがあるが、なかなか踏み出せない。という人は必ず円の生きざまにヒントになる部分があると思う。また、円の家庭環境の部分においても、私はとても考えさせられた。皆が皆、家族仲良し、というわけではなく、家族となじめない、という人もいる。
だけど、家族というものは仲良くしなければならない、という固定概念から、なかなか訣別する、ということなんてできない、そういう人には、円のような生き方もあり、なのだと、自分を肯定された気になると思う。"