ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:人と機械との違い
- 2:お日さまのありがたさ
- 3:文学的センス
神奈川県にお住いのペンネーム西野 生紗さん22歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2021年8月頃に読まれたクララとお日さまを読まれたレビューになります。
クララとお日さまの内容
"硬派な世界的文学で、AIをテーマとして扱います。まるでわたしたちの近未来のようです。
近いうちに、人間とAF始めとする機械やロボットが共存するようになるのかもしれない。
生きているものはあたたかくて、機械は固く冷たいものである。という認識をがらりと改めさせられる物語。
AF、人工友情である女の子、クララの素直で真っ直ぐな献身さに胸を打たれます。読後にはあたたかい涙が流れること、きっと間違いなしと思います。"
クララとお日さまの著者について
著者:カズオ・イシグロ
ノーベル文学賞受賞作家。生まれは日本であり、イギリスで育つ。執筆は英語で、日本で発売のものは翻訳がされている。
クララとお日さまのYoutube
「クララとお日さま」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「明快キング」チャンネルで紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。
クララとお日さま本の要約
この本から学べるポイント
- 1:人と機械との違い
- 2:お日さまのありがたさ
- 3:文学的センス
"AFという人工友情というものが登場します。
作中で人間たちは、この人工友情と共に暮らしている人がとても多いです。また自分の子供にもなにか怪しい手を施している様子が仄めかされます。
AFたちはとても素直ないいこたちで、おもちゃやさんのようなところで販売され、各々家族の元へ旅立ちます。もう二度とAFのお友達とは会うことができません。
各家庭でどのような生涯を終えるのか。それは我々読者にも責任があることかもしれません。"
人と機械との違い
"いままでわたしは、人間はあたたかくて機械は冷たい固いものであると思っていました。
実際、現在もAIなどの性能の進化は著しく、そのうち人間を越すであろうと懸念されています。脅威の対象としています。
実際には優秀すぎるAIたちは、わたしたちを敵視しないのかもしれません。我々人間のために心をすり減らすようにしてとても親切にしてくれるのかもしれません。
その時わたしたちは、人間の家族や知り合いと同じようにAIに接することができるのでしょうか。"
お日さまのありがたさ
"本作に登場するクララを始めとしたAF、人工友情たちは、お日さまの光を浴びることにとてもありごたみを感じています。その姿をとても真っ直ぐでかわいいと思いました。
機械的なものには、乾電池や充電のバッテリーなど、何か別の方法がありそうに思えたのでとても意外でした。
日の光があたるあたたかい場所を望んで、日中に気持ちよさそうにお日さまを浴びます。
それは人間の健康法としても間違っていません。そして現代人が忘れがちなものだと思います。"
文学的センス
"わたしは著者のカズオ・イシグロさんの大ファンです。翻訳ではありますが前作を読んでいますし、英語版の書籍を持っているものや映画を見たものもあります。
本作『クララとお日さま』はノーベル文学賞受賞後のひとつめの長編です。
いつも以上に美しく胸を打たれる文章でした。
そして全てを簡単に読者に明け渡さず、ヴェールのかかった文章の中でなお、わたしたちに思考させることを忘れません。
その点は小説としての本作の偉大さを世界中に知らしめていると思います。"
クララとお日さまを読んでの感想やレビュー
"『クララとお日さま』は名作家、カズオ・イシグロさんの最新作であり、きっと代名詞のひとつとなることでしょう。
小説は少し先の世の中を映してくれる一面を持ちます。優秀な作家たちの描く世界はあながち間違った想像ではないからです。
我々の近未来をみてみませんか?
そしてその時、あなただったらクララと良い友達になれるだろうかと考えてみてください。
AFと素敵な家族になるために、と思いを馳せてみてください。
いただいた親切はどこかにお返しするべきであり、わたしたちは人間の生み出した機械や人工知能たちの上にふんぞりかえるほど素晴らしい存在ではありません。"
#読了
カズオ・イシグロ/土屋政雄訳『クララとお日さま』粗筋だけ見ると月並みな物語に感じられるが、そこは名匠イシグロ、シンプルなプロットの中にも複雑な主題が織り込まれている。人間の心、深奥を探求するという文学の命題において、AIの可能性は創作者に様々な足掛かりを与えているのだろう。 pic.twitter.com/6P5G0NhohC
— ヘラジカ (@herasika1025) March 2, 2021
カズオ・イシグロの新作『クララとお日さま』を読了。病弱な少女ジョジーがAIのクララと出会い、別れるまでの物語。人間はデータの集積にすぎないのか?能力主義が格差を生んでいるのではないか?献身的なクララの独白を通して考えます。ああ、胸が痛むよ…文字数足りない。YouTubeで語ろう。#読了 pic.twitter.com/vg0PQuHLmg
— 文学YouTuberベル@おすすめ本紹介 (@belle_youtube) May 9, 2021
クララとお日さまがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 重厚なストーリーが苦手な人
- 活字が苦手な人
- ノーベル文学賞的な文学が苦手な人
- なし
- なし
"かなりテーマが深くて安易には読むことができない小説だと思います。それでもとても面白いので、ぜひチャレンジをしてみて欲しいですが、段階を踏む必要があるかもしれません。
まずはテーマの大きくて深い物語のたのしみかたを知ること。
そしてカズオ・イシグロさん、もしくは他のノーベル文学賞作家たちの著名作を読んでみること。
また他の人の感想をあらかじめ調べてみるのも良いかもしれませんが、あまりに勢いで飛び込んで堪能できる小説ではないかもしれません。"
クララとお日さまをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 世界の翻訳文学を読んでみたい人
- 機械、工業の世界で働く人
- こどもが好きな人
- 小説を読むことが好きな人
- 小説から色々なことを考えるのが好きな人
"まず、機械や工業にまつわる仕事をする人にはぜひ興味を持っていただきたいと思います。
このクララの心情をどう読みますか?あなたは業界としてどのような心意気で仕事をされていますか?そのようなことを問うきっかけになるでしょう。
またこどもが好きな人には、小さな子もAFも等しく人間である様をぜひ読んでほしいと思います。
なにより小説を読んで思考をすることが好きな人へは自信を持っておすすめします。
さまざまな視点から、あなたの日常へ繋がるルートがたくさん見えることと思います。その時に見つめ直すも無視するも読者次第です。
これを読む人の一体誰が、自分はこんなことをしないと言い切れましょう。"