文学・評論 エッセー・随筆

【本要約】おおきなかぶ、むずかしいアボカド村上ラヂオ2の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2

ジャンル: 文学・評論, エッセー・随筆

著者: 村上春樹

出版社: マガジンハウス

発売日: 2011/7/7

本の長さ: 224ページ

10.
総合
10
読みやすさ
10
学び
10
面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:ざるそばはシーザーズ・サラダである
  • 2:三島由紀夫も太宰治も、同じ思いをした
  • 3:大事に至って小事となす

神奈川県にお住いのペンネームtetori9さん37歳男性(職業:その他)から2021年6月頃に読まれたおおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2を読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2の内容

日本で一番有名な小説家である村上春樹さんによるエッセイ集です。どのようなエッセイが収められているかと言うと、春樹さんは本業が小説の方なので、エッセイは基本的にビール会社が作るウーロン茶みたいなものだと考えている、と述べています。しかし、本職でないからといって、もちろん手を抜く事はできないので、いったんウーロン茶を作るからには、日本で一番おいしいウーロン茶を目指して書きました、と説明。要は、ここに収められているエッセイ達が、優れたウーロン茶になるように書いたそうです。

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2の著者について

著者:村上春樹春樹さんがどのような方なのか、という事については、春樹さんが本文中で説明しています。普通の人は、学校を卒業し、就職し、それから結婚するものだけれど、春樹さんの場合は全く逆で、結婚してから仕事を始め、その後で大学を卒業した、という事です。

結婚するためのお金はどうするんだ、大学を卒業しないでどうやって仕事をしていたんだ、と興味が湧くエピソードですが、これなどは大変面白くてどのような人生を歩んでいたらこのような順番になるんだ、と思いました。しかし、実際そうなっている所に彼の非凡さが表れていると思いますし、面白い所だと思いました。

Youtube

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おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:ざるそばはシーザーズ・サラダである
  • 2:三島由紀夫も太宰治も、同じ思いをした
  • 3:大事に至って小事となす

日本一小説を書くのが上手い方が書いたエッセイ集です。では、具体的にどのようなエッセーが並んでいるかと言うと、その中のひとつとして、ホームレスが1ドルをもらう話、というものがあります。

春樹さんが、ホノルルに滞在している時、「ハンバーガーが食べたいので1ドルくれませんか」とホームレスに言われたそうです。普通なら「1ドルくれませんか」と言われるだけの所ですが、このホームレスは、ハンバーガーが食べたいという具体的な理由を述べて春樹さんの興味を引いたので、1ドルを上げた、という話が載っています。

これなどは面白い話であり、ホームレスの言い方の勝利だと思うのですが、言い方を変えるだけで、これほど印象が違うのか、という好例でもあると思いました。

ざるそばはシーザーズ・サラダである

昼ご飯は、ざるそばでいいかな、と思う時がありますが、その海外版は、シーザーズ・サラダだ、と春樹さんは言っています。シーザーズ・サラダを食べた時の感覚は、ざるそばを食べた時の感覚と同じような摂取感が得られるそうです。

これなどは、いまいち想像できない所もありますが、面白い指摘だと思いました。

また、ハーバード大学の近くのレストランには、「脱構築シーザーズ・サラダ」というメニューがあって面白いと紹介されていて、これなどは、いかにも知的な雰囲気があって面白いな、と思いました。

要するに、バラバラになった材料が出てきて、後は自分で組み立ててください、というサラダらしいのですが、これを応用すれば、面白いメニューを作れそうだと思いました。

例えば、三次関数を用いて理想的なゆで時間を割り出したオリジナルパスタ、とか、三次方程式から割り出された材料の配合で作られた「数式あんぱん」とか、面白そうで良いですよね。このような面白そうな組み合わせを作り出す方法についてもエッセイから学ぶ事ができたような気がします。

三島由紀夫も太宰治も、同じ思いをした

若き日の三島由紀夫は、太宰治の所に行って「あなたの文学は嫌いです」と言ったそうです。その後、三島由紀夫が有名になってから、彼の所にも「あなたの文学は嫌いです」という学生が来るようになったそうです。

太宰治は、その時、「そんな事を言ったって、こうして来ているんだから、やっぱり好きなんだよな」と言ったそうですし、三島由紀夫は、大人らしく笑ってすり抜けるか、聞こえないふりをしたそうです。

この辺りに、二人の対応の仕方の違いが表れていて面白いな、と思ったのですが、それと同時に二人とも大人だな、と思いました。

私なら、怒って「そんな事あるか、面白いに決まっている!」と駄々をこねてしまうか、ショックで三日くらい寝込んでしまうと思うのですが、そのあたり、本物の文豪は、精神ができているな、と思いました。

また、そのような対応のできる文豪の文学だから面白いのではないか、と思いましたし、そのような精神が表れたのが彼らの文学であると思われるので、そのあたりの関連性も含めて考えると、面白い部分もあるな、と思いました。

大事に至って小事となす

プーシキンの作品に、サクランボを食べながら決闘に表れた士官の小説があるそうです。

決闘は、当然生死をかけた真剣勝負であるのに、その士官は、拳銃を撃つときもサクランボを食べていて、時々種を吐き出しながら決闘している。命をかけた果し合いも、この士官には日常の一コマでしかないのだ。自分が今朝このまま命を落とすかもしれないという事すら、人生の些細なエピソードに過ぎないようだ。ここで、相手はひどく侮辱されたように思ったそうです。

しかし、個人的に、ここには、決闘をする上で事を有利に進める奥義が秘められていると思いました。サクランボを食べている事で、身体はリラックスした状態になりますし、精神的にも安定します。しかも、相手を怒らせることが出来るので、相手にとってはマイナスになります。

このように、大事の時にそれを日常の一コマであるかのように過ごす事ができるというのは、戦いの奥義であると思いますし、力を発揮する上で重要なポイントであると思います。

人は、リラックスしている時に、最も安定した力を出す事ができますが、この士官はあえてサクランボを食べている事で、それを実現したのではないか、と思いました。

このように、大事に至って小事となす事は、物事を有利に進める大切なポイントであると思いますし、分かりにくいやり方ですが、この士官はそれを実践しているのではないか、と思いました。

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2を読んでの感想やレビュー

春樹さんは、神宮球場に野球を見に行った帰りに、外苑通りのバー「アルクール」によく飲みに行ったそうです。そこで、その時考えた適当な名前のカクテルをバーテンダーに注文してみると、バーテンダーは顔色ひとつ変えずに適当なカクテルを作って出してくれた。変わった店だったそうです。

しかし、面白いですよね。このようなやりとりは。しゃれているし、楽しいし、そこからは、春樹さんが人間同士のコミュニケーションに優れた生粋の文章書きであるという事が伝わってきました。

そして、そのようなおしゃれな人間関係が構築されている世界があるという事に驚きましたし、自分の周りの世界の小ささに思い至ったような気がします。

世界は広く大きい。この小さなエッセイ本からは、そのような事を学べたような気がしました。

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • おしゃれな文章が苦手な方
  • 味のある挿絵を上手く楽しめない方
  • 時々下品な話があるので、そういった方面が苦手な方
  • エッセイに役に立つ要素を求めていない方
  • 洗練された雰囲気よりも、力強い文章が好きな方

春樹さんの文章に共通する事ですが、とても洗練されていて独特の雰囲気が伝わってくるので、その春樹さんオーラが好きになれない方には、このエッセイ集も楽しめないかも知れません。また、挿絵に味があり、雰囲気があっていいのですが、これは人を選ぶ画風だと思うので、そこで好き嫌いが出てきそうだと思いました。

また、エッセイというのは、そこに役立つ効能のようなものを求めてはならず、単純な読み物としてのみ機能すべきだ、と考えている純粋なエッセイ読みには、合わない部分もあると思います。

しかし、100人いたら99人は楽しめる内容になっていると思いますし、優れたエッセイである事は間違いないので、個人的にはとてもおすすめできる内容になっていると思いました。

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 気軽に楽しい読み物をしたい方
  • 得る物のある読み物をしたい方
  • 小説家の書くエッセイに興味のある方
  • エッセイの最高峰がどのようなものであるか体験したい方
  • 面白いアイディアの数々を体験したい方

春樹さんは、このエッセイ集をビール会社が作るウーロン茶みたいなものだと考えているそうですが、そのウーロン茶が果てしなく美味しく出来上がっています。やるからには日本一美味しいウーロン茶を目指すと書いていますが、まさしく日本一美味しいウーロン茶になっていると思います。

気軽に読めて、得る物があり、面白いアイディアの数々を体験できるので、面白い読み物に興味のある方なら万人におすすめしたい優れた一品に仕上がっていると思います。

一ドルを上手く手に入れる方法から、決闘で平常心を保つ意外な方法まで、様々な内容のエッセイを楽しむ事ができますし、それを自身の生活に応用できる要素も含まれていますので、そういった意味でも優れた一冊だと思います。







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