ノンフィクション

【本要約】捏造の科学者STAP細胞事件の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

捏造の科学者STAP細胞事件

ジャンル: ノンフィクション

著者: 須田桃子 氏

出版社: 文藝春秋

発売日: ‎2018/10/6

本の長さ: 468ページ

8

総合

8

読みやすさ

8

学び

8

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:主人公の小保方晴子氏、彼女が今回のSTAP細胞、STAP研究に携わることになった裏側の経緯は非常に興味深く学べた。そこには色々な人間関係が見え隠れしており、非常に関心を覚えた。
  • 2:STAP細胞が図説を示して書かれており生命科学に慣れ親しんでいない方にもかなりわかりやすく、中盤以降に続くSTAP騒動の裏側が一般の方々にも伝わりわかりやすい内容になっている。
  • 3: 当時の研究員、ユニットリーダーが取材される側として詳細に書かれている。生命科学の表だけでなく裏側が著者の視点で深く斬られている箇所も学べるポイントである。

奈良県にお住いのペンネームまっさんさん48歳男性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年1月頃に読まれた捏造の科学者STAP細胞事件を読まれたレビューになります。

捏造の科学者STAP細胞事件の内容

数年前に社会問題として世間を騒がせた例神戸にある生命科学理化学研究所、いわゆるCDBのサブユニット研究員リーダーの小保方晴子氏のSTAP細胞、STAP騒動に関しての書籍である。実際にSTAP研究に関わった人々から直接にインタビューや、メールや電話にて取材し、さらに著者の意見も兼ねた内容である。ハードカバーで、383ページもあるかなりのボリュームであるが、それ故に読みごたえのある良書である。元々は毎日新聞に毎週連載されていたものであり、それを加筆修正して単行本として書籍化されたものである。

捏造の科学者STAP細胞事件の著者について

著者:須田桃子 氏
前職は毎日新聞の科学部門の記者であり、当新聞にサイエンスに関する連載を行っていた。数年前に毎日新聞を退職し、NewsPicksに移籍し現在は副編集長として活躍している。今回の著書において「第46回大宅壮一ノンフィクション賞」、を獲得しているまだ40代の若手の新進気鋭の女性ジャーナリストである、

捏造の科学者STAP細胞事件本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:主人公の小保方晴子氏、彼女が今回のSTAP細胞、STAP研究に携わることになった裏側の経緯は非常に興味深く学べた。そこには色々な人間関係が見え隠れしており、非常に関心を覚えた。
  • 2:STAP細胞が図説を示して書かれており生命科学に慣れ親しんでいない方にもかなりわかりやすく、中盤以降に続くSTAP騒動の裏側が一般の方々にも伝わりわかりやすい内容になっている。
  • 3: 当時の研究員、ユニットリーダーが取材される側として詳細に書かれている。生命科学の表だけでなく裏側が著者の視点で深く斬られている箇所も学べるポイントである。

著書のタイトル通り、「捏造の科学者」として報道され世間を騒がせた元理研CDBユニットリーダーの小保方晴子氏についての経歴の紹介や、STAP細胞そのものについての解説、また彼女が関わったSTAP細胞、STAP研究の裏側、その研究に関わったCDBの職員、研究員、ユニットリーダーから直接にインタビュー取材、メールや電話での取材を敢行し、それを基にして執筆した内容である。かなりSTAP騒動の裏側を深く斬り込んだ、事実に基づいたノンフィクションの書籍である、

主人公の小保方晴子氏、彼女が今回のSTAP細胞、STAP研究に携わることになった裏側の経緯は非常に興味深く学べた。そこには色々な人間関係が見え隠れしており、非常に関心を覚えた。

理化学研究所は日本で最大級レベルの官民一体型の世界的な研究機関である。私自身も大学時代、大学院時代には生命科学を専攻していたことから、神戸理研の存在や、どのような研究テーマに携わっているかはそれなりに知識はあった。しかし、そこで働く職員、研究者やユニットリーダーの裏側の顔や人間的な部分をもちろん知ることはなかった。我々とはほど遠い世界と思われるエリート研究者の方々も、我々と同じようないち人間の生々しさや人間臭さを持っている点において非常に興味深く勉強になった。

STAP細胞が図説を示して書かれており生命科学に慣れ親しんでいない方にもかなりわかりやすく、中盤以降に続くSTAP騒動の裏側が一般の方々にも伝わりわかりやすい内容になっている。

著書の須田桃子氏の生き方に共感を覚えて勉強になった。本書は彼女自身が毎日新聞に連載していたものであり、今回、書籍化になる以前から、同世代ということも手伝って、個人的には彼女の経歴や考え方、生命科学への造詣の念や、サイエンスの将来への警告を鳴らす価値観にとても興味があった。彼女は理工学部出身であるにもかかわらず、新聞記者としての道を歩み、現在は科学ジャーナリストとして活躍している。本書において、小保方氏やその関係者に直接に電話取材やメール取材を行っている、また時には会って話を聞き出している。いわゆるアナログ的な泥臭い体当たり的な取材をしており、科学ジャーナリストとしての斬り込み方に関心を覚えて非常に勉強になった。

 当時の研究員、ユニットリーダーが取材される側として詳細に書かれている。生命科学の表だけでなく裏側が著者の視点で深く斬られている箇所も学べるポイントである。

著書の主人公の小保方晴子氏、彼女自身の経歴、考え方、パーソナリティに非常に元々興味を持っていたことが、本書を選択した理由のひとつでもある。一般的に研究室の主宰者、いわゆるユニットリーダーになるのには、どんなに早くても40代後半から50代前半とされていると聞く。理化学研究所のような巨大エリート集団の中で彼女は30歳でリーダーになっている。その経緯には、アメリカでの留学先のバカンティ教授のSTAP細胞への非常に強い執念が見え隠れしており、彼女自身の才能以上の、「別の何かの政治的な力」が働いたようにも感じる。その他に研究者たちの嫉妬なども見え隠れしており、エリート集団たちの人間臭さをまた学ぶことができた。

捏造の科学者STAP細胞事件を読んでの感想やレビュー

本書は数年前の当時、世間を巻き込み騒がしたいわゆる「STAP騒動」の裏側の部分を非常に生々しく描いた書籍である。質、量ともにかなりボリュームある著書であり、当初は読了できるか多少の不安があった。しかし導入部分にはSTAP細胞の図説入りの丁寧な説明があり、その後、小保方氏の紹介や経歴、彼女に関わる研究者や施設長が詳細に描かれている。そのため、読み進めていくうちに、全てが真実の内容でありながらも、理化学研究所を舞台にした「ヒューマンドキュメンタリードラマ」に惹き込まれていく、いい意味での錯覚を覚え、ストレス感じることなく読了することができた。本書は生命科学に関わる方や、サイエンスに身を置いている大学生はもちろんのこと、サイエンスに疎い方や、理系分野に対してやや拒否感がある方にも十分におすすめできる良書であると自信を持って思う。

捏造の科学者STAP細胞事件がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • かなりのボリュームであることから、STAP騒動をコジップ的に捉えている方は読了が難しい。
  • 彼女の独断的な意見が多く素直に受け入れられない人はストレスを感じられる可能性が高い
  • 取材の引用の箇所は生々しい表現が見受けられ普段は優しい本を読まれている方にはおすすめしない
  • ハードカバーでかなり厚みのある本であり通学通勤に携帯して読みすすめる方にはおすすめしない。
  • 女性ならではの視点が多く男尊女卑的な思想を持っている方はストレスとなると思われおすすめしない。

著者の須田桃子氏は、現在もなお新進気鋭の女性若手ジャーナリストで大活躍している。彼女自身のこだわりでもある、アナログな体当たり的で直接的な取材やインタビューを行っており、その取材箇所は一部抜粋はあるものの、ほぼ発言者の回答をそのままで引用されている。それ故にかなりドロドロした生々しい表現が多い。またその取材内容に対しての彼女自身の考え方や、時には痛烈な意見や批判も書かれているが、それは私自身は本質的であると思う。しかし逆にSTAP細胞、STAP騒動そのものをワイドショーレベルでしか興味ない方には読了が難しく、本書のボリュームの多さがかなりのストレスとなるものと思われためにおすすめできない。

捏造の科学者STAP細胞事件をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • STAP細胞の図説などが書かれているために、理系以外の方にも十分におすすめである。
  • 女性が主人公であり研究室の主宰者であることからキャリア志向の高い女性にも勧められる。
  •  小保方氏が若いリーダーであることから生命科学系の学生に勇気を与えることもポイントである。
  • 著者が理系出身女性のため、同じ立場の女性に科学ジャーナリスとして生きる道しるべとなっている。
  • 舞台は理研という研究機関であるが人間の裏側がありドキュメンタリー好きな方にもおすすめである。

本書は383ページというかなりのボリュームであるが、その内容は起承転結がしっかりとおさえられており、読了することにそれほどストレスを感じない。その理由は本書の序盤にSTAP細胞そのものの説明が、図説入りで描かれている点が多くあると思う。さらに、多くの方は今回のSTAP騒動に関しては報道というより、情報番組やワイドショーから知ることが多く、小保方晴子という彼女自身のキャラクターばかりが必要以上に取り上げられ、個人的にはかなり辟易してたのであるが、本書は中盤以降の独自取材やインタビュー、それに対する彼女自身のサイエンスに対する考え方、意見、批判、将来への警告などが詳細に描かれている点においておすすめできる良書である。







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