ご紹介する本
日本国史 上
ジャンル: ノンフィクション, 歴史・地理・旅行記
著者: 田中英道
出版社: 扶桑社
発売日: 2022/3/12
本の長さ: 189ページ
この本から学べるポイント
- 1:古代日本史の疑問点に関する解決の仕方
- 2:教科書の歴史の信憑性
- 3:歴史の重要性
東京都にお住いのペンネームTAKEさん46歳男性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2022年11月頃に読まれた日本国史 上を読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
日本国史 上の内容
日本国史(上)では、日本国の古代史から足利幕府時代までが書かれています。日本史といえば、誰でも学生時代に勉強しており、何の疑いもなく日本史の教科書に書いてあることが真実であると思っています。もちろん、正しい部分もあるのですが、世の中に出て様々な経験をしていく中で、これはちょっとおかしいのではと感じることも増えてきます。そんな日本史の教科書に書いてあったことに対する疑問について、本書はわかりやすく解明してくれています。
日本国史 上の著者について
著者:田中英道東北大学の名誉教授でフランス。イタリア美術史研究の第一人者です。また、日本独自の文化・歴史の重要性を指摘し、日本国史学会の代表も務めています。
Youtube
田中英道「日本の国柄(くにがら)とは何か」日本安全保障フォーラム新年講演会 令和5年1月22日(2023/01/22)
日本国史 上本の要約
この本から学べるポイント
- 1:古代日本史の疑問点に関する解決の仕方
- 2:教科書の歴史の信憑性
- 3:歴史の重要性
教科書で習ったはずの日本史の内容に少しでも疑問を感じたことのある方なら、その疑問点を解消してくれる歴史書です。近年、三内丸山遺跡をはじめとして多くの縄文遺跡が日本中から発掘されていますが、日本史の教科書では古代史についてはあまり多くは語られていません。卑弥呼の時代以前については、これほど多くの遺跡があるにもかかわらず語られることはほとんどありません。それは何故なのか?本当に卑弥呼って存在していたのか?など多くの疑問に本書は明確に回答します。
古代日本史の疑問点に関する解決の仕方
我が国における最古の書物である「古事記」や「日本書紀」について、教科書で言葉自体は習いますが、その内容についてはほとんど習うことはなく空想の物語だと思っている方が多いでしょう。日本の古代史を研究する際には非常に重要な書物であるのに、あたかも空想の世界の神話のように扱われています。日本史の教科書では、卑弥呼の時代からいきなり神武天皇が出てきて天皇制が日本に登場したよう記載されています。しかし、古事記や日本書紀には卑弥呼は登場しませんが、神武天皇の東征については詳しく書かれています。
教科書の歴史の信憑性
学生時代に日本史を学習しましたが、あくまで受験のために一生懸命暗記したというところで、その信憑性については全く疑うことはありませんでした。教科書に嘘が書かれるはずがないと信じていたからです。ところが、世の中に出ていろんな考え方に接するにつれて、教科書に書いてあったことが疑わしく感じることも増えていきました。本書を読むことで損な疑問点が一つ一つ解明されていくようで非常に興味深く読ませてもらいました。日本史については詳しいつもりでしたが、本書ではこれまで触れたこともないような歴史的事実を知ることになりました。
歴史の重要性
賢者は歴史に学ぶといいますが、その歴史の認識自体が間違っていると本末転倒ということになります。ひょっとすると、多くの日本人は多くの歴史を知らないままになっているのではないでしょうか?本書で興味深かった内容の一つに「遣唐使」の事実があります。遣唐使といえば、阿倍仲麻呂や空海など多くの日本人留学生が知識を得るために命懸けで唐に渡ったということを学びました。もちろん、これは事実ですが、もう一つの事実としては唐からも多くの留学生が日本に命懸けで渡ってきたということです。
日本国史 上を読んでの感想やレビュー
本書では、古代史から足利幕府時代までが扱われており、同書の「下」で安土桃山時代以降が扱われています。まずは古代史についての疑問が明確になったところで、次はどうなるのという期待が非常に強くなります。戦国時代とは、また江戸時代、明治維新って本当などうなの?など多くの日本史に対する疑問がでてきます。これまであまり触れられることのなかった日本史の疑問点が明確に解決していくようで非常に楽しみながら読んでいくことができました。
日本国史 上がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 歴史の勉強はもうこりごりという人
- 陰謀論が嫌いな人
- 新聞に書いてあることが正しいと感じている人
- 日本史に興味がない人
- なし
日本史が好きな方には基本的にすべての人におすすめですが、最近はやりの陰謀論には全く関心がない、あるいは歴史の勉強自体が好きではないという人にはあまりおすすめではありません。また、筆者は何も完全な歴史修正主義者というわけではなく、元々は美術・文化史の研究家でありますので、日本の美術・文化史について多くのページが費やされています。完全な歴史修正面だけを期待していると、少しあてが外れるかもしれません。トータル的に日本史を見ていこうという学術的な態度で執筆されています。
日本国史 上をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 日本史の教科書に疑いも持つ人
- 歴史好きな人
- 古代史を勉強したい人
- 卑弥呼の存在を疑っている人
- 天皇制について勉強したい人
第2次世界大戦前までの日本史の教科書と、戦後の日本史の教科書が大きくその内容が異なっているのは皆さんご存知でしょう。そして、筆者も含めて大半の人が、戦前の教科書が誤りであり、戦後の教科書こそが正しいものだと信じていました。ところが、戦後70年を過ぎたあたりから、必ずしもそうではないとする歴史学者が増えてきています。欧米では国の歴史とは戦勝国の歴史であるといわれていますが、そうなる、これまで真実だと信じてきた戦後の日本史の教科書も戦勝国の歴史と考えざるを得なくなります。だから戦後の歴史認識が正しいのだとは言いませんが、もう一度正しく検証していくことは必要でしょう。