ご紹介する本
Essential Grammar in Use
ジャンル: ノンフィクション
著者: Raymond Murphy
出版社: Cambridge University Press
発売日: 2015/3/26
本の長さ: 320ページ
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:英語というのはどういう構造でものを考える言語なのかということ。
- 2:文法というのは説明を理解しただけではダメだということ。
- 3:毎日コツコツ英語について理解していけば、英語は怖いものではなくなるということ。
奈良県にお住いのペンネームあさひさん42歳女性(職業:専業主婦(主夫)?)から2021年1月頃に読まれたEssential Grammar in Useを読まれたレビューになります。
Essential Grammar in Useの内容
英文法の基礎の基礎が書かれています。見開き左半分は英文法について英語で書かれてあり、右半分は練習問題になっています。
有名なのはEnglish Grammar In Useという青い本ですが、それよりもっと簡単に分かりやすく書かれています。本書の中で使われている単語は簡単なものばかりなので、英語に自信がない人でもつまずかず読み進めることができます。ケンブリッジ大学出版局から出ている洋書なので、日本で売られている文法書とは並びや区分が違うところも本書のポイントだと思います。
Essential Grammar in Useの著者について
著者:Raymond Murphy
イギリスとドイツで17年英語教師として活躍し、1988年からはELT専門に著作されています。世界的ベストセラー英文法書「Grammar in Use」シリーズの執筆者。
Essential Grammar in Use本の要約
この本から学べるポイント
- 1:英語というのはどういう構造でものを考える言語なのかということ。
- 2:文法というのは説明を理解しただけではダメだということ。
- 3:毎日コツコツ英語について理解していけば、英語は怖いものではなくなるということ。
日本の文法書だと「中学三年間の文法」というのが長所級の謳い文句だと思いますが、本書では「英語の基礎」という区分になっています。英語というものがどういう言語なのか、A(いろはのい)から叩き込んでくれる本です。なので、中学三年間では出て来ないけれど英語の基本として知っておいた方が良いことが出揃っています。また、半分は文法解説、半分は練習問題という構成によって、学んだ文法の用法までしっかり理解を深めることができます。
英語というのはどういう構造でものを考える言語なのかということ。
とにかく英語に対して苦手意識があり、「英語怖い!」という思いがありましたが、この本を熟読し問題を解くことで、英語というものの根っこが理解できるようになってきたと思います。例えば「今日は天気がいいですね」=「It's fine day today」の「It」の正体が明らかにされるということです。得体の知れない、なぜそんなことになるのかわからなかったこと、「だって英語はそういう言語だから」で片付けられてきたことが英国人によってちゃんと説明されることで長年の霧が晴れたような気分になりました。
文法というのは説明を理解しただけではダメだということ。
左半分が文法解説、右半分が練習問題になっていることで、解説を読んだだけでは理解できなかったことを理解することができます。英語を話せるようになるためには練習問題をやっても無駄だという考え方もありますが、本書の練習問題では話す練習をするのに近い体験ができたと思います。実際に使ってみる体験です。例えば定冠詞、不定冠詞の分類についての解説を読んだとしても、「そういうふうに分けるんだー」という知識で終わってしまいますが、そのあと実際に定冠詞か不定冠詞かを分けながら文章を作る問題に取り組むことで英語話者が無意識にそれらを分類していく過程を追体験できるのです。これをすることで、英語話者のものの考え方、文の組み立て方についてより深く知る(体験する)ことができます。s
毎日コツコツ英語について理解していけば、英語は怖いものではなくなるということ。
この本はサイズも大きいですし、文字も小さいです。40課以上に分かれていて、全てに取り組もうとすると、英語に苦手意識のある人間にとっては結構な高さのあるハードルになってしまいます。私の場合、1日1課を朝にこなしました。1課を終わらすのに1時間かかりました。そして、これを2周繰り返しました。すると、街中で出会う英語、動画で流れる英語、Twitterで流れてくる英語に抵抗が無くなったのです。「聞いてみる」「読んでみる」ということを自然に行うことができるようになりました。英語を見るや否や目を逸らしていた自分、嫌悪感を感じていた自分からの脱却は、私にとっては大きいです。
Essential Grammar in Useを読んでの感想やレビュー
英語苦手意識を克服できた恩のある本です。本当にありがたいと思っています。コロナ禍で家にいる時間が増えて、取り組んでみたことの中で一番大きな体験となりました。これからは単語量を増やしたり、発音の練習をしてみたり、たくさん文を作ってみたり、という勉強法に移行できます。まずは英語が嫌だという意識を取り除く、それを実現してくれた本です。そして、コツコツ続けるとことに対する苦手意識も取り除いてくれました。どんどん分かってくる楽しさ、快感。これは英語以外のすべてのことに応用できる財産です。
Essential Grammar in Useがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 中高の英文法がしっかり分かっている人。
- 大学受験のために英語をしっかり勉強した人。
- 毎日コツコツ勉強を進めるクセがすでに付いている人。
- 英語が苦手でも仕方ないと思っている人。
- 英語を学ぶ楽しさを知っている人。
ある程度英文法の知識がしっかりしている人にはお勧めしません。本当に基礎の基礎です。(でも根本を知りたいという人には向いていると思います)また、単語量がすでにある方は青本「English grammar in Use」から取り組んだ方が効率が良いと思います。単語でどうしても引っかかってしまう人に向いている本だからです。コツコツ勉強する癖がついている人も、おそらくこのレベルの本では逆に効率が悪いかも知れません。できない人がコツコツやる快感を知るのに適した本だと思うからです。
Essential Grammar in Useをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 英語がとにかく苦手、見るのも嫌という人。
- 英語が苦手な自分を辞めたい人。
- 中学英語すら怪しいという人。
- でも中学高校は英語の授業を受けてきたという人。
- コツコツ取り組むのが苦手な人。
中学、高校で英語の授業を受けてきて、その間に習った単語はなんとなく頭に残っているというレベル、言われればそんな話授業で聞いたことあるぞというおぼろげな記憶があるレベルならつまづく事なく読み進めることができると思います。青本「English grammar in use」では使われる単語の難易度がグッと上がってしまうため、解説を読むために辞書を引きまくらなければならず、私は挫折しました。でもこちらの赤本「Essential grammar in use」ではそういう余計な引っ掛かりがありませんでした。コツコツ続けるのが苦手な私が何とか続けて、2周することができたというのは自信につながります。