ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:自分の気持ちを素直に伝えることの大切さ
- 2:自立することの大切さ
- 3:自己肯定感を持つことの大切さ
神奈川県にお住いのペンネームありんこさん34歳女性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年3月頃に読まれた傲慢と善良を読まれたレビューになります。
傲慢と善良の内容
学生時代から恋人を欠かしたことがないような主人公の架は結婚となると腰がひけてしまい、結婚適齢期には恋人がいたものの結婚を渋っているうちに相手から愛想をつかされてしまい、それ以降はアプリで婚活をするようになり真実という恋人ができ婚約しますが、ある日婚約者の真実が行方不明になってしまい、以前からストーカーの被害を訴えていた真実を心配しながら架は真実の実家や職場に出向き、事件の真相を探りながら真実の過去や自分自身と向き合っていきます。
傲慢と善良の著者について
著者:辻村深月
山梨県出身で「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞しデビューし「鍵のない夢を見る」で第147回直木三十五賞を受賞し、思春期独特の揺れ動く気持ちなど若者の微妙な心情を描くのが得意な小説家です。
傲慢と善良本の要約
この本から学べるポイント
- 1:自分の気持ちを素直に伝えることの大切さ
- 2:自立することの大切さ
- 3:自己肯定感を持つことの大切さ
以前からストーカーの被害を訴えていた婚約者の真実が行方不明になってしまったことをきっかけに、主人公の架が真実のことを想い事件の真相を探っていく中で真実の過去を含めた人生に触れていき、真実の気持ちと自分自身の本当の気持ちと向き合っていく中で徐々に大切なものに気が付いていきます。真実の家族や架の友人など周囲の人物との関係性などそれぞれに対する態度や言動から新たな部分が見えてきて、前半と後半で展開が変わっていきます。
自分の気持ちを素直に伝えることの大切さ
真実と架のすれ違っていく様子を読んでいて、自分の気持ちを素直に伝えることの大切さを学びました。どんなに相手のことを想っていてもきちんと言葉にして伝えなければ伝わらないですし、態度で分かってもらおうとしたところで相手が正しくそれを受け取ってくれるとは限らないと強く感じました。また、大切な人がいつ自分の前から消えてしまって会えなくなってしまうか分からないと思うと、伝えたいことは素直に相手に伝えるべきだと思いました。
自立することの大切さ
真実と真実の母親の関係性を読んでいて、自立することの大切さを学びました。真実の母親は娘の進む道には必ず母親がいるのが当たり前で、娘に関するありとあらゆることを親である自分が決定し目の届くところに置いて管理し続けようとするような人で、反発を繰り返す姉が小さい頃から母親とバトルする姿を見ていたこともあり、妹である真実は良い子でいようとするあまりに自己を殺してしまい親の支配下に置かれてしまったようでしたが、共依存のようになってしまっていたので親から離れて自立することが大切だと思いました。
自己肯定感を持つことの大切さ
真実の自己肯定感の低いネガティブな部分を読んでいて、自己肯定感をしっかり持つことの大切さを学びました。真実は恋愛経験があまりなかったり母親との関係性などからあらゆることに自信がなかったりして自己肯定感が低いのですが、自己愛はありそれなりにプライドも高いため精神のバランスが崩れてしまったように思いました。自己愛とプライドを持つのなら、それなりに自己肯定感を高める努力をしなくてはいけないと感じました。
傲慢と善良を読んでの感想やレビュー
最初は恐ろしい事件の真相を暴いていくミステリーのような始まり方でハラハラドキドキしていましたが、読み進めていくうちにどんどん展開が変わっていき、前半と後半ではまるで別の小説のようになっていくのが面白かったです。主人公の架と真実のそれぞれの過去を知っていく段階で、自分の家族や友達や恋人との関係性や今まで人生の選択を自分自身でどのようにしてきたのかなど改めて考えさせられましたし、近くにいる大切な人に素直に想いを伝えられる人になりたいと思いました。
傲慢と善良がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 考えずにまず行動する人
- いつでもポジティブな人
- 家族のことで悩んだことのない人
- 人生の選択に迷ったことのない人
- 恋愛や結婚について深く考えたことのない人
恋愛や結婚について深く考えたことがなかったり本気で悩んだことのない人は主人公の架と真実の気持ちに寄り添うことが難しいと思いますし、いつでもポジティブであれこれ考えたりせずにまず行動できるような人は、自分に自信がもてずにいる真実の気持ちに全く共感することができないと思うので、真実の行動は理解できないどころかイライラしてしまう可能性が高いと思うため、あまりおすすめできません。また、家族について悩んだことのない人にも理解しづらい部分があると思います。
傲慢と善良をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 婚活をしたことがある人
- 結婚に踏み切れない人
- 親との関係性に悩んでいる人
- 自分に自信がなく自己肯定感が低い人
- 頭で考えてしまいなかなか行動できない人
婚活をしたことがあり結婚について本気で考えて迷ったり悩んだりしたことのある人は、主人公の架と真実に少しでも共感できたり共感はできなくてもその状況が理解できると思うのでイメージしやすく作品に感情移入しながら読めると思います。また、親の関係性に悩んでいる人は親からの自立について考えたことがあると思うので、真実とは状況が違っていても真実の気持ちを考えることができると思いますし、自信が持てずに自己肯定感が低い真実の気持ちに少しでも寄り添いながら読むことができると思います。