ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:知識としてはありましたが、今も残る生々しい差別の現実
- 2:イギリスの中学校は子供の演奏をCDにして売ったりと開放的なこと
- 3:アップタウンファンクを聞いてみました。
山口県にお住いのペンネーム百々竹さん48歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2021年8月頃に読まれた ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーを読まれたレビューになります。
ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーの内容
著者がイギリスや日本で感じた現在にも残る人種差別の断片を感じたままに書いていらっしゃいます。著者の息子がカトリックの小学校に通っている間は直接的に感じることのなかった人種の違い。カトリックの中学校ではなく地元の底辺中学校に進学したことから人種差別を目の当たりにすることになります。ご子息も黄色人種の血を引いているのでもちろんのこと、近くに住む貧しい人々や黒人が受ける差別、またそれを横で感じる思春期を迎える息子の心情なども綴られています。
ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーの著者について
著者:ブレイディみかこ
福岡県出身で現在はイギリス在住。大型ダンプ運転手のイギリス人のご主人とご子息の3人家族。ご両親は福岡にいらっしゃって日本語しか話せないお父様と英語しか話せないご子息(祖父と孫)は不思議とコミュニケーションが取れていて大の仲良しだそうです。
ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー本の要約
この本から学べるポイント
- 1:知識としてはありましたが、今も残る生々しい差別の現実
- 2:イギリスの中学校は子供の演奏をCDにして売ったりと開放的なこと
- 3:アップタウンファンクを聞いてみました。
息子が地元の底辺中学校に通うことになったこと。入学式はないけどミュージカルのオーディションがいきなりあること。息子が主役に抜擢されたこと。クリスマスには地元公営住宅に住んでいる生徒が讃美歌やゴスペルの代わりにラップを披露したこと。そのラップの内容もものすごく不幸でハードな内容なんだけど、拍手喝さいを浴びたこと。通学手段に一つにとっても差別とまではいかないまでも微妙な心境になったりすること。スイミングプールに目をやるといつのまにか境界線ができていること。等々
知識としてはありましたが、今も残る生々しい差別の現実
日本でも社会や歴史の授業で習った差別を実際感じる場面というのは少なくなっていると思う。今は○○ハラスメントに代表されるようになんでも嫌な思いをした側が新しくハラスメントをつけて訴えている感じがする。単一民族の日本では昔からある根強い差別を感じることは少なくなってきたが、明らかに肌の色が違う、昔からある差別は世界に目を向けてみれば今もなお沢山あるということを学びました。また民族の風習等、詳しく知らないために誤解をしてしまったりすることなど勉強になりました。
イギリスの中学校は子供の演奏をCDにして売ったりと開放的なこと
自分の過ごしてきた地域でもPTAや子供会が主催となって作ったものを売ったり、仕入れてきたものに少し利をつけて売ったりして資金回収することは見てきたけれども、最近はどれも下火というかあまり見かけなくなった。どちらかというとクラウドファンディングの方が、企業でもネットでも広告が出ていて身近に感じるようになった。著者の息子が言通う元底辺中学校では、生徒の歌うラップや音楽部の演奏をCDに焼いて販売して利益を得ることが記載してあった。
アップタウンファンクを聞いてみました。
著者が息子の通う中学校を決める際、カトリックの中学校と地元の公立と見学に行くのですが、その際のエピソードで出てくるのが「アップタウンファンク」でした。いてもたってもいられずスマホで検索して聞いてみました。音楽自体は聞いたことがあったので、あーこの曲なのか、と思いました。イギリスの音楽と言えばビートルズ!一択だったので反省しました。この本を読んでからイギリスのミュージシャンの音楽を好んで聴くようになりました。
ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーを読んでの感想やレビュー
とっても面白かったです。さすが本屋大賞を受賞する作品だなと思いました。息子君にはぜひ日本語もその他言語も習得してお母さま同様グローバルに活躍してほしいと願ってしまいます。お母さまが中学生当時の事をこのように書面に残されて息子君にとっても幸せなことだと思いました。自分の子もいろいろ思うこともあるんだろうけど言葉に出ない子なので文面にするのは大変ですが、なるべくくみ取ってあげたいな、と思いました。若いころに体験する差別が好影響でありますように願わんばかりです。
ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 世界、外国に興味のない人。
- 差別に対して(寝た子を起こすな)と思っている人
- 日本から出たくない人
- 文字を読みたくない人
- 外国人が怖い人
結構昔学習した差別の記憶がよみがえってきたりするので、差別に対して嫌悪感を持っている人は読まない方が良いと思いました。外国に興味のない人も、想像に難く読んでも面白くないと思いました。自分は差別や戦争等負の歴史は常に学んでおかないと同じ過ちを繰り返すと信じています。知らない方が差別しない、と考えていらっしゃる方もいるのは承知しています。そのような考え方を持っている人には読んでほしくないです。イギリスの地方の事情等の記載もあるので興味ない人は読まなくていいと思いました。
ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルーをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 人種差別に興味のある人
- 思春期のお子さんの心境を知りたい人
- イギリスに興味のある人
- 世界を股にかけて活躍したい人
- 外国人と結婚しようと思っている人
日本にはない差別がいっぱい載っていて、それも具体的に細やかな心情までわかるように書いてあるから差別について知りたい人の取っ掛かりには良いと思いました。またその差別を実体験した中学生の息子君の心境も親から見た目線ではありますが細かに書かれていて共感もてました。イギリスの観光地ではないところの実情が書いてあるのでイギリスに興味がある人、これからイギリスに行く人、以前イギリスに住んでいた人、行ったことのある人にも面白く、懐かしく読めると思いました。