ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:自分の世界に対する思い込み
- 2:統計学の面白さ
- 3:データ活用の強み
北海道にお住いのペンネームしまさん31歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2021年1月頃に読まれたファクトフルネスを読まれたレビューになります。
ファクトフルネスの内容
サブタイトルに10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣。とある通り、あるアンケートをもとに自分が認識している世界観と現実を、データを使用して答え合わせしていく本です。アンケートには、世界の男女の教育の格差や、絶滅危惧種の動物についてなど幅広いジャンルが盛り込まれており、自分がこれまで勝手に思い込んできていたこと、経験上こうであるはずだ、と思ってきたものと現実との違いを着きつけられる衝撃の発見が続きます。
ファクトフルネスの著者について
著者:ハンス ロスリング
スウェーデン人の公衆衛生学者であり、本の他にもTEDtalkという海外の有名なスピーチ番組にも出演歴があります。
ファクトフルネス本の要約
この本から学べるポイント
- 1:自分の世界に対する思い込み
- 2:統計学の面白さ
- 3:データ活用の強み
本の冒頭に10のアンケートがあります。環境問題や経済格差など、公衆衛生にまつわる問題に選択肢の中から自分がこうであると思ったものを選ぶ形式です。そして続く章からは10の質問に対しての統計学的な答えと、どの国の人たちがどのように回答したのか、そこから何が見えてくるのかの解説が論理的に書かれています。総じて自分の考え方や価値観を世界の価値観の違い、教育の違いなどと比較することができる本となっています。
自分の世界に対する思い込み
私も筆者の問いかけの通り、最初に10のアンケートに回答しました。結果的にほとんどが統計学的な答えと異なっていました。しかしそれは不正解だから恥ずかしいのではなく、日本での教育が私の考え方をそのようにした部分、なに不自由なく暮らしてきたがために意識したことがない部分などがあることが見えてきたのです。世界に対する、または日本に対する、あらゆる領域において自分はかなりの誤解、偏見をもっていたのだという発見につながり興味深かったです。
統計学の面白さ
本のほとんどを占めるのは、いかなる質問がいかなる結果を示しているのか、という統計的な分析です。かといって堅苦しく計算が書かれているわけではなく、このような結論を導き出すためにはこのような質問をするのか、というような、いかに物事を客観的にみていくかが、統計学の要になっていることを発見し面白かったです。これまで統計学にはまるで興味がありませんでしたが、この本のように事実を知るというひとつの手段として活用されていたことが面白かったと思います。
データ活用の強み
データが全てではありませんが、この本を通して私は自分の価値観をもう一度客観視するきっかけができました。この本はビジネス書としても有益だなと感じたのですが、正しいデータで正しい分析をしたものには、強力な説得力が生じることと思います。こうあるべき、という偏見を崩したければ、またはこうしてほしいという要求を通してほしければ、なぜそれが誤っているのか、なぜその要求を受け入れるべきなのか主観ではなく客観的な理由を論じられることがいかに武器となるかを感じました。
ファクトフルネスを読んでの感想やレビュー
個人的には発見の連続だったので、久しぶりの読書でしたし人生で初めて小説ではない本を読んだのですが、非常に満足しています。私もこれまで、胡散臭いタイトルだな、と思ってビジネス的な本やハウツー物は避けて来ていました。この本はどのジャンルにもなんとも収まりにくい、ゆえに読みやすい本だったと思います。今後どのように役たてるかまで深刻に考えず、自分のこれまでの価値観や教育をふと見直してみるきっかけになるいい機会だったなと思っています。
ファクトフルネスがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 世界の情勢には興味がない
- 公衆衛生など興味がない
- ストーリー性のあるものが読みたい
- 自分で考える本は嫌い
- 分野に特化した専門書が好き
幅広い公衆衛生のジャンルを、いわば広く浅く紹介してくれる本なので、もっと専門的な内容にまで触れたいと思う方には物足りないかもしれません。またそもそもにして自分はこの質問にたいしてどう思うか、というような考えること自体疲れてしまって鬱陶しい、そんなことより特定の主人公が登場する物語が読みたい!という方にはもちろん向いていない本だと思います。まずは最初の10の質問を観てみて、興味が湧くかどうかで読むべきかどうかを判断して頂ければ良いと思います。
ファクトフルネスをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- ビジネスマンけ
- 経営者
- 学生
- 留学生
- 洋書を読みたい
ビジネスの場面でも役に立つ部分が多かったため、ぜひそのような方々に役立ててほしいなと思います。堅苦しいタイトルですが、実際は学生でも読みやすい本なので学生のうちからこのような世界観に触れるのもよい経験と思いました。ちなみに洋書も読んだことがありますが、さすがスピーチ上手な筆者のおかげで読みやすい単語で書かれており、1章ずつがさほど長くないので、英語中級者くらいであれば取りかかるのに非常によい本だと思います。