人文・思想

【本要約】人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学

ジャンル: 人文・思想

著者: ハンディ・グラント

出版社: 徳間書店

発売日: 2019/5/24

本の長さ: 232ページ

8

総合

8

読みやすさ

7

学び

9

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:なぜ頼み事はしづらいのか
  • 2:ドアインザフェイス
  • 3:ダメな頼み方

北海道にお住いのペンネーム晴れた日のお兄さんさん29歳男性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年10月頃に読まれた人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学を読まれたレビューになります。

人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学の内容

まず、いかに人はものを頼むことに躊躇し、頼み事をしても承諾されないと思うかが、心理学研究に基づいて述べられています。そして頼み事を引き受けたときに、引き受けた側がどれだけ幸福感を得られるのかを述べた上で、現実的に何故、頼み事を受けたのに幸福感を感じない、あるいは薄れることがあるのかの理由をエビデンスに基づき述べられ、頼み方によって相手の頼み事を引き受けたことで得られる幸福感を奪ってしまうことがあることを結論づけています。

人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学の著者について

著者:ハンディ・グラント
社会心理学者で、コロンビア大学のビジネススクールで副所長を務め、コロンビア大学で博士号を取得されている。

人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:なぜ頼み事はしづらいのか
  • 2:ドアインザフェイス
  • 3:ダメな頼み方

自分たちが頼み事をする際に断られるだろうなと思う2倍は、頼み事を引き受けてもらえると言うエビデンスに基づいた事実があるにもかかわらず、なぜ、頼み事をすることに人は躊躇してしまうのか。それは人にとって5つの脅威、それぞれステータスの脅威、確実性の脅威、自立性の脅威、関連性の脅威、公平性の脅威が肉体的な痛みと同等の社会的な痛みを引き起こすのが原因であり、故に頼み事を恐れてしまう。しかし、実際は頼み事を引き受けると幸福感が増すのだが、頼み方によって相手が積極的に助けたいと思う気持ちを奪ってしまう。大事なのは相手が自発的に助けたいと思うことで、助けなければならないという相手の自立性を奪うような頼み方は、頼み事を引き受けた側の幸福感を奪ってしまうことにつながるためそれを避ける方法をこの本は教えてくれます。

なぜ頼み事はしづらいのか

いくつかの心理的脅威が社会的な苦痛となり、それが肉体的な苦痛と同じように痛みを生じさせる。
心理的な脅威の一つに「確実性の脅威」がある。人は未来を予測したいと言う強い欲求があるが、それは自分で物事をコントロールしたいとも言える。頼み事としてこの脅威を見た時に、頼み事というものは自身で結果を決められない。つまり、コントロールできない事象なため確実性の脅威に脅かされ頼み事をしづらくなる要因になっています。

ドアインザフェイス

一度断られたら、譲歩し要求を下げてもう一度お願いすることで、頼み事を引き受けてもらえる可能性は高まります。なぜなら人は「私は人助けをする良い人間だ」という自己認識を保ちたい、つまり良い人でありたいと思う訳だが、一度断ることで自己認識を否定する結果となりそれが苦痛となってしまうからです。あくまで良い人でありたいと思う為、二度目の要求には応えることで、自らの自己認識を守ることで苦痛から解放されるのです。

ダメな頼み方

共感を得ることは助けてもらいやすくなる一つの要因となるが、度が過ぎた共感に頼りすぎると逆効果になってしまいます。グループ内で頼み事をする際、本来なら同じグループということで頼み事は受け入れられやすいが、何度も謝りながら頼むことで信頼感を損なってしまう結果になる。頼み事のメリット、信頼感を生むことが損なわれてしまいます。
頼み事の内容の楽しさをアピールしてはいけないです。なぜなら、相手は結果を先に知らされることでコントロールをされている感覚を覚え、自発的に助けることをしなくなってしまうからです。

人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学を読んでの感想やレビュー

頼み事がなぜしにくいのかが分かると、頼み事を躊躇しようとした時に、今これが不安だから自分は頼むことができていないんだなと、客観的にみることができます。逆に、私以外の誰かも頼みたいけど頼めない、そんな感情にあるという当たり前と言えば当たり前だけれど、意外と気づかない事実に気づかされました。上手な頼み方を学ぶこともできますが、視界を広く持ち、頼みたいけど…っていう方々に気づくことができれば、こちらから助けて自身が幸福感を得て、尚且つ信頼も得られるのではと思いました。

人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • プライドの塊みたいな人
  • 自己評価の高すぎる人
  • 人に頼ることが恥だと思う人
  • 頼まれごとなんてされたくないと思う人
  • 価値観を変えたくない人

自分のことはすべて自分でやらなきゃ気が済まないっていうような一直線な人、価値観を変えられない頑固者、頼まれごとなんて絶対いやという変わり者、そんな人がいるのであれば読まない方がいいでしょう。なぜなら、頼むということは人と人とを繋ぐ架け橋のようなものであるにもかかわらず、その橋を壊して一人で生きているような人達であり、共生というものを求めていない存在だと考えられるからです。そのような人に頼み事の魅力を伝えても、馬の耳に念仏というものです。

人に頼む技術: コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 頼めない人
  • 背負い込みすぎる人
  • 一人でこなそうとする人
  • 個人の仕事量の多い人
  • 責任感の強い人

5つのポイントをまとめると、簡単に言えば「頑張り屋」といえると思います。自分で背負い込みすぎ、それでも何とか自力で処理しなきゃと頑張ることも否定はしませんが、助けを求めることで人との信頼は強くなり、助けを求めるということは同時に人を幸せにすることにもつながる、本来はWin-Winなことなのです。助けてもらってハッピーで、相手も助けてハッピーで、自分の問題も解消されやすくなり良い事がたくさんあるにも関わらず、一人で黙々と頑張ることを美徳とするのはナンセンスだと思います。







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