ご紹介する本
なまえのないねこ
ジャンル: 絵本・児童書, 絵本
著者: 竹下文子さん
出版社: 小峰書店
発売日: 2019/4/25
本の長さ: 32ページ
この本から学べるポイント
- 1:動物も人間もずっとのおうち(家)は必要だということ
- 2:放置猫問題について考える必要があるということ
- 3:絵本は大人が読んでも感動するということ
千葉県にお住いのペンネームすばるさん55歳女性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2022年11月頃に読まれたなまえのないねこを読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
なまえのないねこの内容
児童向けの絵本です。名前のないノラネコが主人公です。パン屋さんの猫、八百屋さんの猫、お寺の猫、町の飼い猫たちはみんな自分の名前をもっていることををうらやましく思っています。どうして自分にはないのか?何かいい名前はないか?町をさまよいながらあれこれと考えます。そんなある雨の日、さみしい想いで公園のベンチの下であまやどりしているときに女の子が声をかけてきます。そして自分が本当に欲しかったものはなんだったのかに気づくという物語です。
なまえのないねこの著者について
著者:竹下文子さん福岡県生まれの絵本作家。ご主人は画家の鈴木まもるさん。ご夫婦共作での作品も多々あります。著書自身も猫を飼っているそうです。
Youtube
【ちよだ猫まつり2023】絵本:なまえのないねこ/竹下文子/町田尚子/踊る子猫
なまえのないねこ本の要約
この本から学べるポイント
- 1:動物も人間もずっとのおうち(家)は必要だということ
- 2:放置猫問題について考える必要があるということ
- 3:絵本は大人が読んでも感動するということ
「なまえのないねこ」という題名だ俗にいうノラネコのことを指していることはたやすく想像できますが、町を歩きながらノラネコの主人公が「あっちいけ」と邪険にされたり冷たくされる描写もありノラに対しての世間からの風当たりの強さも描かれています。冷たい雨の中で女の子と出会って気が付いた本当に欲しかったものとは「名前」じゃなくて「優しく名前を呼んでくれる人」なんだと気が付いたとき、初めて人間のあたたかさに触れます。
動物も人間もずっとのおうち(家)は必要だということ
野良猫、野良犬の問題は話題になってますが、人間と共存する動物にとっては安心して過ごせる場所は必要なんだと感じました。これは人間にとっても言えることです。邪険にされたり、いじめられたりすればどんどん意固地な気持ちになり、ほかの人を信じられなくなります。そして閉鎖的な性格にもなってしまいます。でもあたたかい言葉をかけてくれる優しい人に出会えたら、動物も人間も幸せな気持ちになるのは同じではないでしょうか。
放置猫問題について考える必要があるということ
保護犬や保護猫、動物の殺処分についても最近は話題になっています。私自身も猫を飼っていますが、保護猫施設から引きとりました。でもノラネコの数はなかなか減らず、この主人公のような生活をしている猫もたくさんいるでしょう。また彼らにとって何が幸せかを考えるとき、食べることに困らず寝る場所を確保できるずっとのおうちだけが幸せではないのではという意見もあります。すべての人が猫や犬を好きなわけではないので難しい問題だと思いました。
絵本は大人が読んでも感動するということ
この歳(55歳)になって、昔読んだ記憶のある童話や絵本が読みたくなり図書館に通い始めました。題名がわからなかったけど物語の一文だけ覚えているもの、小学校の国語の教科書に載って覚えのあるものなど少しずつ記憶を辿って本を探していくのが楽しい。そんな中で絵本はきれいな絵と簡潔な言葉であっという間に読み終えてしまいますが空想的な題材が多く読んでいる間は子供の気持ちに戻って主人公になりきることが楽しいですね。
なまえのないねこを読んでの感想やレビュー
繰り返しになりますが、絵本の面白さ、奥深さを改めて感じるとともに著者の猫に対するやさしさが表れている作品だと思います。もちろん名前が欲しいとおもっている猫は実際にはいないのかもしれません。人間の身勝手な見方、考えによって物語が成り立っているのかもしれません。でも、所詮小説も童話もドラマもみんなフィクションであり空想であり妄想でしょう、だったら楽しい解釈をして物語を読んでもいいのではないかと思います。
なまえのないねこがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 猫の嫌いな人
- 動物に対して嫌悪感のある人
- 絵本を楽しめない人
- なし
- なし
基本的にすべての人におすすめですが、根本的に「動物が嫌いな人」には動物の気持ちを共感するのはかなり難しいと思います。また猫が題材なの「「猫の嫌いな人」はノラネコの存在自体を認めないと思いますので鼻で笑われるのが関の山でしょう。「絵本は子供が読むものだから楽しめるはずがない」という考えの人にもそんなことはない!大人でも十分楽しめたり考えさせられたりする絵本はたくさんあるし、そういう絵本に出会ったらはまりますので是非手に取ってみてもらえたらという気持ちはありますが、敢えておすすめは致しません。
なまえのないねこをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 子供だけでなく大人も
- 猫の好きな人
- どなたでも
- なし
- なし
基本的にすべての人におすすめですが、特に猫の好きな人にはぜひ読んでいただきたい一冊です。目をぱっちり見開いて少しずせつなそうにこちらをじっと見つめている猫が表紙に描かれています。その猫をみつけたら猫好きな人なら間違いなく手に取ってしまうと思います。また大人のあなたもちょっと誰かの優しさがほしい、なんだか最近気持ちがカサカサしているような時この本と出合ったら間違いなく最後に泣いてしまうでしょう。著者はそんなあったかい物語を他にもたくさん書いています。童話や絵本は忘れかけていた懐かしい気もちを思い出させてくれます。