ご紹介する本
きせきの海をうめたてないで!
ジャンル: 絵本・児童書, 学習
著者: キム・ファン
出版社: 童心社
発売日: 2014/8/25
本の長さ: 135ページ
この本から学べるポイント
- 1:原子力発電所の危険性
- 2:私たちの行動が生き物を絶滅に導いてしまうということ
- 3:みんなで結託して声を上げることの重要性
宮城県にお住いのペンネームなしゃさん38歳女性(職業:専業主婦(主夫)?)から2022年4月頃に読まれたきせきの海をうめたてないで!を読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
きせきの海をうめたてないで!の内容
上関の海に住む生き物について書かれた本です。上関は、原子力発電所を建設する場所として候補に上がっていました。しかし、そこに原子力発電所を作ってしまうと、生きれなくなってしまう生き物がたくさんいたのです。そのため、生き物たちに変わって、そこに住む住人たちが裁判を起こしたノンフィクションの話になっています。原子力発電所の建設によって、海がどう変わっていってしまうのか。その危険性を分かりやすく説いている本です。
きせきの海をうめたてないで!の著者について
著者:キム・ファンキム・ファンさんは、京都市生まれのノンフィクション作家です。主に、自然科学分野の読みものを手がけており、日本だけでなく韓国でも活躍しています。
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きせきの海をうめたてないで!本の要約
この本から学べるポイント
- 1:原子力発電所の危険性
- 2:私たちの行動が生き物を絶滅に導いてしまうということ
- 3:みんなで結託して声を上げることの重要性
上関に原子力発電所が建設されることがきっかけとなり、それに反対する人たちの長年の奮闘を描いたノンフィクション本になっています。生き物と一緒に暮らしてきた祝島の住人や、上関の自然を守る会が力を合わせて、海に住む生き物たちのために裁判を起こしていく内容です。彼らはなぜ、裁判を起こすほどに海を守らなければならなかったのか。また、地球にとって原子力発電所がどれほど危険なのかを分かりやすく解説してくれています。
原子力発電所の危険性
今まで私は、原子力発電所が危険だということを知りながらも、どれほど危険なのかというその実態について、深くは知りませんでした。ただ、微量の有害物質が海に流れているだけだと思っていたのですが、実際はそれ以上の危険性が秘められていたことを知ったのです。例えば、地球温暖化が進んでいるのも、海の近くに原子力発電所があることが1つの要因となっていました。また、微量でも有害物質が海に流れることによって、それを食べるプランクトンにも影響が出てきます。最終的には、大きな生き物たちもどんどん侵されていくので、その危険性についても改めて学べました。
私たちの行動が生き物を絶滅に導いてしまうということ
上関に原子力発電所が設立されることによって、スナメリの住む場所がなくなるということを知りました。最初は、他の海に流れるから絶滅はしないだろうと思っていたのですが違ったのです。スナメリの住む場所は、それぞれの区域によって微妙に違っていて、上関に住んでいるスナメリは、どこにも移動できないことを知りました。また、上関には貴重な生き物が他にもいて、住人たちは共に生きるために、工夫しながら漁を行っていたことも知りました。生き物に感謝していたからこそ共に暮らすことが出来ていたのです。このことから、私たち人間の行いで、海の生き物たちは簡単に死ぬことも生きることも出来るのだと実感しました。
みんなで結託して声を上げることの重要性
原子力発電所の建設を巡っての戦いは、約30年という長い年月がかかっていたことを知りました。しかし、2008年には上関原子力発電所の建設が決定してしまいます。どんなに頑張っても声は届かないのかと失望しましたが、東日本大震災で事態は一変しました。原子力発電所の悲劇を目の前にして、計画がストップしたのです。やっと、みんなの声が届いた瞬間でもあったと思います。そして、建設は未だに再開されていません。このことから、どんな逆境があったとしても、みんなで結託して声を上げ続けることの大切さが分かりました。
きせきの海をうめたてないで!を読んでの感想やレビュー
私にとっては初めて知ることも多く、とても感銘を受けました。電気を作るためには、原子力発電所の建設は仕方の無いことなのかなと思っていたのですが、180℃その意識が変わったので、読んで良かったなと思います。生き物たちのために自分ができること、また、地球のために自分ができることを考えるきっかけにもなりました。東日本大震災によって今も建設はストップしていますが、いつ再開されてもおかしくない状況です。この状況を打開するためにも、自分にも何か出来ないかと思えるようになりました。
きせきの海をうめたてないで!がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 難しい話が苦手な子ども
- 生き物に全く興味がない人
- 原子力発電についてよく知っている人
- なし
- なし
基本的に全ての人におすすですが、難しい内容の本が苦手な人にはついていきにくいかもしれません。とはいえ、かなり分かりやすく書いてあるので、小学生中学年以降なら興味があれば読める内容です。
また、生き物に興味のない人もあまり実感を持って読みにくいかもしれません。逆に、生き物や原子力発電について詳しい人は、書いてある内容の全てを知っている可能性もありそうです。そのため物足りなさを感じるかもしれないので、あまりオススメはしません。
きせきの海をうめたてないで!をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 原子力発電の危険性について学びたい人
- 海の生き物が好きな人
- 絶滅危惧種の生き物について学びたい人
- 身近に原子力発電所を見ている人
- なし
原子力発電所は基本的に海の近くに建設されています。なぜなら、海の近くの方が効率がいいからです。しかし、海の近くにあるからこそ、危険性もたくさん秘めています。だからこそ、原子力発電の危険性について学びたい方にはオススメです。また、海の生き物が好きな人には、たくさんの生き物について学べるので面白いと思います。鯨の名前の由来など、ちょっとした雑学もたくさん書かれているので楽しめるはずです。また、その中で絶滅危惧種についても学べる部分が出てくると思います。自分たちの行為が、生き物たちにどう影響していくのかが分かってくるので、原子力発電所や生き物について考えるきっかけとなると思います。