ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:世界には多種多様な言語があること
- 2:単純に日本語に翻訳することができない、複雑なニュアンスのことばがあること
- 3:言葉や文化が違っても、共感できる情感があること
大阪府にお住いのペンネームさとりりさん37歳女性(職業:その他)から2021年10月頃に読まれた翻訳できない世界のことばを読まれたレビューになります。
翻訳できない世界のことばの内容
"元々の言語でなければ、そのニュアンスをうまく表現することができない、いわゆる「翻訳できないことば」が集められた本です。
イラストとともに、その元になったことば(原語)と、その意味をできるだけシンプルに、しかし込められている本質的な意味合いの大切な部分を損なうことがないよう最大限努めながら、日本語で何とか説明しようと、ことばがつくされています。
文字数としては少ないですが、そのひとつひとつのことばが、非常に丁寧に綴られている素敵な本です。"
翻訳できない世界のことばの著者について
著者:エラ・フランシス・サンダース
さまざまな国に居住経験のあるイラストレーターで、近年ではモロッコやイギリス、スイスなどに住んでいました。
翻訳できない世界のことばのYoutube
「翻訳できない世界のことば」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「創元社」チャンネルで著者のメッセージが紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。
翻訳できない世界のことば本の要約
この本から学べるポイント
- 1:世界には多種多様な言語があること
- 2:単純に日本語に翻訳することができない、複雑なニュアンスのことばがあること
- 3:言葉や文化が違っても、共感できる情感があること
"世界中のいろんなことばから、他の言語に翻訳してしまうと元来の細かなニュアンスが損なわれてしまう危険性のあるものを集め、「翻訳できないことば」としてイラストとともに紹介している本です。
翻訳できないといっても、「単純には」「ひとことでは」訳することができないという意味であり、本書の中では、シンプルかつ、わかりやすい表現を使って、そのことばが持つ本質的な意味合いを、日本語を丁寧につむいで説明されています。"
世界には多種多様な言語があること
"イタリア語やドイツ語、スペイン語にロシア語、フランス語といった、例えば大学の第二外国語としてもよく聞くような言語を始め、ウェールズ語やタガログ語、サンスクリット語など、その存在は知っていても、実際にどのような言語なのか、具体的なイメージがすぐには浮かびにくい言語も紹介されています。
また、トゥル語(インド南西部の地方)やワギマン語(オーストラリア先住民の言語)など、これまで知らなかったような言語からも、ことばが選ばれています。"
単純に日本語に翻訳することができない、複雑なニュアンスのことばがあること
"たとえばドイツ語の「Kummerspeck(クンマーシュペック)」ということば、単純に直訳すると「悲しいベーコン」となるそうです。
これだけではいったいどういう時に使われることばなのか、いまいち具体的なイメージが浮かびにくいものです。
それをこの本では、「食べすぎがつづいて太ること。わたしたちは、ときどき感情的にやけ食いをしてしまう」という表現でもって説明されており、これによって一気に具体的なイメージを想起することができます。"
言葉や文化が違っても、共感できる情感があること
"たとえばハワイ語の「'akihi(アキヒ)」ということば、これは「だれかに道を教えてもらい、歩き始めたとたん、教わったばかりの方向を忘れたとき」に「'AKIHI(アキヒ)になった」といった風に使われるそうです。
「なるほど、確かに日本語で、シンプルに一言で訳せと言われると難しいな」と感じると同時に、「わかるわかる、そういうことあるよね」と強く共感することができます。
場所や文化が違っても、同じような感覚を味わうこともあるのだなと思うと、なんだか親近感が生まれてきます。"
翻訳できない世界のことばを読んでの感想やレビュー
"「翻訳できない世界のことば」というタイトルと、シンプルながらも魅力的な表紙のイラストにひかれて手に取った本書ですが、ページをめくる毎にわくわくと好奇心が刺激され、とても満足して読み進めることができました。
なにより、著者がその言語にとても敬意を払って丁寧に扱っている、ということが、言葉選びからもイラストからも伝わってきて、とても好感を持つことができました。
新たなことば、言語との出会いもあり、より自分の興味の幅を広げてくれたと思います。"
『翻訳できない世界のことば』が面白い。その存在を知っているけれども単語にしようと思わなかった概念が外国語では存在することがわかります。「妻に許しを乞うためのプレゼント」「肌を締め付ける衣服の跡」など。我らの日本語「積ん読」はきっと外国の読者も納得してくれるに違いない。 pic.twitter.com/o90kcvu1KT
— 中田:‖ (@paddy_joy) October 12, 2021
こんにちは。今週もよろしくお願いします!
新しい本のご紹介~
「翻訳できない世界のことば」
ひと言では訳せない、微妙な気持ちや様々な状況を表す言葉を集めた本。
イラストも可愛く絵本のようで、めくるだけでも楽しいです! pic.twitter.com/gZ6eXojXtC— cafeミチルバ (@CafeMichiruba) March 8, 2023
翻訳できない世界のことばがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 辞書の役割を求めている人
- その語源の詳細を知りたいという人
- コンパクトに持ち運べる本が好きな人
- なし
- なし
"基本的にすべての人におすすめですが、あくまで著者がことばをつくしてその言語を紹介しているのであって、辞書のような緻密さや情報量を求める人向けというわけではないかと思います。
同時に、その語源などの詳細を知りたい人にとっても、そこまでの情報量はありません。
そういう人たちは、やはり辞書なり、専門書なりを手に取った方が満足が得られると思われます。
また、本著は豊富なイラストが掲載された、いわば絵本とも言えるハードカバーの本なので、文庫サイズなどのコンパクトな本を求める人とは、ニーズが合致しないかもしれません。"
翻訳できない世界のことばをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- あまり耳にしない言語を知りたい
- ことばを丁寧に扱っている本が読みたい
- そのことばの世界観にあった、イラストを楽しみたい
- なし
- なし
"今は失われつつある先住民の言語など、普段の生活ではあまり耳にすることのない言語からもことばが選ばれており、新たに興味を持つきっかけにもなると思います。
また、ひとつひとつのことばが、決して冗長になることなく、しかし丁寧な表現で説明されており、著者も元々の言語に敬意をもって書いているのだな、と感じることができます。
また、著者はイラストレーターということで、そのことばに合わせて描かれたイラストがフルカラーで掲載されていて、絵本を開いて読み進めるときのような、わくわくとした感情を楽しむこともできると思います。"