ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:PMS(月経前症候群)とパニック障害という病気の苦しみ
- 2:なにひとつ希望が無くなったと思えても、どこかに希望はあるということ
- 3:辛い時や苦しい時にこそ笑おう。
香川県にお住いのペンネームひまわりさん55歳女性(職業:その他)から2022年2月頃に読まれた夜明けのすべてを読まれたレビューになります。
夜明けのすべての内容
PMS(月経前症候群)が原因で前の会社を退職、月に一度襲ってくる自分ではどうしようもないイライラに苦悩していた美沙は、職場の温かい人たちに支えられつつ、何とかそれなりに安定した日々をおくっていた。そんな会社に転職してきた、山添くんという若い男性社員は常に活気がなく、やる気もない。そんな山添くんにPMSのせいで、ついにイライラを爆発させてしまった美沙。しかし、実は山添くんはパニック障害という病気を抱え苦しんでいたのだ。
夜明けのすべての著者について
著者:瀬尾まいこ
大阪市生まれで、現在は奈良市に住んでいる。2001年に「卵の緒」で第7回坊ちゃん文学書大賞を受賞。その後もコミカルでポジティブな気持ちになれると評判の作品を次々と発表し、数々の賞を受賞する。特に2019年に発表した「そして、バトンは渡された」は人気があり、本屋大賞を受賞し、映画化もされた。
夜明けのすべてのYouTube(ユーチューブ)
「雑夜明けのすべて」についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
「文学YouTuberベル」で分かりやすく解説しているので是非一度ご覧ください。
夜明けのすべて本の要約
この本から学べるポイント
- 1:PMS(月経前症候群)とパニック障害という病気の苦しみ
- 2:なにひとつ希望が無くなったと思えても、どこかに希望はあるということ
- 3:辛い時や苦しい時にこそ笑おう。
PMS(月経前症候群)とパニック障害という二つの病気の苦難がテーマとなっていますが、けっして暗くて重い内容ではなく、明るさと希望に満ち溢れた内容となっています。主人公二人は苦悩し、迷ったり、立ち止まったり、ときには感情をぶつけあったりしますが、まわりの人々の温かさに支えられて、少しずつ、前を向いて歩き始めます。その過程が、丁寧かつコミカルに描かれており、読み終えた後、なんともいえない幸せで満ち足りた気分に浸れる一冊です。
PMS(月経前症候群)とパニック障害という病気の苦しみ
本書では、PMS(月経前症候群)やパニック障害の発作がおこる過程が丁寧に描かれており、その苦しみがリアルに伝わってきます。いつも当たり前に行えていたことができなくなる、みんなと同じことができなくなる、それがいかにつらい事なのか、どんなに精神的に追い詰められることなのかを本書はきちんと説明してくれます。そのリアルな表現に、自分自身がこの病気にかかったかのような感覚を味わえます。読むことできっと病気に対する理解を深められることでしょう。
なにひとつ希望が無くなったと思えても、どこかに希望はあるということ
主人公たちは、もうダメだと思いつつ、少しずつ前を向いて歩き始めます。そのきっかけはほんの些細なことであり、最初は前を向いていることさえわからない状態。しかも、最初は相手のことを最悪だと思っていたのに、いつのまにか最高の理解者だと自覚し始めます。どんな状況でも希望はある、そのことをこの本は、私たちに教えてくれます。その過程はけっして押しつけがましくなく、とても心地よいもの。読者を前向きな気持ちにさせてくれます。
辛い時や苦しい時にこそ笑おう。
本書では、何度か大笑いできるシーンが登場し、そのシーンで、無気力で無表情だった山添くんが思わず笑いだすのですが、そのことをきっかけに事態が好転していきます。まさに著者である、瀬尾まいこさんの得意とする、コミカルなやりとりは読み物としてももちろん楽しめますし、作品全体を明るい心地よいものにしてくれています。なにより、この本を読んで、辛い時や苦しい時こそ「笑い」が大事なのだとあらためて感じさせられました。
夜明けのすべてを読んでの感想やレビュー
私自身も、別の病気で苦しんでいるのですが、この本を読んで、とても救われた気持ちになりました。どこにも出口は無いと感じ始めていたのに、落ち着いて周りを見渡してみれば、こんなにも差し伸べてくれる手があったのだと、改めて感じられた一冊でした。この本のタイトル「夜明けのすべて」にこめられた「夜明けの直前が一番暗い」という言葉が胸に響いて涙がでそうになりました。一人でも多くの方に同じような思いを感じ取っていただけると光栄です。
『夜明けのすべて』瀬尾まいこ
パニック障害とPMS、それぞれにしんどい思いを抱える二人の物語。恋人でも友達でもない。なるつもりもない。でも、しんどいだろうなと想像し手を差し伸べる。お互いの遠慮ないやり取りや行動に思わず笑ってしまいました。#読了 #夜明けのすべて #瀬尾まいこ pic.twitter.com/H0Ga1QTazE
— あゆ@読書垢 (@ayudokusyo_) March 27, 2022
『夜明けのすべて』瀬尾まいこ
パニック障害とPMS、それぞれにしんどい思いを抱える二人の物語。恋人でも友達でもない。なるつもりもない。でも、しんどいだろうなと想像し手を差し伸べる。お互いの遠慮ないやり取りや行動に思わず笑ってしまいました。#読了 #夜明けのすべて #瀬尾まいこ pic.twitter.com/H0Ga1QTazE
— あゆ@読書垢 (@ayudokusyo_) March 27, 2022
PMSとパニック障害に苦しんでいる人たちを、瀬尾まいこさんらしく、明るく、さわやかな文章で表現している。出てくる人たちがみんな暖かくてほっとする。みんな仕事ができるのに、今日も無理なくけがなく安全にを合言葉の会社 #瀬尾まいこ #夜明けのすべて #読書好きな人と繋がりたい #小説 pic.twitter.com/yDpQiegU3F
— fukufuku♡ (@fukufuk42073584) March 27, 2022
「そして、バトンは渡された」
「幸福な食卓」の瀬尾まいこさんの書き下ろし最新作。
インスタの本紹介で見つけて購入。読んでよかった。
涙を何度か流しつつ、読みました。
人は強いなぁ、と思って泣いてしまいました。よかった。 pic.twitter.com/DsWcMr5xf6— めけこ (@mkk_nntr02) March 23, 2022
夜明けのすべてがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- PMS(月経前症候群)、パニック障害を患い、深刻な状況に陥っている人
- 人間の醜い部分や争いを扱っているなど人間臭いリアルな内容の小説が好みの人。
- 重厚で内容が深い読み応えのある作品が好みの人。
- なし
- なし
PMS(月経前症候群)やパニック障害にかかって、現在とても深刻な状況で悩んでいるという方にとっては、自分たちの病気を茶化されたような気分になる場合があるかもしれません。けっして著者にそのような意図はなく、明るく前向きにしようと盛り上げて下さっているのだと思うのですが、状況によっては読み手側がそう思えない可能性があります。また、読みやすく軽い感じの文体ですので、重厚でリアルな内容の小説が好みの方にとっては、少しものたりない感覚があるかもしれません。
夜明けのすべてをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- PMS(月経前症候群)を患っている人や、その周りの人
- パニック障害を患っている人や、その周りの人
- 希望を失いかけている人
- 自分が「幸せ」ではないと思っている人
- 前向きな気持ちになりたい人
PMSやパニック障害を患っている人、その周りの人たちにとっては本当に参考になる一冊だと思います。近年、ネットにはいろんな情報があふれていますが、その中にはネガティブな情報、真実でない情報も含まれており、それに対する対応についても本書は触れています。いろんな意味でためになると思います。また、病気以外の理由でも、日々の生活に幸せを感じられない人たちにはぜひ、読んで欲しい一冊です。健康な毎日をおくれるというただ、それだけのことが、どんなに幸福で満ち足りたことなのか、それを本書は教えてくれます。また、どんな状況でも希望はあるのだと、気づかせてくれます。