ご紹介する本
WONDER
ジャンル: 文学・評論
著者: R.J.PALACIO
出版社: ほるぷ出版
発売日: 2015/7/18
本の長さ: 421ページ
※読まれたのは洋書ですが日本語版のものを記載しております。
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:外見ではなく内面の重要性
- 2:いじめの愚かさ
- 3:偏見や差別を乗り越え協力していくことの大切さ
東京都にお住いのペンネームprimalfootmark10さん27歳女性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年1月頃に読まれたWONDERを読まれたレビューになります。
WONDERの内容
トリーチャーコリンズ症候群という顔の形が変形している遺伝子疾患の病気を持っている少年オーガストは、ホームスクーリングを経て通常の学校に転入した。しかし容姿によるクラスメートたちからの差別やいじめを受け、学校へ通うことに躊躇してしまう。自分の顔はなぜこんなに醜いのかと悲しんでいたオーガストだったが、家族の励ましで立ち直ることができまた学校へ通うようになる。初めはオーガストを異質なものとして見ていたクラスメートたちも次第にオーガストの内面の人間性に惹かれていく。
WONDERの著者について
著者:R.J.PALACIO
彼女自身の実体験に基づいた話である。オーガストと同じトリーチャーコリンズ症候群の子供と公園で遭遇した際、その場を逃げるようにして立ち去ってしまったというエピソードが彼女にはある。その時の自身の行動を自問自答し、出来上がったのがこの作品である。
WONDERのYouTube(ユーチューブ)
「WONDER」についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
「Minute Book Reports」がアニメーションでざっくりと紹介してくれているので、本を読む時間がない方はこちらのYouTube(ユーチューブ)動画をおすすめします。
WONDER本の要約
この本から学べるポイント
- 1:外見ではなく内面の重要性
- 2:いじめの愚かさ
- 3:偏見や差別を乗り越え協力していくことの大切さ
いじめられて苦しんでいる人、いじめをしてしまいそれを悔いている人、いじめられている人を助けることが出来なかったと悔いている人、学校の先生に是非読んでもらいたい作品。人を見ためで判断することはとても愚かなことであり、人の内面をよく見ることが何よりも大切なことであるとこの本を通じ再認識した。ルッキズムが需要な位置を占めている現代では内面を磨こうと考えている人は少ないのではないか?外見はいつでも変えることが出来る、でも内面はなかなか変えることが出来ない、にじみ出てくるものだと思った。
外見ではなく内面の重要性
オーガストの顔は確かにほかの人間と比較するとだいぶ異質なものに見える。しかし、外見は異なっても内面は我々と何ら変わらない普通の人間なのだということ。外見を取り繕うことで相手に与える印象を操作することが出来るが果たしてそれは重要なことなのか?最も重要なことは外見ではなくその人自身つまり内面なんだということを現代の多くの人が忘れてしまっているように感じる。この作品は現代の過度なルッキズムにたいして警鐘を鳴らしているようにも思える。
いじめの愚かさ
オーガストは普通の人とは違う顔かたちのせいで通学初日にクラスメートたちから酷い差別といじめを受けてふさぎこんでしまう。しかし家族の献身的なサポートのおかげで立ち直ることができ、また元気に学校へ通うようになる。この一連の流れから、いじめほど愚かなことはないと感じた。自分とは違うものをいじめることで自分の優位性を示すことは愚かであり、何も生み出さない生産性のないことだということ。顔かたちが異なっていようとも、ほかの人間とは考えが異なっていようとも、その人自身の人柄内面が何より大切だと感じた。
偏見や差別を乗り越え協力していくことの大切さ
初めはオーガストの顔を異質なものとしてとらえ、忌み嫌っていたクラスメートたちもオーガストの人柄、内面に惹かれていく。障害を乗り越え、その人自身の内面、人間性を理解し合えた時、人は本当の意味で大きな力を発揮するのだと感じた。学期末のキャンプへ行った際、オーガストをいじめようと他校の生徒が絡んでくるが、クラスメートたちがオーガストのことを身を挺して守ったシーンがある。お互いを理解し合えた時、人は大きな力を発揮するのだと感じた。
WONDERを読んでの感想やレビュー
ルッキズムが一番大事と思われている現代社会において、内面で人を見ることの大切さ、差別偏見いじめを乗り越えともに協力していくことへの大切さをこの本を通して学ぶことが出来た。またオーガストだけでなく、彼の家族にもフォーカスし物語が進んでいくため家族の葛藤や成長も同時に読み解いていくことが出来る素晴らしい作品だと思う。身体的特徴のある本人だけをフォーカスする内容のものが多いが、その人を支えている家族の気持ち、葛藤を描き出すことが、障害を多くの人に知ってもらうことへの一歩であると感じる。
本気でFIREを目指す人のための資産形成入門の口コミ
ずっと前に買ったのに、ちょっと辛くて途中で投げ出してた小学校高学年向きの本をまた最初から読み始めた。オギーファミリーの愛の強さにただただ胸が一杯になってしまう。読了したらまたあらためて呟きます。#wonder #ワンダー pic.twitter.com/SY3JJxdL5g
— ジンロウ (@cogansjapan) November 11, 2019
R・J・パラシオ『ワンダー』読んだ。ものすごく良い話だった!!
読了後に優しくなれる本。#ワンダー #wonder pic.twitter.com/wTZ2xpoTTX— かゃちゃりん🍶🏜️💜 (@aiaykwsake) March 23, 2018
映画【Wonder】の原作本を読了。
家庭学習をしてきた男の子が初めて学校に通った1年間。顔以外は普通の少年と、家族や友達の視点で物語は進む。
大人も子供も暖かい気持ちにになれて、少しだけ足を踏み出せる勇気を持てる良作✨#Wonder pic.twitter.com/Egowhe997t— 猫飯_m7 (@neko_manma_m7) June 19, 2017
WONDERがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 洋書に抵抗がある方
- いじめ被害者で当時の記憶がよみがえってしまう方
- アメリカの学校生活に関心がない方
洋書に抵抗がある方
いじめ被害者で当時の記憶がよみがえってしまう方
アメリカの学校生活に関心がない方
理由
基本的にすべての人にお勧めですが、英語に苦手意識がある方、洋書に抵抗がある方にはお勧めできない。また過去に身体的特徴で酷いいじめをうけてしまい、心に傷がある方にはお勧めできない。当時のご自身の置かれた状況を思い出してしまう可能性があるし、比較してしまうことでより悲しい気持ちになってしまう可能性があるため。アメリカのお話であるため、アメリカの学校生活に興味がないと少しつまらなく感じるかもしれない。
WONDERをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 洋書が好きな方、洋書に抵抗がない方
- 心温まる話が好きな方
- 学校の先生
- いじめを受けた方、いじめをしてしまった方、いじめを傍観してしまった方
日本語訳もあるが、洋書で読んだ方が言葉がダイレクトに伝わっていいと思う。英語の勉強をしている人にお勧めの作品。そんなに難しい難解な言葉は使っていないため、サクッと読める。またいじめられる描写だけでなくオーガストが一年間の学校生活を通じ大きく成長する物語でもあるから、心温まる勇気づけられる作品が好きな方は是非読んでほしい。ホロっと涙するシーンがいくつも出てくる。そして一番に読んでほしいのはいじめの加害者、被害者、傍観者の3つの視点が入り混じる学校教育に携わっている人たち全員に読んでということ。日本はいじめの被害者へカウンセリングを受けるのが一般的だが、カウンセリングが一番必要なのはいじめ加害者ではないかとこの本を読んで強く思った。