文学・評論

【本要約】臨床の砦(著者: 夏川草介)の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

臨床の砦

ジャンル: 文学・評論

著者: 夏川草介

出版社: 小学館

発売日: 2021/4/23

本の長さ: 208ページ

8.6

総合

9

読みやすさ

8

学び

9

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:コロナ禍での病院のリアル
  • 2:医師の葛藤
  • 3:濃厚接触者になった時の感情

長野県にお住いのペンネームあやせさん29歳女性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年6月頃に読まれた臨床の砦を読まれたレビューになります。

臨床の砦の内容

コロナ禍を戦う医師のノンフィクション物語です。長野県の中信地方の病院で働く医師たちが、コロナ禍においてどのような経験をしたか、また患者にどのように接したかを描いている書籍です。ノンフィクションであるものの、実際に医師である著者の実体験を元にコロナ禍で奮闘する医師の様子が書かれていてリアリティを感じながら読み進められます。コロナの発生時から、今年の冬の流行期における医師の葛藤を知ることができる作品です。

臨床の砦の著者について

著者:夏川草介
長野県の中信地方の病院で実際に働いている医師です。医者でありながら執筆活動もされていて、代表作は『神様のカルテ』です。

臨床の砦本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:コロナ禍での病院のリアル
  • 2:医師の葛藤
  • 3:濃厚接触者になった時の感情

2021年初頭のコロナの流行期から春頃までの病院での様子が描かれています。主人公は、長野県の中信地方の病院で働く医師で、突然コロナが流行して世の中の動きが変わり、同僚の医師たちとともに奮闘していきます。昨日まで元気だった軽症のコロナ患者が亡くなったり、また主人公本人も突然コロナの濃厚接触者となり、家族と隔離して生活をする様子が描かれています。コロナ禍における病院のリアルな様子をこれでもかと知れる物語です。

コロナ禍での病院のリアル

コロナ禍の病院の様子は、テレビでしか知ることができませんでした。私は病院で働いているわけではないので、どこか他人事という感情を持っていました。しかし、この作品ではコロナ禍での病院のリアルな様子が描かれていて、一般人とはかなり意識の差があることを学びました。大変な思いをして患者を看病してくれている病院関係者の方がいるからこそ、コロナを抑えられているのかもしれません。病院でのリアルな様子が大変勉強になりました。

医師の葛藤

医師は、コロナ禍においてかなり葛藤していると思いました。病院へ行けばコロナの患者がいて精一杯の治療をしなければならないものの、自分たちもコロナに関して知識が浅く、何をすれば良いのかわからないという葛藤が伝わってきました。医師は優秀でなんでもできて当たり前というイメージがありましたが、そんな彼らでも太刀打ちできない病気なんだと思います。未知のウイルスに立ち向かっていき、患者と家族を守る姿に心を打たれました。

濃厚接触者になった時の感情

医師でも濃厚接触者になったら、その他医師とは接触を避けなければならないことを学びました。また、家族と離れて車で隔離している姿がリアルでした。私も接触者になった経験があったため、この辺りの医師の感情は本当にリアルでした。自分がもし感染していたら、周りの人に迷惑をかけるし、また新たな感染を広げてしまうかもしれないという不安が大きくて大変だったと思います。コロナが身近にある環境で、よく精神を保っていられたと思いました。

臨床の砦を読んでの感想やレビュー

この作品を読んで、コロナに対する意識が変わりました。コロナは思ったよりも身近に迫っていて、酷くなれば死に至ることもあると改めて強く感じさせられました。また、どこに住んでいても濃厚接触者になるリスクはあるため、気をつけて過ごしていきたいと思いました。特に、濃厚接触者になったときの心情は丁寧に描かれているため、私にとっては共感できるものばかりでした。コロナ禍のリアルな様子を知りたい人にはおすすめなのでぜひ読んでみてください。

臨床の砦がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • コロナに関心がない人
  • 病院物に関心がない人
  • 医者が苦手な人
  • フィクションが苦手な人
  • 本が苦手な人

コロナに関心がなく、病院物のストーリーも苦手な人にはおすすめできません。この話はコロナに関することが中心に書かれているので、関心がなければ最後まで読み進められないと思います。また、病院での話なので死が描かれています。人の死は避けて通れないものですが、なるべく作品で死を読みたくない人にとってはおすすめしません。この他、本が苦手な人にもおすすめしません。なぜなら、ページ数が多いからです。割と長編小説です。

臨床の砦をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • コロナにかかったことがない人
  • 身近に濃厚接触者がいる人
  • コロナ禍の病院について知りたい人
  • コロナのことを知りたい人
  • 医療者が好きな人

コロナにかかったことがなく、どこか他人事だと思っている方には是非読んでもらいたいです。これを読むことで、コロナがいかに身近なものであるかがわかり、向き合い方が変わると思います。また、濃厚接触者になった経験のある人は、自分の当時の心情と照らし合わせて少しでも気持ちが楽になると思います。また、コロナ禍の病院での様子や症状について知りたい人は、この本を読めば少しでも勉強になると思います。リアルな姿が描かれているのでおすすめです。







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