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ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:綾辻行人の小説の幅広さと奥深さ
- 2:綾辻行人の読者に想像させるための文章力のうまさ
- 3:古き良きミステリーの醍醐味
香川県にお住いのペンネームひまわりさん56歳女性(職業:その他)から2022年11月頃に読まれた暗闇の囁きを読まれたレビューになります。
暗闇の囁きの内容
人里離れた別荘地に住む2人の兄弟。無邪気だが、どこか不思議な謎めいた魅力を持つ、この二人の少年たちのまわりで、次々と残虐な殺人事件が起こります。しかも、二人の女性家庭教師は死後、その黒髪を切り取られており、いとこの男性はその眼球を、伯母はその爪を持ち去られて死んでいたのでした。彼らの住む別荘の近くに滞在することになった青年と二人の少年たちの新たな家庭教師となった女性は、協力して事件の真相解明にのりだすのですが・・・・そこには想像もしなかった恐怖が待ち受けていました。
暗闇の囁きの著者について
著者:綾辻行人
1960年生まれのミステリー作家で、デビュー作「十角館の殺人」は現在でもミステリーの最高傑作として語り継がれています。その後、この「十角館の殺人」を代表作とする「館シリーズ」で人気を博し、2012年には「Anotherアナザー」が映画化されました。
暗闇の囁きのYoutube
「暗闇の囁き」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「VTuber栞のミステリー小説カフェ」チャンネルで紹介されているので良ければ合わせて見てみてください。
暗闇の囁き本の要約
この本から学べるポイント
- 1:綾辻行人の小説の幅広さと奥深さ
- 2:綾辻行人の読者に想像させるための文章力のうまさ
- 3:古き良きミステリーの醍醐味
いかにも綾辻行人らしい、残虐さと怪しさを秘めた不気味で美しいミステリー小説です。山奥の別荘地、美少年、気の狂った美しい母親、認知症の祖母、猟奇殺人など、このタイプのミステリー好き垂涎のキーワードがふんだんに盛り込まれており、綾辻ワールドに、すっかりハマってしまうこと間違いなし、ページを読み進める手がとまらなくなります。探偵役の青年と家庭教師とのちょっとしたラブストーリー的な要素もあり、さまざまな楽しみ方ができる一冊でもあります。
綾辻行人の小説の幅広さと奥深さ
綾辻行人さんの作品をこれまで何作も読んできましたが、この作品は比較的初期の作品であるにもかかわらず、深みがあり、内容もとても練りこまれた面白いものとなっています。設定としては比較的ありがちな内容であるにもかかわらず、彼独特の世界観と想像力で、読者を綾辻ワールドに惹きこんでいく能力は、さすが綾辻行人だと深い感銘を受けました。あらためて、綾辻行人というミステリー作家の小説の幅広さと奥深さを実感させられた作品でした。
綾辻行人の読者に想像させるための文章力のうまさ
文章を読み込むうちに、目の前に深い森と不気味な館、美しい兄弟の姿がありありとうかんでいく、そんな文章構成が実に見事だと思いました。殺人事件のシーンも何ともグロテスクでおどろおどろしいのですが、そこになぜか怪しさや美しさが感じられ、綾辻行人らしい特異な文章だなあと感じました。読み終えた後、しばらく森の中をさまよっているような気分にさせられる、現実に戻ってくることができなくなるような見事な文章に、ぐっと惹きこまれます。
古き良きミステリーの醍醐味
最近のミステリーは、目新しさを求めようとするあまり、情景描写や殺人犯の心理描写をある程度無視した内容のものが多かったりするのですが、その点、この古典派ミステリーはしっかりと、そのあたりの描写がされていて、安心して読むことができると感じました。賛否両論あると思いますが、私はやはり、この古き良きタイプのミステリーのほうが好きです。ただ、この点を重視すると同じような内容のミステリーばかりになってしまうので、近年の風潮は仕方ないとは思いますが・・・・
暗闇の囁きを読んでの感想やレビュー
月並みですが面白かったです。よみはじめてずっと、この独特な綾辻行人ワールドにどっぷりとつかってしまい、読み終えた後もしばらく現実に戻ってくることができませんでした。犯人もやっぱり意外でしたし、ラストシーンも強烈でした。途中、なんどか場面が変わって、意味のあるようなないようなシーンが繰り返される、彼特有の文章構成も、恐怖感をいっそうあおりました。このシリーズの別の作品もぜひ、読んでみたいと思わされる名作でした。
#読了
暗闇の囁き<新装改訂版>#綾辻行人
第2弾の今度は階段上の屋根裏部屋で…がさっ…
ハーフの双子少年マドとミアと…アキ?あっちゃん?
切られた髪の毛、剥がされた爪、森の中の洋館で巻き起こる事件の結末は…
謎多き人物達…囁き…ヒトツハ…久しぶりに綾辻先生の本を連続で…読み易いね✨ pic.twitter.com/crUOhTFp7L
— ケイゴ⚾💫🎌 (@bandits2374) January 15, 2022
暗闇の囁き/綾辻行人
囁きシリーズ第2弾。美しい兄弟の周りで相次ぐ死と、彼らがひた隠す「あっちゃん」の秘密とは?
綾辻先生の作品は本当に怪しげな雰囲気が素晴らしい✨ 大仕掛けのトリックやどんでん返しがなくても、こんなにも面白い。美しさと恐ろしさがギュッと詰まった名作。#読了 pic.twitter.com/iU9hWX5Qof
— とうふ@読書垢 (@basashi_90) May 26, 2021
暗闇の囁きがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- グロテスクな描写が苦手な人
- 奇をてらった目新しいミステリーが好きだという人
- 美少年、気の狂った母親、猟奇殺人などというキーワードに嫌悪感を感じる人
- なし
- なし
基本的には全ての方々におすすめしたい作品ですが、グロテスクな描写が苦手な人や、美少年、気の狂った母親、猟奇殺人などというキーワードに嫌悪感を感じる人などには、あまりおすすめできないかもしれません。また、近年の奇抜で目新しいミステリーが大好きだという人にも、そういった意味での目新しさは得られない可能性があります。ただし、逆に新鮮味が感じられる可能性もありますので、ぜったいにダメだとは言い切れません。
暗闇の囁きをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 古典的なミステリーが好きな人
- グロテスクで残虐な殺人事件などの小説が好みの人
- 山奥の別荘、美少年、気の狂った母親、猟奇殺人などというキーワードにぐっとくるという人
- なし
- なし
グロテスクな猟奇殺人が、いくつも起こりますし、その描写もかなり過激めです。山奥の別荘、美少年、気の狂った母親、猟奇殺人、などのキーワードをみて「読んでみたい」と感じた人は、ぜひ手に取るべき一冊だと言えるでしょう。また内容もかなり古典的で、ありがちなストーリーだと言えなくもないのですが、だからこそ、安心して楽しめますし、ありがちなストーリーの恐怖感を何倍にも増幅できる綾辻行人のすごさも堪能できます。昔、今ほどいろんな制限が無かったころの放送禁止ラインギリギリで放送されていた怪しさ満点のドラマのような背徳感を味わえます。