文学・評論

【本要約】流浪の月(著者: 凪良ゆう)の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

流浪の月

ジャンル: 文学・評論

著者: 凪良ゆう

出版社: 東京創元社

発売日: 2019/8/29

本の長さ: 320ページ

9.7

総合

9

読みやすさ

10

学び

10

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:ニュースやネットの情報だけを鵜呑みにすることの恐ろしさ。
  • 2:優しさや思いやりが方向性を間違えると相手を傷つける凶器になるということ。
  • 3:みんなと同じであることが正しいとされる理不尽さ。

香川県にお住いのペンネームひまわりさん55歳女性(職業:会社員・職員(非正規雇用)?)から2022年2月頃に読まれた流浪の月を読まれたレビューになります。

流浪の月の内容

24歳の家内更紗は、ある日、忘れたくても忘れられない「ある人物」と偶然再会する。9歳の時、自分を誘拐したとされている当時、19歳だった青年、佐伯文だった。誘拐された少女として、世間からむけられる同情やあわれみ、偏見などを抱えながら生きづらさを感じ続けていた更紗だったが、そんな彼女にとっての救いは実は佐伯文、彼そのものだった。世間と自分自身との感覚のズレにとまどいながらも、更紗は佐伯文に会いたいという思いを抑えきれなくなっていく。

流浪の月のYouTube(ユーチューブ)


「流浪の月」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「ペキョの小説紹介とか」チャンネルで紹介されているので良ければ見てみてください。

流浪の月の著者について

著者:凪良ゆう
もとは漫画家志望であり、ボーイズラブを取り扱った作品なども執筆していた。2006年、「恋するエゴイスト」でデビューし、2020年、本作「流浪の月」で第17回本屋大賞を受賞した。

流浪の月本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:ニュースやネットの情報だけを鵜呑みにすることの恐ろしさ。
  • 2:優しさや思いやりが方向性を間違えると相手を傷つける凶器になるということ。
  • 3:みんなと同じであることが正しいとされる理不尽さ。

「家内更紗」と以前彼女を誘拐したとされている「佐伯文。」そんな二人が15年ぶりに出会い、惹かれ合っていくことに世間は奇異な目を向け、誘拐された少女がいまだ洗脳されているなどと、一方的に解釈し、二人を追い詰めていく。しかし、事実は世間の憶測とは、まったく違ったものであり、更紗は文によって救われ、誘拐されていたと思われる期間、もっとも幸せな時間を過ごしていたのだ。出会ってはいけなかった、でも出会わずにはいられなかった2人の苦悩と決意を描く、切なくも美しすぎる本屋大賞受賞作。

ニュースやネットの情報だけを鵜呑みにすることの恐ろしさ。

私自身、これまでニュースやネットの情報だけで、会ったことも見たこともない人たちを「こういう人だ」と決めつけてきたことが何度あったか知れない。もし、私がこの作品の登場人物だったら、主人公二人の心情を想像すらできないまま、ニュースやネットの情報を鵜呑みにして、二人を苦しめる「世間の評価」の一員となっていたことだろう。この本を読んで、もう一度、そのことの恐ろしさについて、多くの人にじっくり考えて欲しいと思う。

優しさや思いやりが方向性を間違えると相手を傷つける凶器になるということ。

作品には、優しい人、思いやりを持った人たちが、たくさん登場する。けれども、その思いは、主人公の更紗の真意をくみ取ることはできない。せっかくの優しさも、的外れな行動となり、彼女の心を素通りして、逆に彼女を苦しめ、諦めの心情へと導いていく。時には彼女自身を深く傷つける凶器ともなる。そんなもどかしい場面が、本作にはいくつも登場する。結局、彼らのことは彼ら自身にしかわからない。せめて、耳を傾けよう、理解しようという態度だけは、もち続けたいと思う。

みんなと同じであることが正しいとされる理不尽さ。

主人公たち二人は「みんなと同じ」でないことに、苦しめられ続ける。「みんながこう思っている」「みんながこう理解している」という思い込みや偏見が、さらに二人を追い詰めていく。理解できないのなら、どうして、せめて、そっとしておいてくれないのか、彼らの心の叫びが絞り出されるような内容に、胸が詰まる。同時に「みんなと同じ」であることが、当たり前だと思いこまされている自分自身にも気づかされた。多くの事を学んだ一冊である。

流浪の月を読んでの感想やレビュー

感情表現が秀逸で、読んでいて、苦しくて切なくてたまらなくなる場面がいくつもあった。こんなに美しい小説を読んだのははじめてだと思った。しかもただ美しいだけではなく、泥の中で咲き誇る蓮の花のような、たくましさとリアリティがあって、ラストシーンでは、もうただひたすら、彼らの幸せと安住だけを願う自分自身がいた。映画化されるとのことだが、主人公のキャストが、まさにぴったりだと思った。特に松坂桃李さんは、まさに文そのものだと思う。

流浪の月がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • DVや虐待などに苦しんでいる方
  • 風評被害など、世間の評価に苦しんでいる方
  • 自分の行動を美化してしまいがちな方
  • なし
  • なし

基本的にすべての方におすすめしたい一冊ですが、もし今現在、DVや虐待、風評被害などの世間の評価に苦しんでいる方たちは、そのような描写がいくつか出てきますので、読むことによって辛い思いをされることがあるかもしれません。ただ、解決の糸口や手がかりを見つけることができるかもしれませんので、絶対にダメというわけではありません。また、誘拐はもちろん「犯罪」ですので、単純に、その行為のみを美化してしまうような自己中心的な解釈をしてしまう方(例えば自分自身がおこした誘拐を正当化してしまうような方)にもおすすめはできません。

流浪の月をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 切なくて美しい作品が好きで、読みたいという人
  • 「みんなと同じでない」という事実に悩んでいる人
  • ネットやテレビで語られる内容が真実だと思いこまされているすべての人たちに読んで欲しい
  • なし
  • なし

とにかく美しくて切なくて、胸が詰まる、本当に人を好きになるということがどういうことなのかを教えてくれる、素晴らしい作品です。また「みんなと同じでない」という思いを抱え孤独に捕らわれている方たちにとっては、そこから一歩を踏み出す手がかりが得られる本かもしれません。昨今の風潮として、特にネットのニュースなどが、真実だと思いこまされているすべての方々にも、読んで欲しい一冊だと思います。もしかしたら、「世間の一員」として知らぬ間に自分が誰かを苦しめているかもしれないという事実に気づくことができるかもしれません。







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