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【本要約】中先代の乱の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

中先代の乱

ジャンル: SpecialPick, 文庫・新書・ノベルス

著者: 鈴木由美

出版社: 中央公論新社

発売日: 2021/7/19

本の長さ: 225ページ

9.3
総合
9
読みやすさ
10
学び
9
面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:中先代の乱はわずか20日ほどで鎮圧されますが、その後の歴史に大きな影響を与えたこと。
  • 2:横暴な鎌倉幕府を倒した後の後醍醐天皇の建武政権が、不安定な政権だったこと。
  • 3:中先代の乱が天皇が並立する南北朝時代を招いたこと。

兵庫県にお住いのペンネームよしおさん65歳男性(職業:経営者・個人事業主(自営業))から2021年9月頃に読まれた中先代の乱を読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください

中先代の乱の内容

7日本初の武家政権である鎌倉幕府は、足利尊氏と新田義貞によって滅ぼされましたが、政権を担っていた北条氏は完全に終わったわけではなかった。北条得宗家最後の当主

北条高時の遺児である時行は鎌倉幕府再興を目指して、北条残党を集めて関東で挙兵し後醍醐天皇の建武政権を苦しめたのです。後醍醐天皇の建武政権は、天皇を中心と

いた公家と足利尊氏を首領とする武家の集合体で最初から矛盾を秘めていたのです。北条高行が起こした反乱を中先代の乱といいこの乱が公家と武家の対立を引き起こし

建武政権崩壊の引き金になったといえます。

中先代の乱の著者について

著者:鈴木由美1976年東京生まれ。帝京大学文学部史学科卒業。中世史研究者、中世内乱研究会会長、共著に阿部猛編「中世の支配と民衆」などがあります。

Youtube

【建武新政】103 中先代の乱【日本史】

中先代の乱本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:中先代の乱はわずか20日ほどで鎮圧されますが、その後の歴史に大きな影響を与えたこと。
  • 2:横暴な鎌倉幕府を倒した後の後醍醐天皇の建武政権が、不安定な政権だったこと。
  • 3:中先代の乱が天皇が並立する南北朝時代を招いたこと。

日本初の武家政権である鎌倉幕府は、源頼朝によって打ち立てられましたが、源氏は頼朝から三代で終わり鎌倉幕府の実権は頼朝の妻である北条政子の出身の北条家が握りました。頼朝は征夷大将軍に就任し、征夷大将軍が鎌倉幕府の最高権力者でしたが、その死後北条家が権力を掌握し、将軍を補佐する執権は北条家のものが就任するようになり

やがて、北条家の惣領の得宗が最高権力者となっていきます。しかし北条一族は権力を独占することで傲慢になり、武士たちの怒りを買い滅亡します。そして北条家滅亡のあ

と一族の生き残りの北条時行が、鎌倉を占領した足利に反旗を翻し、中先代の乱を起こすのです。

中先代の乱はわずか20日ほどで鎮圧されますが、その後の歴史に大きな影響を与えたこと。

中世の軍記物語である太平記はよく知られていますが、その中の戦いでも中先代の乱はあまり世間に知られていません。鎌倉幕府滅亡後、信州に潜伏していた北条徳宗家

北条高時の遺児の時行は、信州で挙兵し建武政権が支配していた鎌倉へと向かいます。ふいをつかれた京都の建武政権は、北条時行一派に打ち破られ、足利尊氏の弟の

足利直義軍を倒し鎌倉を占拠します。そこで危機感を覚えた京都にいた足利尊氏は、後醍醐天皇の静止を振り切って軍を率いて鎌倉へと進撃します。

横暴な鎌倉幕府を倒した後の後醍醐天皇の建武政権が、不安定な政権だったこと。

5後醍醐天皇は理想的な社会をつくろうと、当時強大な権力を握っていた鎌倉幕府に対して反逆を企てます。そして正中の変と元弘の変を引き起こし、河内の土豪である

楠木正成、鎌倉幕府の要職にあった足利尊氏、不遇であった新田義貞などの協力を得て建武政権を実現します。しかし後醍醐天皇の作った建武政権は、公家ばかりに有利

な政権で討幕に功のあった武士たちはあまり評価されていなかったのです。このことで武士たちは建武政権に不満を募らせ、足利尊氏たちは後醍醐天皇と対立していきます。

中先代の乱が天皇が並立する南北朝時代を招いたこと。

北条残党の北条時行たちが引き起こした中先代の乱を鎮圧するために、武家の棟梁である足利尊氏は建武政権の最高権力者であった後醍醐天皇の静止を振り切って、京都から

鎌倉へ向かい北条一派を撃破します。しかし乱の鎮圧後も尊氏は鎌倉にとどまり天皇の帰還命令を無視して不興を買い、すべての官職を解かれます、鎌倉は源頼朝が初めて

武家政権を立てた地で、同じ源氏の尊氏にとって特別な土地だったのです。しかしそのことが天皇が尊氏が独自の政権を立てるのではないかと疑心暗鬼になり、尊氏も後醍醐天皇より離反し、別の天皇を立てる要因となったのです。

中先代の乱を読んでの感想やレビュー

中先代の乱は、学校でも習うことはなくドラマや映画でも取り上げることはあまりないので、ほとんど知られていないです。しかもわずか20日ほどで鎮圧されているので

とりあげられることも少なかったのですが、この地味な乱が実は後醍醐天皇の建武政権を崩壊させるきっかけとなったこと、足利尊氏が武家のための室町幕府をつくる

ことにつながっていることなどがわかり興味深いです。また北条一族は鎌倉幕府滅亡の後も生き残り、各地で反乱を引き起こしていることなどがわかりました。

中先代の乱がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • 中世史に興味がない方。
  • 戦国時代のような英雄物語を期待している方。
  • 小説ではないのでエンタメ好きにはあまり会わないと思います。
  • なし
  • なし

鎌倉幕府末期から建武政権から室町幕府初期の時代は、戦国時代のように特に有名な武将や派手なエピソードは少なくどちらかといえばやや地味な面があります。また

昨日の敵が今日の味方になったり、その逆になったりと人間関係が複雑でわかりにくいのです。そのため中世や軍記物語などのあまり興味にない方は、読んでいても

苦痛になり中途で読むのを放棄する可能性があります。この書籍はややマニア向けであり、興味がない方には面白みがかけるかもしれません。

中先代の乱をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 日本史の中でも特に中世が興味のある方。
  • なぜ南北朝時代を招いたのかその原因を知りたい方。
  • 太平記や平家物語などの軍記物語をよく読んでいる方。
  • なし
  • なし

中先代の乱がおきた背景は、初の武家政権である鎌倉幕府が後醍醐天皇や足利氏を初めとする武士たちの不平不満がありその怒りが討幕のエネルギーとなりました。

源氏三代の後、鎌倉幕府の権力を握った北条一族は利益を一族だけで独占する傾向があり、そのことでついに滅亡しましたが一族は滅びたわけではなく、得宗北条高時

の遺児の高行は、後醍醐天皇の建武政権に反逆し鎌倉で中先代の乱を引き起こしました。建武政権で武士を束ねていた足利尊氏は、乱を鎮圧しましたが、後醍醐天皇と

利害が対立し、政権より離脱しのちの北朝天皇をかつぎ南北朝時代を招くことになるのです。







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