文学・評論

【本要約】虹色天気雨(著者: 大島真寿美)の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

虹色天気雨

ジャンル: 文学・評論

著者: 大島真寿美

出版社: 小学館

発売日: 2009/1/13

本の長さ: 178ページ

7.3

総合

7

読みやすさ

7

学び

8

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:どんなに仲のいい友達に悩みを相談されて、「こうした方が幸せになるんじゃないか?」とアドバイスしても、結局は本人が決めていくものなのだな、と思いました。
  • 2:子供と話すときは、子ども扱いをしない方が話が成立するんだと思いました。
  • 3:友達で言いたいことを言って、みんなで支え合う関係は素敵だなと思いました。

群馬県にお住いのペンネーム古都さん40歳女性(職業:その他)から2021年10月頃に読まれた虹色天気雨を読まれたレビューになります。

虹色天気雨の内容

30代後半と思われる主人公が、突然友達の子供を預かることになってから、少しずつ周りに変化が訪れる話。友達が旦那を探しに出たり、その子供と色々な話をすることになったり、他の友達が少しずつ関わっていき、だんだんそれぞれの人生に変化が訪れます。その中で、自分のことに気づいたり、友達の知らなかった面を知ったり、悩んだり決断したり、友達に頼ったり頼られたり。最後には友達の子供の運動会へ、友達みんなで見学へいくことに。人生のちょっとした岐路が描かれています。

虹色天気雨の著者について

著者:大島真寿美
1962年愛知県生まれ。1992年「春の手品師」で文學界新人賞受賞。『かなしみの場所』『ふじこさん』『三月』などの著書がある。

虹色天気雨本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:どんなに仲のいい友達に悩みを相談されて、「こうした方が幸せになるんじゃないか?」とアドバイスしても、結局は本人が決めていくものなのだな、と思いました。
  • 2:子供と話すときは、子ども扱いをしない方が話が成立するんだと思いました。
  • 3:友達で言いたいことを言って、みんなで支え合う関係は素敵だなと思いました。

主人公市子はある早朝、頭もまだ回らない時間に友達からの電話を受けます。その要件は友達の子供を預かってほしいということ。友達の子供美月から、父の失踪や母の様子を聞いた市子は、事の次第を知ります。子供ながらに色々考えている美月、帰ってきた友達が選んでいく人生、そこににぎやかに、見守るように、やさしく関わってくる友達。そんなことに巻き込まれつつ、自分の人生のある清算をすることになる市子。自分の人生とも向き合うことになる、小さな岐路の物語です。

どんなに仲のいい友達に悩みを相談されて、「こうした方が幸せになるんじゃないか?」とアドバイスしても、結局は本人が決めていくものなのだな、と思いました。

主人公は友達から旦那と離婚するかもしれない、と相談されます。最初の内、主人公はまさかそんなことになるとは思いもしなかったのですが、友達は失踪した旦那さんの代わりに働く決心をし、スーパーのレジ打ちを始めます。その間にも友達から旦那さんについての相談や愚痴を聞かされるのですが、主人公は離婚までは考えていなかったのです。しかし、友達は離婚を視野に入れている。どんなに友達のことを思って自分が「こうした方がいいんじゃない?」と言っても、最終的に決めていくのは本人なのだと学びました。

子供と話すときは、子ども扱いをしない方が話が成立するんだと思いました。

主人公市子(いちこ)は、突然預かることになった友達の子供美月(みつき)に対して、本音で話しています。自分がやりたくないな、と思ったことに対してはちゃんと断るし、「子供だから多めにみるか」、「子供だからこうしてあげよう」みたいな気負いがありません。だからこそ、美月も市子に本音で答えているというのが分かります。二人の会話から、信頼がにじみ出ています。子供だから分からないだろう、みたいな遠慮はかえって信頼関係を築けないのではないかと思いました。

友達で言いたいことを言って、みんなで支え合う関係は素敵だなと思いました。

美月の父が失踪したことで、美月の運動会へ、主人公含め、友達何人もの人たちが見学に来ることになりました。みんな、美月の母親と美月を思ってのことだと思うのですが、単純に友達みんなで集まってワイワイ騒ぐのが楽しい、という理由も大きかったと思います。自分たちの運動会ではなく、友達の子供の運動会で盛り上がろうとするというのはなかなかないことだと思います。それを楽しんでしまおうという友達がいるということが素敵だと、純粋に思いました。

虹色天気雨を読んでの感想やレビュー

人生は突然、思わぬ事が起きて、その瞬間から思わぬ方向へ流れていく、ということがある。そんな時、自分の気持ちと向き合うきっかけになるととともに、色んな友達(だけではなく自分に関わってくださった人)が助けてくれたり、逆に変な方へ巻き込まれたりする。それでも人生という時間は流れていく。その中で自分がいい人生を生きたいと思う方に選択するのは、いつだって自分だということが分かりました。多分、日常ってそんなことの繰り返しなのかもしれません。そんなことを思いました。

虹色天気雨がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • 退屈していない人
  • 今に満足している人
  • 友達との関係が良好な人
  • 子供との会話に困っていない人
  • 人生に迷いのない人

自分の人生を謳歌し、今やっていることに夢中になっている人には、多分読む時間自体がないのではないでしょうか?この本を読むならもっと自分のやりたいことに時間を割きたい、集中したいという人にはおすすめできないと思いました。あと、子供との会話も、例え通じ合わなくても自分なりに楽しんでいる人、満足している人は、参考にしなくてもそれで充分なのではないかと思いました。友達との関係性も然りで、良好なのであればそれでいいのではないでしょうか?

虹色天気雨をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 人生に行き詰っている人
  • 子供との会話に悩んでいる人
  • 友達との素敵な関係を味わいたい人
  • 人に頼れなくて困っている人
  • 色んな生き方があるということを知りたい人

この話を読んでいると、突然予期しなかったことが人生に起こる、ということが分かります。旦那さんに失踪されたり、友達の子供を預かることになったり。私の人生にもたくさんの予期しなかったことがことが起きました。よいことも悪いことも。だから、小さなことでも大きなことでも、悩んだり迷ったりしている人には共感できる部分があると思うし、周りの人の大切さに気づくこともできるし、その中で自分と向き合って自分自身について気づくこともあると思いました。







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