ご紹介する本
ストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法
ジャンル: 人文・思想
著者: ウィリアム・B. アーヴァイン
出版社: NHK出版
発売日: 2020/11/27
本の長さ: 199ページ
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:逆境は備えておけば減らせる事は出来るが、不測の事態を無くすことは出来ない。大切な事は、逆境と思われる状況をどうとらえるかという事を考える事。
- 2:楽観主義者でいるためには、自分に対して厳しく律し、怠け者の自分に立ち向かう事が大切だという事。
- 3:死について考える事は重要で、これが最後かもしれないと考えることで、未来ではなく今をより素晴らしいものにしようと思える事。
茨城県にお住いのペンネームsatokiboriさん40歳男性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年6月頃に読まれたストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法を読まれたレビューになります。
ストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法の内容
古代ストア哲学の実践者と自称する筆者が、マルクス・アウレリウス、セネカ、エピクテトスといったストア哲学者が2000年前に説いたストア哲学を紹介している本です。筆者自身がストア哲学のテクニックを実践する事で、21世紀の現代において如何に良い人生を送っているかを説明しています。逆境にいる状態を、ストア哲学の神々が逆境に負けない力、すなわち回復力と問題解決能力を試そうとしているのだと考え、主体的に感情をコントロールし、マイナスの感情にとらわれず、喜びや楽しみなどのプラスの感情を増大する術を記した本です。
ストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法の著者について
著者:ウィリアム・B. アーヴァイン
オハイオ州デイトンにあるライト州立大学哲学科教授。哲学の修士号と博士号を取得している。他の著書では、アメリカ図書館協会CHOICE誌2006年度優秀賞を受賞した「欲望について」や「良き人生について」などがあります。
ストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法本の要約
この本から学べるポイント
- 1:逆境は備えておけば減らせる事は出来るが、不測の事態を無くすことは出来ない。大切な事は、逆境と思われる状況をどうとらえるかという事を考える事。
- 2:楽観主義者でいるためには、自分に対して厳しく律し、怠け者の自分に立ち向かう事が大切だという事。
- 3:死について考える事は重要で、これが最後かもしれないと考えることで、未来ではなく今をより素晴らしいものにしようと思える事。
ストア哲学を知り実践していくことで、コントロール出来ない事で思い悩まなくなり、不安や不満に耐えるのではなく落ち着いていられる様になります。また、感情を抑えるという訳ではなく、マイナスの感情を無くし、喜びや楽しみといったプラスの感情だけを持ってい生きれる様になる楽観主義者でいられる様になります。具体的には、ストア哲学者は逆境に直面した際に、それを神が与えた逆境を冷静に乗り越えるためのテストであると考えており、その考えを「ストイックテスト戦略」と称したフレームワークにしたのでその詳細をご案内いたします。という事が要点になっている書籍です。
逆境は備えておけば減らせる事は出来るが、不測の事態を無くすことは出来ない。大切な事は、逆境と思われる状況をどうとらえるかという事を考える事。
逆境は減らす事が出来るというのは、例えば風邪をひかない様に健康管理に気を付ける、事故に巻き込まれない様に交通ルールを順守する。といったことを実行すれば、風邪をひくリスクを下げられ、事故に合う可能性を下げられるます。不測の事態を無くすことが出来ないというのは、それでも未知のウイルスが流行するかもしれないし、車に突っ込まれるかもしれない。そういった不可避の逆境に際して、なによりも大きなコストになるのは、逆境によって生じる不安や苦痛であるので、この感情的な影響を最小化するテクニックがストイックチャレンジという事です。
楽観主義者でいるためには、自分に対して厳しく律し、怠け者の自分に立ち向かう事が大切だという事。
逆境に直面した際の心理的な不安や苦痛を減らすためには、その逆境をどうとらえるかという状況のとらえ方の変化と、その状況になってしまった一番の責任は自分にあると判断することが大切になります。逆境を嘆いたり周りのせいにしても、周りに対してマイナスの感情を振りまくばかりで、状況は、全くよくならないです。例え片腕を無くしたとしても、もっと悪くなる可能性もあった、まだ出来る事があると逆境を前向きにとらえる事。逆境が起きた理由を外部に求め被害者として怒りを感じるのではなく、マイナスの感情に縛られているのは自分の気持ちの持ちようの問題で、負の感情にとらわれているのは自分自身のせいだと認識し、怒りを感じない様にすることが大切です。そうある為には、常に自分に対して厳しく律していく必要があるという事です。
死について考える事は重要で、これが最後かもしれないと考えることで、未来ではなく今をより素晴らしいものにしようと思える事。
コントロールできないことで思い悩まないのがストア哲学でうたっている事です。その最たる状況が死です。人間には必ず訪れる死について考えることが重要です。「これをすることが、これで最後かもしれない。」と常に考えることが死に備えるという事になります。そうすることでネガティブにはならず、未来でなく、今をより素晴らしいものにするために行動できるようになります。最後のときを思うことは日々の出来事に意味を与える力を持っているという事です。
ストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法を読んでの感想やレビュー
日頃から、ビジネス書籍を中心に読書の習慣がありますが、多数読んだ本の中でも非常に感銘を受けた書籍です。最近のコロナ禍もあり、なんとなく気持ちも落ち込み気味でしたので、逆境に立ち向かうような内容のものを読みたいと、適当に本屋に並んでいたものをとったのが出会いでした。何度も読み返していくうちに、ピンチな状況であっても自分の気の持ち方が変わり、危機的な状況も楽しめる様になってきました。一冊の本が、意識や行動変容まで起こすのはあまりなかったのですが、この本の内容は少なくとも私を動かす力を持っているので、読んでよかったと感じております。
ストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 活字が苦手な人
- 人の話が聞けない人
- 自分が常に正しいと思ってる人
- 自分に厳しくするのは嫌な人
- 先入観から入る人
200ページ超くらいの量があるので、活字を読むことが全く苦手という方はオススメではないです。また、洋書を翻訳しているものなので、文章自体はあまりすんなり入ってくる書き方になっていない様に感じるので、読書をすることに抵抗がある方は苦手に感じるかと思います。また、内容自体は、楽観的に生きるための事が書いてあるものの、その為に実践すべきこと自体は、非常に厳しくきつい内容が延々と記載されているので、思わず反論したくなる気もしますので、正しいか否かで語りたい方や厳しいことに拒絶感を持つ方は苦手な内容かと思います。最後に、ぱっと見、哲学、宗教的な印象を受けるタイトルなので、怪しい宗教関連ではと思って拒否反応が出てしまう方もオススメできないかと思います。
ストイック・チャレンジ 逆境を「最高の喜び」に変える心の技法をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 経営者や起業家などリーダー
- 気持ちが落ち込みやすい人
- 子供・若い人
- 怒りっぽい人
- 根気強くなりたい人
この書籍は、逆境での立ち振る舞い、逆境からの回復を記載したビジネス本です。起業家や経営者、ビジネスリーダー層は、先陣を切って逆境に挑んでく事になりますので、この書籍で書かれている内容が、判断や振る舞いの助けになるのは間違いないので、非常におススメです。併せて、どう生きるか、世界をどの様にとらえるか、といったことをうたっている哲学書でもあり、何でも身の回りにあり不便もなく生きていられる現代を生きる子供、若者にこそ、強い大人になるためのヒント、どう生きていくのかのヒントがあるのではと思います。また、読むだけで明るく前向きな気持ちになれますので、気分が落ち込んだり、怒ったり、めげやすいという、メンタルを鍛えたい方にもおすすめできます。