ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:人は意外な秘密を持っていること。
- 2:小説という媒体だからこそ出せる面白さがあること。
- 3:悪い予感は信じたほうが良いこと。
大阪府にお住いのペンネーム雨穴だいすきさん29歳女性(職業:専業主婦(主夫)?)から2022年10月頃に読まれた『変な絵』を読まれたレビューになります。
『変な絵』の内容
複数の奇妙な絵を題材とした、ミステリー小説です。本作品に登場する9つの絵は、みな一見普通の絵に見えるのですが、よく観察していくとおかしなところがいくつも見つかると思います。作品を読み進めていくうちに、絵を見た時の違和感の正体がだんだんと明らかになっていく、展開の読めないミステリー小説です。短めのエピソードが複数収録されている形なので、長い小説を読むのが苦手な方にも楽しんでいただけるのではないかと思います。
『変な絵』の著者について
著者:雨穴
オモコロのライターで、youtubeにも、ホラー・ミステリー系の動画を投稿しているライターの方です。
『変な絵』のYoutube
「『変な絵』」についてYouTube(ユーチューブ)で紹介している動画がないか調べてみました。
「雨穴」チャンネルでご本人が運営されているチャンネルが有りましたので良ければ合わせて見てみてください。
『変な絵』本の要約
この本から学べるポイント
- 1:人は意外な秘密を持っていること。
- 2:小説という媒体だからこそ出せる面白さがあること。
- 3:悪い予感は信じたほうが良いこと。
9つの奇妙な絵をめぐるミステリー小説です。章が比較的細かく分かれて、短編集のような形式になっているので、普段本を読まない方にも読みやすいかと思います。一つ一つの謎を解いていくうちに、大きな秘密も明らかになっていきます。文章も読みやすく、一緒に謎を解いている感覚で読み進められると思います。雨穴さんのyoutube動画にしばしば登場する「栗原さん」の大学生時代の描写もあるので、雨穴さんの動画を見ている方はさらに楽しめると思います。
人は意外な秘密を持っていること。
本作品は、最初に一枚の絵が示され、それに対する大学での授業での解説から物語が始まります。授業内容は心理学的な観点から絵を描いた人の心理を読み取るもので、その解説に私も最初は納得していました。ただ、その絵が別の見方もできることに、物語の終盤で気づくかと思います。一見何の変哲もない絵ですが、よく見るといろいろ「変」なところが隠されていると思います。これがある人物の大きな秘密につながっています。まずは謎解き感覚で絵を見てみると面白いかと思います。
小説という媒体だからこそ出せる面白さがあること。
この小説には、いわゆる「叙述トリック」が用いられています。多くの人は、文章を読みながらこうだろうと推測していたものが、全く違ったということに後から気づかされることになるかと思います。このような叙述トリックは映像を伴うドラマや映画では表現が不可能か、とても難しいもので、小説という形式だからこそ味わえるものだと思います。自分の想像を裏切られるのは面白く、快感だと思います。ぜひ実際に読んで、作者にだまされてみてください。
悪い予感は信じたほうが良いこと。
本作品の登場人物には、危険を知りながらも真実を確かめようとしてたいへんな目に合う人がいます。フィクションとしては面白いですが、現実では危険かもしれないと思ったら、その予感に従ってはやめに身を引くことも大事なのではないかと思いました。ただ、その人のおかげで物語は大きく進展し、またその人の行動が結果的に真犯人の確保にもつながります。時には危険と知りながらも確かめずにはいられない場合もあるのかもしれません。
『変な絵』を読んでの感想やレビュー
最後まで緊張感を持ったまま読み進められて、とても面白かったです。最初はどの絵も普通の絵に見えたのですが、最後まで読んでから見てみると皆とても恐ろしい絵に見えます。長い文章を読むのは苦手なのですが、文章も読みやすく、さくさくと読み進めることができました。真犯人の意図を知って、最後にとてもぞっとしました。至る所に謎がちりばめられていて、一回読んだ後、もう一度最初から読み返したくなる小説だと思いました。
ゾゾッ。ゾワッ。ザワッ。とした。変な家よりも迫力がアップしてる。#変な絵#雨穴 pic.twitter.com/BnggFYxaiK
— maki (@dragon0920fruit) March 5, 2023
#読了 #変な絵 #雨穴
4章からなる連作短編集。それぞれの章に登場する、少し「変な絵」。その絵の謎を紐解いたとき、事件の真相が見えてくる…。
おもしろかった!!個人的には、前作「#変な家」を余裕で超えてくるおもしろさ。
それぞれの物語を読んでいると、微妙にリンクする部分があり…。 pic.twitter.com/y5y634nkga— 棚からぼた餅@読書垢・主にミステリ (@tanabotablog) March 12, 2023
『変な絵』がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- この作品には、一部グロテスクな描写が含まれます。
- 妊娠中の人にはおすすめしません。
- 幼い子が辛い目にあう表現があります。
- ペットが辛い目にあう表現があります。
- 怖いものが苦手な人
基本的にすべての人におすすめですが、この作品には一部グロテスクな描写や暴力表現等が含まれます。そういったものが苦手な方には読むのが辛いかもしれません。また、妊婦さん、小さい子ども、ペットが辛い目にあう描写がありますので、そういったものが苦手な方は読むのを避けたほうが良いかもしれません。また、この作品には他にもショッキングな描写が含まれますので、そういったものや、怖いものが苦手な人には難しいかもしれません。
『変な絵』をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 展開の読めないミステリー小説が読みたい人
- 謎解きが好きな人
- パズルを解くのが好きな人
- 少し怖い展開が好きな人
- 短編小説をよく読む人
絵を題材とした先の読めないミステリー小説であり、謎解き感覚で読み進められるため、ミステリー小説や謎解きが好きな方におすすめです。パズルを解くような感覚で謎解きしながら読み進めていくのも楽しいかと思います。また、一つ一つのエピソードが短く読みやすいため。また、作者はホラー系の動画をyoutubeにアップしている人物です。本作品は本格的なホラーではないものの、少し怖い描写があります。怖い展開が好きな人には楽しんでいただけるかと思います。また、本作品は短めのエピソードが複数集まった形式ですので、短編小説をよく読まれる方にもおすすめです。