文学・評論

【本要約】坂の上の雲(著者: 司馬遼太郎)の書評とポイント解説を総まとめ!

ご紹介する本

坂の上の雲

ジャンル: 文学・評論

著者: 司馬遼太郎

出版社: 文藝春秋; 新装版

発売日: 1999/1/10

本の長さ: 350ページ

9.6

総合

9

読みやすさ

10

学び

10

面白さ

この本から学べるポイント

  • 1:歴史は繰り返す。
  • 2:歴史に学び同じ過ちを犯さないようにする。
  • 3:自分を持って生きる

愛知県にお住いのペンネームシーバさん39歳男性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年11月頃に読まれた坂の上の雲を読まれたレビューになります。

坂の上の雲の内容

日露戦争の少し前から日露戦争の終わりまでを描いた小説です。ビジネスで成功している多くの方に読まれている歴史小説です。膨大な調査から導かれた日露戦争の様子は日本だけでなく海外でも高く評価されています。日本がロシア軍が率いるバルチック艦隊に勝利した様子も克明に描かれています。ただ日本が将来したことを称賛するだけでなく歴史的事実からその時代のその価値観まで描き出し時に褒めて時に批判する形で書かれています。

坂の上の雲の著者について

著者:司馬遼太郎
代表作には『龍馬が行く』や『燃えよ剣』などがあります。歴史小説が多く、膨大な調査から導き出されたストーリーです。大正12年生まれで平成8年にお亡くなりになっています。

坂の上の雲本の要約

この本から学べるポイント

  • 1:歴史は繰り返す。
  • 2:歴史に学び同じ過ちを犯さないようにする。
  • 3:自分を持って生きる

歌人・正岡子規、陸軍・秋山好古、海軍・秋山真之を中心に日露戦争の始まりから日本の勝利までを描いた歴史小説です。日本の歴史的な勝利の裏にどのような人物がいてどのように戦ったのか、全てが日本有利に進んでいた訳ではなく、人の心や時の運、国民性など多様な要素が絡みあって日本という小国がロシアという超大国相手に勝利することができた歴史的大金星が描かれています。組織のまとめ方やあり方など現在の組織論にも通じる部分が多々あります。

歴史は繰り返す。

『日清戦争の前、権兵衛がやった最大のしごとは、…老朽、無能幹部の大量首切りだった。一つの時代がすぎ去るというのは、その時代を構築していた諸条件が消えるということであろう。消えてしまえば過ぎさった時代への理解というのは後の世の者にとっては、同時代の外国に対する理解よりもむずかしい。』小説の中に出てくる印象的なシーンです。時代に合わない人を降格させて、時代に合わせて力を発揮できる人を昇格させられる仕組み。そして、降格した人も努力次第で昇格できる仕組み。組織の新陳代謝、大事だと思います。

歴史に学び同じ過ちを犯さないようにする。

技術の軽視というのはいつの時代も変わらないのだと感じます。結局、最新の技術があってもそれを使いこなせない人間が上に立つ限り新しいものを使って良くしていくことができないのは今も昔も変わらないことがわかります。『敵の技術に対しては勇気と肉弾をもってあたるというのがその誇りですらある。…技術面の二流性は、兵卒の血でおぎなおうとしていた。』技術で営業できるわけではないけど、データを軽視した勘コツ営業の積み重ねは非効率の極みだと感じます。

自分を持って生きる

『作戦目的というのは一行か二行の文章で足りるのだ。るる説明してもなおわからないような作戦目的というのは、もうそれだけでろくなものではない。』目的のみ一言で伝えて、現場に任せる。あの手この手は焦点がブレる。組織をまとめていく上で周りや上司の顔を気にして美辞麗句を並べても人は動きません。何をすることが目的に対して最も有効な手段であるのかは現場の長が自らの意志で決めたかをやり抜く以外に方法がないのは戦時中もビジネスも変わらないと思います。

坂の上の雲を読んでの感想やレビュー

今も昔も組織の大原則が変わらないことを証明してくれる小説です。上が無能だと犠牲者が多く、正しいことも正しくなくなりイタズラに消費することを繰り返す。現代の歴史が長い会社や政治の多くに共通する問題点が満載されている小説だと思います。しっかりと歴史を学び同じ過ちを繰り返さないように自らを高めていく小説が昭和の中頃に書かれている事実からも原理原則は変わらないことが証明されています。全8巻と長い小説ですが一読の価値はあると思います。

坂の上の雲がおすすめでない人

こんな人はおすすめしない

  • 字が読めない人
  • 集中力がない人
  • 歴史に興味がない人
  • 学ぶ気持ちがない人
  • 人の名前を覚えるのが苦手な人

400ページほどの文庫本で全8巻あります。かなり気合いを入れないと読めないボリュームですので時間がかかります。ですので飽きっぽい人にはお勧めできません。また、一昔前の歴史小説なので読みにくい表現や難しい漢字が多数出てきます。一つ一つ調べながら学んでいく気持ちがないとなかなか読めません。登場人物も非常に多く、一部、日本史で勉強した時に出できた人の名前が出てきますが、ロシア人の名前も多数でて来ますので非常に難解です。

坂の上の雲をおすすめしたい人

こんな人におすすめ

  • 管理職
  • 自分の生き方に悩んでいる人
  • 歴史に興味がある人
  • 大学生
  • ビジネスで成功したい人

歴史を学ぶことは人の成功や過ちについて学ぶことです。今成功している人、これから成功を目指す人、今失敗している人、には是非、歴史から学び、いいところは真似をして、悪いことは繰り返さないように気をつける、そんな素養を身につけて欲しいと思います。また、世の中の成功者が読んでいるということで一度読んでおくことでそういった人々と話をする時のネタになるということもあります。自分が大きく成長するために読むことをおすすめします。







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