ご紹介する本
セグリゲーションのすすめ
ジャンル: ビジネス・経済, マネジメント・人材管理
著者: 根本俊一、西澤拓哉
出版社: 中央経済社
発売日: 2012/9/20
本の長さ: 228ページ
この本から学べるポイント
- 1:誰も見てないと従業員は勝手にお金を使う
- 2:外注業者と結託すれば簡単に不正ができてしまう。
- 3:会社の印鑑を社長以外のものが預かるリスク
兵庫県にお住いのペンネームよしおさん66歳男性(職業:経営者・個人事業主(自営業))から2021年2月頃に読まれたセグリゲーションのすすめを読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
セグリゲーションのすすめの内容
職場ではIT化が進み、変革していっています。しかしシステムの整備がなされても変わらないものが従業員による不正です。セグリゲーションとは、従業員の不正を防ぐ
たもの方法のことで、この書籍では法人監査のプロである、二人の公認会計士が企業担当者との対話を通じて、どうすれば従業員不正を予防することができるのかわかりやす
く解説しています。従業員不正問題は規模の大小を問わず、どこの企業でも起こりうることなのでこの本を読むことで、企業側と従業員が両方とも嫌な思いをしないで済みます。
セグリゲーションのすすめの著者について
著者:根本俊一、西澤拓哉根本俊一氏は、東京大学工学部卒業後、三優監査法人、監査法人トーマツなどを経て独立し、企業のコンサルティングなどを行っています。公認会計士・税理士。
西澤拓哉氏は、慶応義塾大学卒業後、新日本監査法人にて外資系企業などの監査業務を経て、個人事務所を設立し、企業の監査業務などをおこなっています。公認会計士・
税理士。YOUTUBEを変換
セグリゲーションのすすめ本の要約
この本から学べるポイント
- 1:誰も見てないと従業員は勝手にお金を使う
- 2:外注業者と結託すれば簡単に不正ができてしまう。
- 3:会社の印鑑を社長以外のものが預かるリスク
根本氏と西澤氏の二名の公認会計士・税理士の資格を持つ法人監査のプロが、様々な企業の担当者から直接話を聞いて、従業員のどのような不正があったのか具体的に解説
されています。机上の空論ではなく、現実に起きた従業員の不正の具体的な事件を対話形式で説明しているので、面白くわかりやすいです。販売と回収を一人の従業員が
行ったことで不正が可能になったケース、下請け業者と組んで不正を行ったケースなど非常に興味深く、各企業の担当者には参考になります。
誰も見てないと従業員は勝手にお金を使う
世間一般の考えでは、従業員性善説に立っていて間違ってはいませんが、企業というものはお金を扱うものなので、性善説だけではやっていけないことがあります。
人は弱いものなので魔が差すということもあるのです。ある小さな医療用品販売会社では、九州に支店を開設するときに営業成績のいい従業員を支店長に抜擢しました。
しかしのその従業員は、売上代金を持ち逃げして雲隠れしてしまったのです。この会社の失敗の原因は、遠隔地の支店を支店長一人に任せていて、本社の目が届かなかった
です。
外注業者と結託すれば簡単に不正ができてしまう。
あるソフトウェア会社の開発担当者は、外注業者に発注するときの権限が自分に集中していることを利用して、特定の業者に便宜を図り多額のキックバックを受けていました
。この会社では、経理部長が外注業者への支払い承認を行うことになっていましたが、開発業務にノータッチだった経理部長は、支払う金額が適切かどうか判断できなかった
のです。それをいいことに開発担当者は、業者への多額の支払いに都合よく理屈をつけてキックバックを受けていました。この件の教訓は一人の人間に権限を集中させることの危険さです。
会社の印鑑を社長以外のものが預かるリスク
老舗の和菓子メーカーの管理部門を統括する役員が、社長が病気のため会社の印鑑を預けられるようになりました。それをいいことにその役員は、証券会社で口座を開設し
独断で株式取引を行っていたのです。しかもその株式取引は会社の本業とはまったく関係のないのであり、短期利益を狙うデイトレードでした。会社の印鑑を社長以外のもの
が管理するのは非常に危険で、特に銀行届出印や代表印などの管理は重要になります。そのため従業員が使用する場合は、厳格なルールを作る必要があります。
セグリゲーションのすすめを読んでの感想やレビュー
テレビや新聞のニュースでよく企業の不祥事について報道されていますが、はたしてその事案がどういう経緯で起こったのか、問題を起こした企業にはどういう欠点が
あったのかあまり具体的に報道していないです。そのため悪いやつが事件を起こしたで終わってしまい、単なるニュースとして消費されてしまいます、しかしこの本では、
売上代金の回収、外注業者の請求、銀行の印鑑、棚卸など様々なケースでなぜ不祥事が起きてしまったのか、具体的に解説されているので勉強になりました。
セグリゲーションのすすめがおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 企業の業務は誰にでもできるので、一人の人間に任せて問題ないと考える経営者。
- 個人で仕事を行っていて、組織に所属していない方。
- 学生などでまだ社会に出ていなくて、企業に縁がなく実感がわかない方。
- なし
- なし。
企業経営者の中には、自分は業務にほとんどタッチせず、重要な業務を社内の従業員に任せておけばいいと考える方もいます。それが悪いとは言いませんが、やはりある程度
自社の業務についてある程度把握するほうがいいです。しかしすべて丸投げでいいと思う経営者には、この本はあまり役に立たないと思います。また一人親方や声優やクリエーターなど個人で仕事している方には、この本はほとんど必要ないです。さらに高校や大学や専門学校などで学んでいる学生は、本の内容はピンとこないと思うのでおすすめしないです。
セグリゲーションのすすめをおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 企業の社長やオーナー
- 8企業の経理や総務や管理部門などの責任者
- これから起業しようとしている方たち。
- なし。
- なし。
企業といってもやはり人間の集まりなので、いろいろな人によって構成されています。また完璧な会社というものはないので、どの会社にも弱点というものが存在します。
従業員の中でもとりわけベテランや能力のある人は、業務に精通しているので重要なポジションにつきやすいのです。ほとんどの従業員は、誠実で真面目に仕事をしている
のですが、中には立場を利用して利益を得ようとするものも存在するのです。また生真面目に職務に励んでいるものでも、様々な事情で不正に手を染めることもあるので、
そういった不祥事を起こさないために、一人の人間に重要な業務を任せるのはやめて、リスクヘッジをしておく必要があります。