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明治維新という過ち 増補改訂版
ジャンル: Amazon Student ポイント還元(和書)
著者: 原田伊織
出版社: 歴史春秋出版
発売日: 2015/1/1
本の長さ: 319ページ
この本から学べるポイント
- 1:英雄吉田松陰はその実態は過激なテロリストであること。
- 2:賊軍といわれる会津藩の武士こそほんとうの尊皇派であったこと。
- 3:明治維新を支えた思想が水戸藩の水戸学であったこと。
兵庫県にお住いのペンネームよしおさん65歳男性(職業:経営者・個人事業主(自営業))から2021年2月頃に読まれた明治維新という過ち 増補改訂版を読まれたレビューになります。以下からKindleや中古で購入できるので興味がある方は是非見てみてください
明治維新という過ち 増補改訂版の内容
明治維新といえば江戸幕府300年の封建体制を終わらせて、日本を近代化させた画期的な出来事として評価され教科書やドラマや映画でもそのように描かれています。
しかしこの本では明治維新を美化するのではなく、革命の志士として英雄化されている薩摩長州の下級武士たちの生々しい実態を描いています。実際長州の志士たちは天皇の在所である京都御所を砲撃したり、天皇を拉致して長州へ連れ去ろうとしたり、無法者としか思えない行動を行っています。この本では美化されている明治維新の仮面を
剥ぎ取りリアルな明治維新の真実を暴いているのです。
明治維新という過ち 増補改訂版の著者について
著者:原田伊織昭和22年に京都に生まれ、マーケティングプランナーやコピーライターなどを経て作家、歴史評論家として活動しています。
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明治維新という過ち 増補改訂版本の要約
この本から学べるポイント
- 1:英雄吉田松陰はその実態は過激なテロリストであること。
- 2:賊軍といわれる会津藩の武士こそほんとうの尊皇派であったこと。
- 3:明治維新を支えた思想が水戸藩の水戸学であったこと。
0勝てば官軍という言葉があるように、明治維新で徳川幕府を倒して新政府の作り上げた薩摩長州の藩士たちは、偉業を称えられて英雄としてあがめられています。例えば
高杉晋作や伊藤博文を松下村塾で指導した吉田松陰は、現在まで不世出の英雄として評価されていますが、実態はテロリストにすぎないのです。また幕府側で薩摩長州と
戦った会津藩の武士や新選組は賊軍として指弾され、後世に歪められて伝えられています。この薩摩長州中心史観ともいえる間違った考えを確定させたのが、司馬遼太郎の歴
史小説であると明らかにされています。
英雄吉田松陰はその実態は過激なテロリストであること。
4維新の英雄である吉田松陰は、松下村塾という塾の主催者であり、高杉晋作や伊藤博文、山県有朋などの明治維新を成し遂げた多くの志士を育て上げその思想は志士たちの
精神的支柱になりましたが、幕府の不当な弾圧で志半ばで亡くなったとされています。ただ松陰は長州藩の下級藩士にすぎすペリー来航を受けてアメリカの船に乗り込もうと
してつかまり、のちに大老の井伊直弼を暗殺しようとしています。松陰は当時は大物とはいえず、大言壮語する過激な若者の一人にすぎなかったのです。
賊軍といわれる会津藩の武士こそほんとうの尊皇派であったこと。
作家司馬遼太郎は、幕末維新をテーマにした多くの歴史小説を書きその作品はドラマや映画になっていますが、薩摩長州史観ともいえる考えが強く明治維新を非常に美化しています。この司馬さんの考えが多くの日本人の歴史観に大きな影響を与え、画期的な改革を行った明治維新こそ日本近代史上の大事業で、それに参画した薩摩長州の藩士たち
は日本史上でも不世出の英雄とされています。しかしその司馬史観こそ、最初から間違っていることを著者は述べています
明治維新を支えた思想が水戸藩の水戸学であったこと。
薩摩長州の藩士たちを中心に行われた明治維新ですが、いきなり降ってわいたように起きたのではなく、それが起きる思想的な背景というものがあり、それが水戸藩で誕生し
た水戸学であると著者が説明しています。水戸学を生み出したのは水戸藩の藤田幽谷という学者であり、明治維新の思想的バックボーンである尊王攘夷思想を日本全国に広め
たと言われています。水戸学にはテロリズムを肯定する要素がありその過激な思想が長州に輸出されて、尊王攘夷運動から討幕運動へと発展していったのです。
明治維新という過ち 増補改訂版を読んでの感想やレビュー
明治維新の主体となった、岩倉具視や大久保利通といった男たちも高邁な理想から明治維新を行ったわけではなく、権力闘争の結果として明治政府を打ち立てたのであり
この闘争に巻き込まれた会津藩や東北諸藩は一番の犠牲者であり、まったく非がないのに薩長に戦争を仕掛けられ多くの死者を出しています。明治維新は政情不安を起こすために
長州がテロを繰り返し、弱体化した徳川幕府を強引に倒して行ったクーデターで、まったく正統性がないものであることがわかります。
明治維新という過ち 増補改訂版がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 薩摩長州が正義の味方だと思い込んでる方。
- 事実を検証しない方。
- 公式見解以外は信用しない方。
- なし
- なし
一般的な見方として明治維新は正義の薩摩長州が悪の徳川幕府を倒して近代化したとの考えを受け入れている方が多く、そうではなく薩摩長州の志士こそが冷酷なテロリストで
目的のためには手段を選ばない男たちだったとの見方は、受け入れがたいものと思われます。そういう見方をしている方が、真逆の歴史観を知っても素直に信じるとは思えないのです。そこで無理に読んでも不快になるので、おすすめできないです。人は簡単に違う考えを受け入れることはしないのです。
明治維新という過ち 増補改訂版をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 幕末明治維新に興味がある方。
- 歴史はいろいろな見方があると思う方
- 明治維新の美化に違和感がある方
- なし
- なし
ドラマや映画を見ていると、幕末維新の時代は、坂本龍馬や高杉晋作や吉田松陰など薩長を中心としる志士たちは正義の味方で、徳川幕府は悪の権化だから倒れたという見方
が大半ですが、そうではなく京都を荒らしまわる薩長の志士たちに手を焼いた幕府が、会津藩や新選組に銘じて治安維持のために警察行動を行ってことや、実際には戦いたくなかった東北諸藩に無理やり言いがかりをつけて戦争を仕掛けた薩長の悪辣さが描かれていて、ドラマや教科書とは正反対の真実が述べられていて常識を覆されて驚きます。歴史は簡単に善玉悪玉で分けられるものではないことがよくわかります。