ご紹介する本
総合
読みやすさ
学び
面白さ
この本から学べるポイント
- 1:今まで自分が何にストレスを感じていたか論理的に説明できるようになった。
- 2:正義に正解はなく、だからこそ人はぶつかるということ。
- 3:コミュニケーションの重要性
神奈川県にお住いのペンネームky2s`さん25歳男性(職業:会社員・職員(正規雇用)?)から2021年12月頃に読まれた正義の教室 善く生きるための哲学入門を読まれたレビューになります。
正義の教室 善く生きるための哲学入門の内容
内容(「BOOK」データベースより)
ソクラテス、プラトン、ベンサム、キルケゴール、ニーチェ、ロールズ、フーコーetc。人類誕生から続く「正義」を巡る論争の決着とは?私立高校の生徒会を舞台に、異なる「正義」を持つ3人の女子高生のかけ合いから、「正義」の正体があぶり出される。
正しく生きるために必要な正義とはどういうことなのか、そもそも正義に分類があるのか、どの正義が正しいのかを考えるための最初の一歩として用いる本6
正義の教室 善く生きるための哲学入門の著者について
著者:飲茶
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
飲茶
東北大学大学院修了。会社経営者。哲学や科学などハードルの高いジャンルの知識を、楽しくわかりやすく解説したブログを立ち上げ人気となる。
正義の教室 善く生きるための哲学入門本の要約
この本から学べるポイント
- 1:今まで自分が何にストレスを感じていたか論理的に説明できるようになった。
- 2:正義に正解はなく、だからこそ人はぶつかるということ。
- 3:コミュニケーションの重要性
正しく善く生きるとはどういう意味をもつのか、そもそも正義とは何かを考えるための本です。
内容としては、正義には大きく分けると3種類あり、たいていの人間や国家はこの3つに分けられます。
平等で幸福であることが正しいとする功利主義、選択する自由があることを正しいとする自由主義、正しさとは言葉で説明できないが誰もが理解しているとする直観主義
それぞれの主義の主張、主張が行き過ぎた末に発生する悪について、それぞれを主義とする登場人物をベースに説明されています。
今まで自分が何にストレスを感じていたか論理的に説明できるようになった。
私は正義感に厚く、人生で正しいことをやっているという自負がありました。
そして正しいことを行っていない人に対してはストレスを感じてました。
しかしなぜその行動が私にストレスを与えているのか、論理的に説明、言語化することはできませんでした。
しかしこの本を呼んだことによって、自分にとっての正しさとは自由であることと分かり、それを侵害していると感じたときにストレスを感じていたのだと理解することができました。
正義に正解はなく、だからこそ人はぶつかるということ。
自分としての正義が理解できたが、その正義を追求していった結果についても学びました。
自分にとっては正しいことでも、その正義を理解できない人もいます。その人にとっての正義はまた別の主義であるかもしれないからです。
例えば自由主義のみを追求していった先には、格差は広がり、弱肉強食の世界が広がっていきます。
その世界は功利主義や直観主義にとっては正義に反する世界となってしまいます。
互いの正義が異なる前提のもと意見がぶつかってしまった場合、意見が相容れない事は明白です。
コミュニケーションの重要性
上記の場合、議論を繰り返すことは無駄であるのではないかと考えてしまいます。
しかし、意見がぶつかってしまうからこそ人はコミュニケーションをとり続けないといけないのだと思います。
それはより善い正義を見つけるためにです。
多くの人が正しくいきたい、善く生きたいと思っていると思いますが、そのために何が必要なのかを認識していないと思います。
普遍的な正義を見つけるには、他者との交流が必要不可欠なものであるということを学びました。
正義の教室 善く生きるための哲学入門を読んでの感想やレビュー
昔から自分の中で正義とは何かについて議論を行っていました。
その中で漠然とした考えはありましたが、では実際に言語化できるかというとそうではありませんでした。
この本を読むことにより、自分の中にある正義の概略がわかり、同時に許せないことが何であるかも言葉にすることができました。
哲学書というととても堅苦しいイメージがありますが、小説調であることにより登場人物に感情移入することができ、より自分事のように感じることができました。
正義の教室 善く生きるための哲学入門がおすすめでない人
こんな人はおすすめしない
- 哲学に精通している人
- 自分の正義が確立されている人
正義とは何かという問いは、全人類に当てはまる問題でもあり、かつ現時点で答えが見つかっていない問題であるといえます。
そのためこの問題を考えることはすべてに人がすべきだと考えており、その一歩に適した本であると思っています。
あえていうなら、哲学入門であるため、哲学に精通している人には不要かもしれません。
ただ、小説のように登場人物がいることにより、一般的な哲学書と異なりより自分事のように考えられるという面白さもあります。
正義の教室 善く生きるための哲学入門をおすすめしたい人
こんな人におすすめ
- 幸せとは何かを探している人
- 時間に余裕がある人
- 人にやさしくしたい人
- 家族がいる人
- 友人がいる人
おそらくすべての人間が幸せになりたいと思って生きていると思います。
もしもこれ以上幸せになりたくないという人はいないのではないでしょうか。
この本を読むことにより、幸せや正義とは何かを見つけるための一歩となると思います。
そういう意味で、この本は万人が読むべき本だと思ってます。
しかし誤解しないでいただきたいのは、この本を読むことで正義の答えが出るものではないということです。
人それぞれの正義がある中で、それを見つけられるのは自分しかいないためです。
それを探すための第一歩としてはとても有用的だと感じますので、万人におすすめできます。